世界体操選手権の種目別決勝、内村航平選手は鉄棒の最終演技者として。団体や個人総合の時より難度を上げながら、見事な演技で有終の美を飾った。その前の平行棒も出来は悪くなかったが、棒下からのひねり倒立に小さなミスが出てメダルに手が届かなかった。フル出場で疲れが出ているのかなと思いきや、さすが体操界の怪物。鉄棒ではそんな懸念を払拭して最高の演技を見せてくれた。
競技が終わってみれば、個人総合と床で金メダル、団体で銀、鉄棒で銅と、金銀銅のそろい踏みとなった。団体鉄棒の落下はあったが、それ以外はほぼ完璧な実施。種目別では床のリ・ジョンソン(後方2回宙返り3回ひねり)、鉄棒のカッシーナ(伸身コバチ一回ひねり)などの大技を入れ、最後まで攻めの姿勢を崩さなかった。
この調子なら、ロンドン・オリンピックの個人総合金はもちろん、世界選手権の4連覇、5連覇も夢ではないだろう。
だが、内村選手の最終目標はそんなものではないかもしれない。今回の鉄棒の演技で感じたのは、彼の相手はもはや人間ではなく、体操の神ではないかということだった。
神に召され、どこか天空の競技会場で、鉄棒を演じる内村選手。会場には選手も審判も観衆もなく、対戦相手はただひとり体操の神のみ……。滞空時間の長いコバチや完璧な着地に陶然としながら、そんな妄想が湧いてくるのをおさえられなかった。
内村選手おめでとう。そしてこれからも怪我にだけは気をつけて、神に挑み続けてください。
私は高校のクラスメートですが、2年前に同窓会でお会いしたばかりで、納得がいきません。
和子さんから、その時このブログを教えていただきました。彼女の最後を教えてください。
t.inoue@izumi-gr.co.jpです。