今、深夜のテレビで「ウインドトーカーズ」なんて映画が始まっていたんで、なんとなく見ていたんだけど、こりゃひどい代物でしたな。ジョン・ウー監督、ニコラス・ケイジ主演。
第2次世界大戦におけるマリアナ諸島攻防を扱った戦争映画なんだけど、ともかくうさんくさい。
その戦闘においてアメリカ先住民のナバホ族の言葉が通信時の暗号として効力を発揮したという、まあ、ほんとかどうか知りませんが史実に元ずき、アメリカ軍の中にナバホの兵士がいるわけです。で、何かというと、そのアメリカ大陸先住民の”精神性”が取り上げられる。こいつが見せ所みたいだ、どうやら。
頻繁にナバホ族の祈りのシーンが映し出されたり、それだけではアメリカ映画における”白人優位”が揺らいでしまうからでしょうか、白人の主人公が戦場で負った心の傷が意味ありげに強調されるんだが、こいつもいかにもとって付けた風でうそ臭い。
ついには、作品中に頻繁に響き渡る、ナバホの民族楽器らしい縦笛と、白人兵士の吹くハーモニカが、両者の魂の交歓を表現してるんでしょうなあ、共に演奏されるシーンなんてのは気持ち悪くて鳥肌が立ちましたね。
監督のジョン・ウーってのは香港映画からハリウッドへスカウトされた監督のようだけど、こいつも食えない奴だなあ。今、その人となりを知るために検索かけてみたんだけど、アクション・シーンに鳩を飛ばして、「平和への祈りを込めたのだ」とか主張しているらしい。そんな安易なおためごかしってあるかい。
結局はアクションが売りの戦争活劇のくせして、何を思わせぶりをやっているんだかなあ。こんなものに最近の観客ってのはコロッと騙されちゃって、簡単に感動とかしてしまうんだろうか。情けない話であります。
で、最後には戦場の友情やら持ち出して、定番の人情劇で締める、と。ああくだらないくだらない。時間の無駄でした。