t「『異議あり!!』」
t「フォンテーヌが誇る裁定がこうも酷いものだとはね!」
t「これがそっちの規則なら、俺も自分の規則で行こう。」
『よし!』
タルタリヤは水の双剣を構え、リンクはアランナラ印の「原木刀」を取り出した。
「待て待て!?こんなところで武器は出すなって…」
t「フォンテーヌの法律では、容疑者は決闘代理人に決闘を申し込むことができる…そうだったよね?」
nu「…フォンテーヌ法第48条、告発を受けた容疑者は、命を懸けて自分の名誉を守る為に公式の決闘代理人に決闘を申し込むことができる…。その通りだ。」
t「勿論僕は決闘を申し込むよ!」
『同じく。』
…程なくして、リンク達が勝手に飛び乗った舞台上に一人の女性がやって来た。
確か、フリーナと最初に出会った時に一緒にいた人…
「アイツって…?神の目持ち…雷か。とにかくすっごい強そうだぞ…」
n「彼女はクロリンデ……最強の決闘代理人よ…!」
「つまり余計不味いじゃないか!?」
史上最強の決闘代理人、対するは異邦というか違法の蛮族とファデュイ執行官。
不本意にも、フォンテーヌの歴史に残る程の決闘が始まった…
t「行くぞ相棒!」
かかってこいと言わんばかりの表情を浮かべたクロリンデに、タルタリヤがいきなり斬りかかる。
クロリンデの銃口から放たれた雷速の弾丸が、空気を裂く。
水の双剣が交差し、弾丸を正面から叩き切っていく。
だが、迫るタルタリヤの一撃を、クロリンデは半歩下がるだけで回避した。
さらにタルタリヤの動きを確実に読み、避け難い位置に弾丸を飛ばして来る。
t「…やっぱり本職は違うな!」
相手がタルタリヤを狙った隙を突き、リンクは横から一気に距離を詰める。
t「合わせろ!」
リンクとタルタリヤはクロリンデに左右から攻撃を仕掛ける。
二人に追加の鋭い弾丸の応酬…クロリンデは撃ち切った方の銃を腰にしまう。
そのまま即座に取り出してきたレイピアで水の双剣を逸らし、リンクに突きつけた。
k「どうした。こんなものか?」
t「…やれるな、相棒!」
『任せろ。』
リンクは久々に盾を装備してクロリンデを見つめる。
タルタリヤも距離を取り直して不敵な笑みを浮かべた。
k「来るなら来い。」
クロリンデの台詞の後に続いて二人はまた走り出す。
再度一気に近づいて、同時攻撃を仕掛ける。
k「もう見えている。」
リンクとタルタリヤに、それぞれ銃を放つ…その瞬間。
リンクは弾を見切り、一気に横に飛んでタルタリヤとクロリンデの間に割り込む。
そのままもう一発の弾を盾で正確に弾いた。
クロリンデは瞳を見開いた。
青い双剣の軌跡と緑の一閃が交差する。
その一撃を、クロリンデは辛うじてレイピアで受け止め、流した。
次の瞬間、クロリンデには、リンクが取り出した何かを投げるのが見えた…が、彼女はそれが彼女に当たらない弾道を描いていることをすぐに見抜く。
クロリンデは後ろから追撃を仕掛けようとしているタルタリヤをレイピアでいなし…突然の衝撃を喰らった。
k「超開花…だったか。私はあまりそう言うのには詳しくないんだ。勘弁してくれ。」
レイピアを右手に、リロードした銃を左手に構え直すクロリンデ。
本気モード、という事だろう。
…本気を出したクロリンデは弾丸だけでなく、自身も雷速で避け、レイピアを振るう。
k「私にここまでやらせたのはいつぶりだろうな。」
t「ハッ、やっぱり戦いはそうじゃなくちゃ!」
『間違いない。』
k「同感だ。」
軽口を叩く戦闘狂達。
しかし、加速したクロリンデに二人は追いつけず、徐々に押されていた。
t「こっちも、本気を出すしかないな…!」
t「魔王武装!!」
タルタリヤの黒い神の目…邪眼が輝き、その身に雷が槍と鎧を形作る。
リンクもポーチから、今にも爆ぜそうな強い元素を秘めた宝石や、バクダン花を取り出す。
超次元バトルになって来た戦いに、観客も目が離せない。
「あわわ…これ、いつ終わるんだ…」
n「法律によると、決闘はどちらかが降参するか死ぬまで続く…って…」
パイモンの足りない頭でもわかってしまう。
蛮族と戦闘狂…どちらも降参するような奴ではない、と。
「このままじゃ死ぬまで終わらないぞ!?それより先に劇場が壊れそうだ…!」
辺りを見回すパイモン…
「あっ!水神…何とかしてくれ!!」
f「ぼ、僕は何も知らないからな…!」
観客席の水神に泣きついても、もうどうしようもないようだ。
そんな時、突如、リンクとタルタリヤに青い衝撃が走る。
nu「邪眼の所持及び使用…並びに、爆発物の不法所持及び歌劇場の爆破未遂だ。」
「…ヌヴィレット!?」
唐突に終わった戦いに驚く観客達…
霧が晴れると、リンクとタルタリヤは床に転がっていた。
ヌヴィレットは無表情のまま、ゆっくりと歩み出る。
クロリンデは静かに敬礼した。
