第1位 高校生・美季と夜の公園で
『G-taste』女子高生編
2001年4月5日放送
テレビ朝日
優等生だけれど、自分を見失いかけていた美季は、浩二(演・幸太朗さん)の熱意のおかげで、ほんとうの自分に気づきます。
浩二もまた、偽りの姿を捨てて、等身大の高校生として、美季ちゃんをしっかりと受け止めます。
ういういしくそっと唇を重ねるだけなのに、ふたりの気持ちの高まりがじかに伝わってくるようで、不覚にもうっとりとしてしまった、この上なく甘美で素敵で可愛くて、見ているほうが幸せになるキスシーンでした。
幸太朗さんが演じた役のなかで、私にとって「核」となる最高の存在は、今もゆるぎなく
仲代壬琴(なかだい・みこと)であり、もし壬琴を知らないまま
スケちゃんや
英雄に出会ったら、これほど幸太朗さんに惹かれることはなかったかもしれません。
しかし、つい最近になってようやく
DVDで『G-taste』の高原浩二を見たとき、もしこの番組を放送時(2001年4月)に見ていたら、壬琴を知らずして、当時18歳の田中幸太朗という俳優に一目惚れしていたかもしれないとおもいました。
そして2年後の2003年6月、傲慢で尊大な「悪のヒーロー」仲代壬琴として登場
*-1した彼を見て、始めは別人とおもいこみ、やがてこれがあの綺麗で愛らしくて、同時にいつか何者かに変化(へんげ)する可能性を秘めた、不思議な色気を抱えていた浩二の成長した姿と知って、大ショックを受けたことでしょう。
所詮は壬琴の魔力の虜となることは避けられなかったとしても、「核」「基準」は壬琴ではなく浩二だったかもしれないとおもわせるような、それほど素晴らしく魅力的な、浩二の存在感でした。
*-1 『爆竜戦隊アバレンジャー』第17話(2003年6月8日放送) 仲代壬琴はこの回から登場
第2位 高校生・ひかりと昼間の公園で
『H2~君といた日々』第8話
2005年3月3日放送
TBS
↑『G-taste』が放送された当時(2001年4月)はまだ幸太朗さんの存在を知らなかったため、「女性相手の」キスシーンを見たのは、この『H2』第8話が初めてでした。
目の負傷のため、野球選手としての将来に絶望し、俺から野球を取ったら何も残らないからさ、と落胆する英雄──その手を優しく包んで、「残るよ」とつぶやくひかり──その言葉を聞いた英雄の眼差しから、彼女への愛しさがこぼれるようにあふれ出て、街を遠望する高台の大気中いっぱいに放射されていくようでした。
この「残るよ」というのが、あなたがすべてを失っても私だけはそばに残る、という意味なのか、あるいは、野球ができなくてもヒデちゃんには他にも可能性があるから悲観しないで、ということなのか、原作を読んでいないのではっきりしないのですが、ひかりのおもいやりの深さは感じ取ることができます。
小柄な
市川由衣さんを庇うように、彼女の腕を支えて顔を寄せる幸太朗さんのスローモーションの動きが、胸に迫るような情感をかもし出していました。
ただ、ひかりは比呂への気持ちを否定しきれないし、英雄もそのことに気づいているので、優しさはあっても、どこかもの悲しさがただようキスシーンだったとおもいます。
第3位 高校生・朔太郎と昼間の堤防で
『世界の中心で、愛をさけぶ』第2話
2004年7月9日放送
TBS
ファンになって初めて見たキスシーンが男子相手だったというのは、忘れられない思い出でして、朔太郎役の山田孝之さんは、並み居る女優さんを押しのけて、幸太朗さんファンとしての私の歴史上、不滅の地位を獲得されました。
同性愛的な隠微さなど微塵もない、友情と励ましゆえのキスだったので、スケちゃんの潔(いさぎよ)さと、サクちゃんのうろたえようが、爽やかで愉快な(サクちゃんには気の毒ですが)思い出を残してくれました。
