第2次世界大戦でのドイツ軍伍長ときけば、さぞ非情でサディスティックな役だろうと短絡的な予測をしていたのですが、田中幸太朗さんが舞台『第17捕虜収容所』で演じたシュルツ伍長は軍服の下に繊細な人間性を持っていました。
細く長く伸びやかな手足、驚くほどの小顔、少し鼻にかかるようなあの高めでマットな声……朗読劇『苦情の手紙』以来9ヵ月ぶりに舞台で観る幸太朗さんは魅力に満ちあふれていました。
とくに、あれ?こんなに色白だったかしら?と首をかしげるほどの肌の透明感が印象的で、肩章の付いた軍服姿が痛々しく感じられるほどでした。
軍服に加えて、「ある言語」、「ダンス」、「酩酊」、「武器」など幸太朗ファンには見どころが満載です。
クライマックスのシュルツの長い独白が見ごたえあります――100%「悪」な人間はいないのだとおもいました。
べきら観劇日:2008年5月20日火曜日夜の部(19:00開演、開場は開演の30分前)
上演時間は2時間20分、カーテンコールを合わせると2時間25分くらいでした。
休憩はありません。
受付(チケットもぎり)は東京グローブ座入り口のドアではなく、ロビー奥の客席入り口手前で行われます。
飲食(客席内は禁止)やプログラム(2,000円)購入、トイレ利用は受付を入る前に済ませたほうがよいです(受付通過後は2階席と3階席のトイレを利用することになります)。
ロビーには飲食のための椅子が用意されています。
アンケート用紙はロビーの棚にあります(席置きや配布はありません)。
終演後のロビーにはアンケート記入のための机と筆記用具が用意されていました。
東京グローブ座は「ロビー花禁止」ですので、お花は楽屋届けになります。
プログラムは2,000円とやや高価ですが、オリジナル画像も読み物も豊富で貴重です。
キャスト全員への質問――「もし捕虜収容所で暮らすことになり、なにかひとつだけ持っていくなら何?」への幸太朗さんの答えがユニークです。
また、稽古場画像で幸太朗さんがある小道具を装着しているのですが、現実の舞台では別のデザインに変更になっていましたので、稽古場ならではの貴重な姿が要注目です。
不思議な色気がただよっていて、唐突ながら
この映画を思い出してしまいました。