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西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「つなね」住まいの「見立て」と「謎かけ」

2005-07-24 | 住まい・建築と庭
まず、「謎かけ」から話そう。私の「つなね」住宅を訪れる人が必ず質問することがある。天井に竹の竿が何本か吊るされて走っているからである。「これは何ですか?」と十中八九の人が尋ねる。今度来られた人が、これを読んで来られても、「主人」の心中を計ってやりとりしてね。そこで、私は「にやり」として説明に入る。「こういう何だろうな、と思わせるのを住まいにおける謎かけ、と言う。こういうのを幾つか造っておくのも住まい造りの楽しみだ」「だけど、これは期せずしてなったものだ」「その上の天井を見てご覧、打ち放しコンクリートがむらむらしているだろう」「あれを隠すカーテンをこの竹の竿の上にかけて天井を隠すつもりだったのだよ」
次に「見立て」。
「ふーん。でも実際にカーテンがかかっていないね、どうして?」「よく聞いてくれた、最初は施工業者に文句を言い、天井の竿を吊るすフックも業者に作らせたのだよ」「で?」「床に寝転んで天井を見上げているうちに、あのむらむらを空の叢雲(むらくも)と見立てたらよいのじゃないか、と思うようになったのだよ」「そうそう、キチネットの冷蔵庫の扉も玄関の扉も赤いだろう、あれはカラーコーディネーションだが、ここは地下だから明るい色に、と思ったのさ」「ところが、その後、北海道の有珠山が爆発してマグマが噴出しただろう、あれを見て、この赤は地下マグマの赤と思うようになったんだよ、これも見立ての一つだな」

叢雲(むらくも)もマグマも棲みし地下の家  市路