書き込みデビューにも書きましたように、このとき受けた衝撃がきっかけとなって、それまでは見るだけだったウェブの世界に参加するようになり、今こうして、拙いながらも自分のブログを作り上げることができるようになったのですから、私・べきらにとっては「運命を変えた」キスシーンだったといえるでしょう。
第4位 家事手伝い・みちると昼間の墓地で
『あいくるしい』第7話
2005年5月22日放送
TBS
計り知れない考えを心の内に抱える政希のこと、何らかの目的あって、このように乱暴な行動に出たのではないでしょうか。
聖女のように清らかなみちるを侮辱し、激昂させるのにもっとも有効な行為として、唐突に彼女の唇を奪う、しかも亡き母親の墓前で──衝撃の大きさは、そのまま政希のおもいの深さの表れなのかもしれません。
ショッキングだけれどぎりぎりで嫌悪感を免れているのは、彼の「決意」の存在が感じられるからなのでしょう。
番外編(未遂につき) 人妻・マホロと夜の自宅リビングで
『爆竜戦隊アバレンジャー』第40話
2003年11月30日放送
テレビ朝日
仲代壬琴をめぐる女性関係というと、超能力を備えた美少女
リジェと、リジェが急激に成長(所要時間約1分でした)してナイスバディになった
リジュエルが熱烈に壬琴を愛しますが、当の壬琴は彼女の能力を利用するだけでまったく応じる気はなく、地球侵略を狙う謎の生命体集団「エヴォリアン」の女性戦士ジャンヌに一目惚れ、しかしジャンヌは壬琴には目もくれない、という完全な一方通行のみでした。
ジャンヌはもともとエヴォリアンに占領されてしまったダイノアースの住民マホロで、
アスカという将来を約束した相手がいる(最終決戦の前夜、ふたりだけで結婚式を挙げて結ばれていますので、実質的な夫といえる)のですが、敵の王である邪命神デズモゾーリャに捕らえられ、洗脳されて
「破壊の使徒ジャンヌ」となってしまったのです。
特撮ヒーローものにおいては、女性の敵役キャラクターは濃厚なお色気を放つタイプが多いのですが、
桜井映里さん演じるジャンヌ=マホロは真紅のコスチュームが色っぽいと同時に品があり、美・知性・強さをすべて兼ね備えていました。
気が強い、いい女が好き、という壬琴がぞっこんになってしまうのも無理はありません。
なぜ壬琴とマホロがキス寸前までいったかというと、洗脳が解けて正気にもどったマホロが、夫・アスカを救うため、再度エヴォリアンへの潜入を決意、そのためにエヴォリアンの実質的支配者となっていた壬琴の力を利用しようとしたのです。
夜間、単身で壬琴の家に侵入したマホロは、あの白いソファが置いてあるリビングルームで壬琴と対峙します。
私をジャンヌの姿にもどして。
アスカを倒したいの。
そんなセリフだけで信じろってのか?
今までひたすら逃げられ、拒絶されてきた壬琴は、容易に信用しようとしない。
彼女の真意を試すように、突然マホロの顎をぐっととらえて間近に顔を寄せる。
逃げることなく、目線をそらさないマホロに、寸止めで引く壬琴。
(願いをかなえてくれれば)私をあなたのものにしていいわ──
とても子供向け番組とはおもえないほど捨て身のセリフによって、壬琴はまんまとマホロの策に乗せられてしまいました。
夫を救い、平和な祖国を取り戻したいと願うマホロの聡明さが勝利したシーンでした。
↑リンクの画像では、ふたりの顔は30センチくらい離れていますが、実際の場面では、あと3~4センチというところまで接近してました。
幸太朗さんの長い前髪がいまにも彼女の頬に触れそうで、どきどきしたのを覚えています。
なにしろ日曜の朝7時半から放送されていた子供向け番組ですから、これだけでもずいぶん大胆だったとおもいます。
大人向けアクション映画だったら、寸止めじゃなくてもよかったのでしょうね。
幻に終わった、壬琴とマホロのキスシーンでした。