昨夜、駅前の居酒屋「村さ来」でトリスのハイボールを注文したら、くじがついてきた。引いたら、Tシャツがあたった。トリスウィスキーのキャラクター、アンクルトリスをデザインしたTシャツである。
うれしくて、ちょっとなつかしかった。
アンクルトリスといっても、今の若い人は知らないだろうが、わたしたちの世代には思い出のキャラクター。柳原良平氏が描くその酒好き親父のキャラは、昭和30年代前半に一世を風靡した。漫画少年だったわたしは、そのイラストをまねしてよく描いたものだった。あれから50年たった今でも描ける。
テレビCMでは、アンクルがグラスをかたむけるたびに、顔が下から徐々に赤くなっていくのが可愛かった。白黒テレビの時代だったが、あの赤ははっきり見えた。
このアンクルトリスとともに流行ったのが、「トリスを飲んでハワイに行こう」という懸賞コピー。当時は1ドル360円。海外旅行などとても手が届かない時代の、それでも一番身近な海外がハワイだった。
トリス・ウィスキーもまたウィスキーが高級酒であった時代の一番庶民的なウィスキーだった。サントリーレッドとハイニッカが1本500円だった当時、確か1本380円だった。学生下宿で仲間と酒盛りをするときは、これとコカコーラが必需品だった。一番安いウィスキーを飲んで、あこがれのハワイに行ける。なかなかうまい宣伝であり、見事なキャッチコピーだった。
ハワイは当たらなかったが、アンクルトリスのTシャツがあたった。
それで満足な夜だった。