ちょっと口角が上がっているのが隠しきれていない。
やはり戦闘狂の系譜だろう。
k「……裁判長。後はお任せします。」
nu「ああ。ご苦労だった。」
…観客も皆まだ困惑に包まれている。
「いきなりワンパンで終わりなのか!?」
n「最高裁判長ってあんなに強かったのね…。」
n「そりゃそうよ、あれが水龍ヌヴィレット…。フォンテーヌで彼に逆らうなんて正気の沙汰じゃないわ。」
シャルロットは慌ててカメラを構えたが、霧でレンズが曇って上手く取れない。
s「映んない!?昨日も今日も全部スクープなのにっ!!」
被告人席に座ったままのリネとリネットは呆然としている。
r「……うん、凄かったね…。」
rt「KO…」
…その後…
リンクが目を覚ますと、昨日リネ達が囚われていた留置所みたいな部屋だと分かった。
目の前でヌヴィレットがこっちを見ている。
nu「……君たち。」
裁くというより、何かを量っているような視線…。
nu「どうせ君達には、いずれ監獄へ行ってもらう予定だった。」
nu「君たちほど頑丈な存在なら、ちょうどいい。」
『頑丈…』
雑な扱いをされてリンクでも少しイラっとしているようだ。
同じくタルタリヤがイラっとしているのはどちらかと言えば大好物の死闘を邪魔されたからだろう。
nu「ともかく、君達には原始胎海の水について調査して来てほしい。」
nu「近年、フォンテーヌ海中の原始胎海の水の濃度が少しづつ上がっている。これは預言の前兆と一致している。」
『預言…?』
t「噂では聞いたな。フォンテーヌが海に沈むって奴か?」
nu「そうだ。監獄に手がかりがあるはずだが、あそこの管理体制の関係上、私でも介入できない。」
ヌヴィレットに云々言われた後、何人かが見送りに来た。
r「法律に引っかかっちゃったのはしょうがないけど…裁判の時にファデュイって分かっても信じてくれたよね。君には感謝しかないよ。」
rt「感謝。」
fl「僕はフレミネ…リネ達とは義理の兄弟何だけど、詳しいことはまた今度。…それより、二人が助けられたって聞いてる。どうもありがとう。」
『どうもどうも。』
r「というか、元々ファデュイに知り合いが居たのか。しかも執行官だなんてね…!」
t「僕の相棒が君の冤罪を晴らしたんだっけ?本気の僕に勝っただけはあるよ。」
rt「たぶん無関係。」
r「…今度改めてショーでも見に来てくれると嬉しいな。勿論恩人から金はとらないよ。…タルタリヤさん…、も来るといい。」
t「気が向いたら、だな。」
リネとリネット、あとフレミネが居なくなった後、入れ違いでナヴィアとパイモンもやって来た。
n「神を倒したとか色々逸話を聞いてたけど、…流石の活躍だったわね……」
「オマエらは…相変わらずこんな時でも元気そうだな…!」
n「それ以前に何か複雑な事情がある感じよね?戻って来たらまた会いましょう。」
「じゃあな!」
その時…リンクはナヴィアについて帰ろうとするパイモンを掴み、差し入れ用の穴から入手(?)した。
「オイラは別にいいだろ!?」
t「流石は相棒だ…監獄行きでも誰も心配はしない、と。」
その後、リンクとタルタリヤ、それとパイモンはヌヴィレットに連れられて歌劇場の裏へ訪れた。
近くの茂みに張り込みしてカメラを構えていたシャルロットがしばかれた後、ヌヴィレットがボタンを押すと、大型の窓のないエレベーターが上がって来る。
nu「この先がメロピデ要塞だ。」
「うわぁ、この下にあるのか…。って、オイラは行かなくてもいいんじゃないか?」
リンクは笑顔を湛えてパイモンのマントを掴んだ。
「あっ、ハイ…」
ヌヴィレットに紙束を手渡される。
nu「それは1000枚の特別許可証…メロピデ要塞内で流通している通貨だ。」
t「調査資金ってわけか。」
『太っ腹。』
nu「それと、通常神の目を含め持ち物は没収するが、今回は認める。ただしその邪眼は没収、君も爆発物は出さないと誓ってくれ。」
タルタリヤは邪眼を渡し、神の目を服の下にしまった。
三人は覚悟を決めてエレベーターに乗る。
nu「安心してくれ、この中は決して恐怖に満ちた場所ではない。自分達の目で確かめるといい。」
こうして、二か月に渡る監獄編が始まる…
『…あ、脱獄禁止って言われて無い!』
「待て、何をするつもりだ!?」
t「僕が付いてるから大丈夫さ!」
「多分もっと駄目だぞ!?!」
クロリンデを雷電将軍より強くしてはいけないが多少執筆力が上がってるせいで今読むとあっちの方が弱そうというジレンマ。
フォンテーヌ編用投票箱
-
フリーナ(やる気高)
-
リネリネ
-
レッキーノ
-
ヌヴィレット
-
エミリエ
-
水仙十字
-
諧律のカンティクル
-
クロリンデ(やる気低)
-
シグウィン
-
リオセスリ
-
ナヴィア