8、トムラウシ山遭難再発防止のための編集者コメント
①登山の計画
・登山ツアー経営者:
このような縦走コースでは、必ず予備日を設定し、ガイドの判断で停留を可能にする。
また、停留後(予定変更後)の宿泊・航空運賃の負担分担を決めて募集する。
・ガイド:
企画コースの安全性について、問題点を事前に調べ協議する。
・ツアー参加者:
このような縦走コースで、予備日の無いツアー募集には参加しない。
②登山の実施
・登山ツアー経営者:
ツアー企画者、ガイドの安全教育を実施し、過去の遭難事例を学び再発防止に努める。
・ガイド:
コースおよびエスケープルートの下見・体験・低体温症予防知識・安全確保の戦略を立てる。
・ツアー参加者:
荒天で体感温度が氷点下の中を16時間行軍できる体力と装備が必要、
そのためには、低体温症予防知識も必要です。
③制度面での再発防止
・監督官庁(国土交通省、消費者庁&北海道庁):
この度の、遭難事故の再発防止にあたり、監督官庁は、登山ツアー会社任せにせず、十分な現状把握に基ずく、
関連法規の整備充実をはかり、登山ツアー会社を指導し、国民の安全を確保すること。
例えば、
募集要項に、・過去の遭難事例を記述する。 ・難コースには、予備日の設定を義務付ける。
安全確保に必要なガイドの資格制度の見直し、
ガイドには、GPS携帯、衛星携帯を与え気象情報・非常通信の手段を確保 など、
・避難小屋の増設:
中高年登山者が7・8月に2万人もが入山する大雪山系には、避難小屋の増設が必要、
数キロか歩行数時間間隔に設置する。(既に、北海道庁の動きが見られるが、早急に行動を)
④低体温症とは、その予防は、
北海道の医師で、登山家の低体温症のサイトをご覧ください
・日本登山ガイド協会
登山ガイド資格講習会(78000円)では、低体温症と、その予防を学習しているか?
⑤編集者の思い
編集者/JA2TKOは、過去に、10名ほどの山仲間を募集して、屋久島(宮之浦岳&縄文杉)・利尻岳・
大雪山系縦走を計画実行した。その時、安全に楽しく目的を果たすには、どうしても予備日が必要と判断した。
それぞれに1日の予備日を設け決行した。その結果、何れの登山も何とか無事に終了し、楽しい思い出となった。
とりわけ、2007.6の残雪期の大雪山系・旭岳~黒岳縦走は、何ヶ月もの事前調査結果から、旭岳温泉をベース基地に定め、
3連泊とし、荒天時の中止と翌日の再挑戦を前提に計画した。結果は、初日が好天で、旭岳山頂で最終判断し、
大雪渓を下り、北鎮岳経由で、黒岳を目指した。しかし、黒岳山頂に近づくと、ガスがでて視界が効きません。
ガスの中の黒岳下山で、ヒヤリが出ましたが、なんとか無事に層雲峡温泉に到着し、
最終のバスで旭岳温泉へ戻りました。
おかげで、翌日は、レンタカー3台で、望岳台へ出かけ、十勝岳登山を楽しむこが出来ました。
何故、層雲峡で宿泊しなかったのか?それは、予約してあれば、無理をして入山の恐れがあったからです。
ポピュラーなこのルートであっても過去に沢山の遭難事故が発生しています。
大雪渓でうずくまって動けなくなった女性の遭難記事を学んだからです。
夏山であっても北海道の山は、内地の真冬装備と余裕を持った計画が必要と判断したからです。
編集者の山行ではガイドを頼みません。それは、過去3回の山旅ツアーに参加しましたが、
何れのガイドも傲慢で、参加者の意見を聞きません。
おまけに、ガイドを予約するには何ヶ月も前の予約が必要といい、現実的で無いと思ったからです。
しかし、ガスにまかれた山中では、中高年登山者はガイドだけがたよりです。
編集者は、今回の事故と明治時代の日本陸軍が行なった八甲田山の遭難事故がダブります。
すなわち、何れも十分な装備で無い状態での人体実験と思えるからです。
事件が起きた後なら何とでもいえると思うかもしれませんが、危険を予知し行動するのがガイドの仕事です。
予定日までに下山するだけがガイドの仕事ではありません。
従って、ガイドの皆さん全員へお願いです。今回のトムラウシ遭難事故を深く反省し、中高年登山者の命を守るために
ガイド自から深く反省し、今後のあるべき姿を定め、新しい判断基準(今までの悪習を断ち切る勇気)で行動し、
登山の安全確保に向けてのご活躍を願っています。
そして、登山ツアー会社は、ガイドの判断を尊重し、待遇も改善し、リスクを十分に認識し、安全第一の経営をお願いしたい。
ご意見は、
編集者のWeb site、『JA2TKO & B29』 のトップページからお願いします。 JA2TKO/2009.7.23