ネパール人が5年で6倍に 人口の2割が外国籍の街で記者が見た光景
人口の23%(約3万人)を外国籍住民が占める大阪市生野区。歴史的に在日コリアンの人々が多く暮らすが、多国籍化が進み、今は約80カ国に及ぶ。
特にネパール国籍の住民は過去5年で6倍に増え、約1600人(3月末)に。JR環状線・桃谷駅前の商店街にはネパール関連の店が増えているという。
日本全体でもネパール人の数は急増している。「外国人問題」や「日本人ファースト」という言葉が社会に飛び交う今、記者が現場を歩くと、地域の中には「当たり前」の交わりがあった。
ネパール人学生が次々と
桃谷駅前には、東向きに約500メートルのアーケードが延びる。昔ながらの鮮魚店や履物店が並ぶ商店街を端まで歩くと、計5軒のネパール料理店、食材店を見つけた。周辺にも3店舗あり、軽装で行き交うネパール人の姿も頻繁に見かける。
10月上旬の正午、商店街でネパール国旗を掲げる料理店「ソルティ・モモ」を訪ねた。すぐ後に10人ほどの若い男女が続々と入店し、母語でにぎやかなおしゃべりを始めた。駅前にある大学の留学生だという。
大半の学生は故郷の定番食「ダルバート」を注文。大皿に米飯、豆のスープ、野菜、肉、漬物が少量ずつ並び、右手で素早く混ぜて口へ運ぶ。店員が冗談で笑わせながら、ご飯とスープのおかわりを入れていた。
男子学生は「留学生はみんな昼休みによく食べに来ますよ。安いし、味が好きですから」と滑らかな日本語で話す。自炊用にと隣の食材店にも寄り、慌てて午後の講義へ向かっていった。
日本語留学生から経営者に
隣り合う二つの店を経営するグルング・テズ・プラカスさん(32)は2013年、ネパール第2の都市ポカラから留学生として広島へ来た。
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