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小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『螢』麻耶雄嵩

2004年11月01日 | ミステリ感想
~あらすじ~
大学のオカルトスポット探検サークルの六人は「ファイアフライ館」へ、今年も肝試しに訪れた。
そこは10年前、天才ヴァイオリニストの加賀螢司が演奏家六人を惨殺した現場だった。
事件発生と同じ7月15日から始まる4日間のサークル合宿。
昨年と異なるのは半年前、女子メンバーの一人が、殺人鬼“ジョージ”に無残にも殺され、
その動揺をまだ引きずっていたことだった。
そして嵐の山荘で、殺人は呪われたように発生して……。

本格ミステリ大賞候補、このミス11位、本ミス3位


~感想~
読了後すぐの感想は「ややこしいプロットだな~」。
全編にわたって張りめぐらされたワナといい、今までの麻耶氏の印象からは大きくはずれる。
まるで新人作家のメフィスト賞受賞作を読んでいるような。
実験は困難だが、作者名を伏せて誰かに読ませたら、これを麻耶作品だと気づく人はまずいないのでは?
メイントリックは、(これくらいは言ってもいいだろう)ある有名なトリックを、今までにない斬新な使い方でさばいて見せたもの。「こういう使い方もあったか!」と一本取られた気分になった。
読み進むうちに、ふと感じる違和感。それこそが、作者の仕掛けたトリックです。


04.11.1
評価:★★★★☆ 9