goo blog サービス終了のお知らせ 

小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『お前の彼女は二階で茹で死に』白井智之

2019年01月03日 | ミステリ感想
~あらすじ~
高級住宅地ミズミズ台で乳児が殺害される。
赤ん坊は自宅の巨大水槽内で全身をミズミミズに食い荒らされていた。
警察は、身体がミミズそっくりに変異する遺伝子疾患の青年ノエルにたどり着く。
彼がかつて起こした連続婦女暴行事件に隠された手掛かりとは?


~感想~
去年刊行した「少女を殺す100の方法」をタイトルだけで、しょうもない連中に「少女は殺される対象じゃありません!><」とか非難された作者が、それで考えを改めるはずもなく、よりエスカレートし全ページにわたり「お前は何を言ってるんだ」と突っ込まざるを得ない、猟奇かエログロかキ●ガイじみた発想で埋め尽くした本作をリリースしてくれた。
ぜひ「少女は搾取される立場じゃありません!><」とかほざいていた、くだらねえ連中に朗読していただきたいものである。これはお前たちが生み出したモンスターだぞ!!(※違います)

それはともかく内容は期待通りにいつも通りの、冗談みたいなエログロに彩られた特殊設定ながら、論理が冴え渡る生粋の本格ミステリで、しかも連作短編集の仕掛けと多重解決を施した、贅沢な逸品である。
冒頭の「ミミズ人間はタンクで共食い」からして、奇抜な設定と連作短編集としての趣向を説明しつつ、年間ベスト級のどんでん返しを仕掛けた傑作で、以降も毎回、別の特殊設定が登場しながら、ある趣向を凝らしつつ、あくまで本格ミステリとして解かれ続けてしまう。
その奇抜で突飛過ぎる趣向については、ぜひ読んで確認して欲しいので言及しないが、実にこの作者らしい、異常な発想でもう、うれしくなってくるほどだ。

作者のファンならば120%楽しめることは疑いなく、2018年末に発行されたが、よほどのことがなければ2019年度の本ミスでベスト3は確定ではなかろうか?


18.12.29
評価:★★★★ 8


2 コメント(10/1 コメント投稿終了)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (根岸鴨)
2019-01-03 18:21:34
こんばんは。これは読むのが楽しみですね。
Unknown (小金沢)
2019-01-04 21:26:13
どうも! ほぼ全ページが悪趣味なので人は選びますが、本格ミステリファンなら楽しめると思います

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了しました。