【詳報】高市内閣が始動 外国人政策と安保文書で「制度見直し検討」
自民党と日本維新の会の連立による高市早苗内閣の発足を受け、閣僚が記者会見や記者団の取材で、高市首相からの指示に言及するなどした。
城内日本成長戦略担当相「強い日本経済を取り戻す」
城内実・日本成長戦略担当相は22日に記者会見し、「国民の暮らしを守り、強い日本経済を取り戻すことが私の責務」と述べた。当面は初閣議で高市首相が指示した「総合経済対策の策定」に注力するという。
首相指示は①物価高への対応②危機管理投資・成長投資③防衛力と外交力の強化、を三本柱としてあげたが、城内氏は投資について「選択と集中が大事」と発言。ただ具体的な分野や予算規模については、財務大臣や高市首相と調整したいと述べ、財源についても「いろいろな考え方がある」と述べるにとどめた。
城内氏は積極財政派としても知られる。今年6月の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」が、2025~26年度を通じて可能な限り早期の基礎的財政収支(PB)の黒字化を目指すとしていることについては、「それを全く白紙に戻してということではない」と述べ、財政規律も念頭においたうえで「責任ある積極財政で強い経済を実現していくことが大事だ」と強調した。
小泉防衛相、安保3文書「見直し検討の必要」
小泉進次郎防衛相は22日、就任後初めて防衛省を訪れて訓示を行った。日本の外交・防衛政策の基本方針となる安全保障関連3文書について、「見直しを検討する必要があると認識している」と述べ、高市早苗首相の指示を踏まえて改定に取り組む考えを示した。「真に実効的な防衛力の構築に向け、全力で働く」と語った。
小泉氏はロシアのウクライナ侵攻などで、「新たな危機の時代に突入している」と指摘。東アジアの安保環境についても「戦後の安定した国際秩序の根幹を揺るがしかねない、深刻な事態が発生する可能性を排除できない」との認識を示した。
日米同盟が日本の安保政策の基軸になるとしたうえで、「速やかに直接ヘグセス国防長官と会談の機会を設け、日米の同盟関係をさらに発展させていくための強い信頼関係を築いていきたい」と語り、日米防衛相会談の早期開催にも意欲を示した。
また輸出できる防衛装備品を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」の目的に限定する、防衛装備移転三原則の運用指針の「5類型」の2026年通常国会での撤廃を盛り込んだ自民党と日本維新の会による連立合意にも言及。「防衛省として装備移転制度のあり方について関係省庁とともに検討を行う」と述べた。22日夜の記者会見では、「日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを考えれば、早すぎるという批判は当たらない」と述べ、早期に取り組む考えを示した。
黄川田こども政策担当相「子どもを取り巻く環境作りがまず大切」
こども政策担当相に就任した黄川田仁志氏(55)は22日、内閣府で就任会見に臨み、少子化対策について「(出生)数とか出生率とかに注目しがちだが、量より質だ。子どもを取り巻く環境作りがまず大切だ」と述べ、子育て支援に力を入れる姿勢を示した。
会見では、少子化に歯止めがかからない中で、ネットを中心にこども家庭庁への様々な批判があることについて、「批判は真摯(しんし)に受け止めたい」とした上で、子どもの視点に立って子どもの利益を第一に考える「こどもまんなか社会」の実現をめざすと説明。「子どもを取り巻く環境の質を上げていく。子どもを産みたい、育てたい、そういう希望を持てる環境作りがまず大切だ」とした。
政府は、少子化対策の財源の一つとして、医療保険料と合わせて集める「子ども・子育て支援金」の徴収を2026年度から始める。黄川田氏は、子どものいない人や子育てを終えた人たちの一部からは「メリットが感じられない」との意見があると認めつつ、「子どもたちはやがて社会を支える大人になる。支援金制度はすべての方に有益なものと考える」と意義を強調。制度に理解が得られるよう説明を尽くすとした。
黄川田氏の担当は、こども政策や少子化対策のほか、若者活躍、男女共同参画、女性活躍、共生・共助、共生社会、地方創生、地域未来戦略、沖縄及び北方対策、アイヌ施策、消費者及び食品安全など多岐にわたる。前政権では三原じゅん子氏と伊東良孝氏の2人で主に担っていた分野だ。
会見では、高市早苗首相から「たくさんあります。大変ですよ」と言われたと明かし、「辞令をもらってみるとものすごいたくさんあり、まず驚いた」。「ほかも大事だが、特に地域を発展させるための課題を意識して取り組む」と話した。
小野田紀美・外国人政策担当相が会見 「外国人政策の厳格化」検討の考え示す
小野田紀美・外国人政策担当相は22日、就任後初の記者会見で、「一部の外国人による犯罪や迷惑行為、制度の不適切利用で国民が不安や不公平を感じる状況が生じている」と述べ、対応するために制度や政策の見直しを検討する考えを示した。
小野田氏は「ルールを守らない方々への厳格な対応や、現下の情勢に十分対応できていない制度・政策の見直しを含めた様々な課題について、関係機関と連携し、政府一体となって総合的な検討を進めたい」と述べた。
外国人政策の厳格化は、高市早苗首相が自民党総裁選で必要性を積極的に訴えた。小野田氏は「首相からは、国・地方自治体の情報連携や制度の適正利用、国土の適切な利用・管理などの施策を総合的に推進し、体制強化を図るよう指示を受けた」と語った。
茂木外相が初会見「安保関連3文書の見直しも検討課題」
茂木敏充外相は22日、就任…