昨日のサンケイ新聞に面白い記事が載っていた。”君が代”の英語の替え歌(?)が出現、との話題である。
「君が代」替え歌流布
下に、新聞より、替え歌の詩と訳を引用する。
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【詞】
Kiss me, girl, your old one.
Till you’re near, it is years till you’re near.
Sounds of the dead will she know ?
She wants all told, now retained,
for, cold caves know the moon’s seeing the mad and dead.
【訳】
私にキスしておくれ、少女よ、このおばあちゃんに。
おまえがそばに来てくれるまで、何年もかかったよ、そばに来てくれるまで。
死者たちの声を知ってくれるのかい。
すべてが語られ、今、心にとどめておくことを望んでくれるんだね。
だって、そうだよね。冷たい洞窟(どうくつ)は知っているんだからね。
お月さまは、気がふれて死んでいった者たちのことをずっと見てるってことを。
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ネットのどこやらから沸いて出た、読み人知らずのパロディらしい。英語の歌詞であるが、歌ってみると日本語の原詞そのままにも聞こえるところがミソのようだ。
面白いものが出てきたもので、あちこちで君が代斉唱の強制とそれに対する反抗のニュースなど聞こえてくるご時世であるが、君が代を歌いたくない者がこの詞を反逆の意味を込めて歌ったとしても、日本語の正しい歌詞と区別は簡単には付けがたいので、対処の仕様がないという仕組みだ。
歌詞について記事では従軍慰安婦問題にかかわりが?などと書いているが、もしそのような意味合いの詞なら、ちょっと事象限定過ぎてパロディのスケールが小さくなってしまい、あまり面白くない。このような場合、まったくのナンセンスで行くのが常道だろう。もっともこの歌詞、実勢は作者以外には意味不明の寝言のような代物のようだが。
そういえばずいぶん前に私も、そのタグイの試みをしたことがある。下のような”作品”である。
黄身が用は 腸にや腸に 差去れ 医師の
胃は尾となりて 口径の蒸すまで
なんとか原詩の発音に近い形で料理の歌にしようとしたが、あまりうまくは行かなかった。
君が代の歌詞というと思い出すのが、何年か前にある掲示板でであったオネーチャンである。彼女は「君が代の”君”は、天皇ではなく恋人を指すのであり、つまり君が代は人間愛の歌なのである」なんて話を得々として書き込んでいた。
アホかお前は。
そんな小学校の昼休みみたいなたわいのない言葉遊びを聞かされて、かって異国の軍隊に君が代の名において人生のさまざまを蹂躙された人々が「なるほどそうだったのか。それならいいや、ワシも明日から毎日、君が代を歌いながらラジオ体操をしよう」とニコニコ笑いながら頷くとでも言うのか。
などと、まだ人の良かった頃の私は、わざわざ言ってやったのだが。今でもネットのどこかで同じこと言ってるんだろうなあ。