テレビを見ていると、スマップのクサナギが、なんかお爺さんと話してるCMがありますよね。あれは何の宣伝なんだろうな。思い出せないっての、問題なくないか。まあ、私が心配してやる理由はまったくないんだが。
ともかく、お爺さんが「若い頃は、ライブなんかもよくやったなあ」なんて昔話をしている。
で、毎度テレビのCMにおいては非常に安易に”良い人”を演じさせられているクサナギは、お爺さんの若い頃の夢をそのまま眠らせまいと、車椅子生活の人でも乗ることが可能なバリアフリー仕様の車をあつらえ、足の不自由なお爺さんを乗せてどこやらのライブハウスに遠征する。
そして、「もう一度ステージでハーモニカを吹いてみたい」とのお爺さんの夢を叶えてあげる、そんな物語が展開される訳ですわ、そのCMにおいては。
いや、そのストーリー展開には別に私、文句はありません。ただ、一言言いたいのは、その画面から聞こえてくる「お爺さんの吹くハーモニカ」のプレイが、なんかパッとしないなあって事であります。
いや、お爺さんが年老いて若い頃のようにプレイ出来なくなっちゃったってな話ではなくてね。そこでお爺さんが吹いていると設定されているハーモニカの演奏スタイルが、そもそもたいしたものじゃないのよな。
フォーク歌手が肩にハーモニカホルダーをかけて、ギターを弾きながらブカブカ吹くような、その程度のものなんだなあ。これといった気の利いたフレーズを吹くでもなし、ただ漫然とハモニカ咥えて息を出し入れしているだけ、みたいなプレイだよ、あれ。
まあ、そんなように吹くしか対処のしようのない曲だからなんだけどね、演奏されていた曲が。ハーモニカが引き立つような曲じゃない、はじめから。
「若い頃にはブルース・ハープじゃ、ちょっと鳴らしたもんだよ」ってお爺さんを描くなら、もう少しハーモニカって楽器が生きるような演奏を設定するべきだと思うぞ。
なにが言いたいかというと、要するに、あのコマーシャルに出てくるお爺さんのハーモニカ吹きに、もうちょっとかっこ良い場面を用意してやれなかったのかって話なんだけどね。ブルースバンドに臨時に加わる設定とかさあ。
まあ、”変にカッコイイ設定にするよりも、ある程度ブザマな姿を提示するほうがお茶の間に流れて行くコマーシャルとしては人畜無害で無難だから”って発想で、あのようなブカブカだらしないハーモニカのプレイが設定されたのかも知れないけど。無難さでは人後に落ちないクサナギが使われているくらいだから、ほんとにそうかもなあ。
いや、ほんとにどうでもいいような事を言ってますけどね。これからはあんなふうに老後の音楽生活のありようを考慮に入れたりするのも必要な時代に入って行くわけでしょ、老人社会と化して行く我が国は。もうちょっと気を入れて”バンドマン爺さん”をかっこよく見えるように描けよなあ。と、それが不満だったわけさ。
それにしてもあのコマーシャル、何のコマーシャルだったんだろうなあ。思い出せなくって、いいのかよほんとに。