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小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『ガラスの麒麟』加納朋子

2001年05月11日 | ミステリ感想
~収録作品~
ガラスの麒麟
三月の兎
ダックスフントの憂鬱
鏡の国のペンギン
暗闇の鴉
お終いのネメゲトサウルス

このミス11位、本ミス2位、日本推理作家協会賞 ――ガラスの麒麟


~感想~
連作短編集。
北村薫は、人の醜さをえぐり出す。加納朋子は、人の優しさをすくい上げる。
同じ地点から、同じものをつかみ取ったはずの二人が、どうしてかくも異なる地平にたどりついてしまったのか。
幻でもいい。人の優しさ、美しさを現出させ、わずかでも信じさせてくれる氏の暖かな言葉が、僕は好きだ。
この物語に僕は救われた。ただ一言だけ伝えたい。
「ありがとう」と、気どらずに一言だけ。


01.5.11
評価:★★★★☆ 9