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白亜45会HP管理人

白亜(白堊)45会は、岩手県立盛岡第一高等学校昭和45年卒業の同期会です。

つぶやき、その3

2011年04月01日 14時48分06秒 | 雑記
現在では、アメリカも放射線管理が厳しくなっています。というよりも、アメリカの方が厳しくなっています。

放射線作業従事者は毎年講習会を受けると書きましたが、アメリカではそれに加えて「試験」を受けなければなりません。十数年前に3つの国立研究所で立て続けに実験参加した時など、3研究所で独立に試験を受けさせられました。ある研究所では「実技試験」までやりました。同じエネルギー省傘下の研究所なのだから、共通にしてくれれば良いのに・・・というのが研究者の「つぶやき」でしたが、もちろん聞く耳は持ちません。

一見関係ないようですが、実は「ソ連崩壊」となぜか強く関係しています。当時、アメリカ上院の科学委員会委員長だったロックフェラーは加速器を用いる基礎物理実験に関して、「今まではソ連に対する国威発揚のためにこの分野にお金を払ってきたが、今後は考えなければならない」みたいな発言をしていました。かなりショックだったことを覚えています。

その直後に「タイガーチーム」なる強力な査察団が結成されて、加速器を持っている国立研究所を順ぐりに回ってかなり厳しくチェックが入ったようです。一ユーザの私などは良く分からないのだけど、研究所を運営している方々は戦々恐々としておりました。その時から先ほど書いたように放射線管理が厳しくなった、という感想を持っています。実のところ、直接的な関連があったのかどうかは知りません。



つぶやき、その2

2011年04月01日 14時27分06秒 | 雑記
実は、私は30歳前半くらいからずーっと「白血球過多」なのです。20代前半は範囲内に収まっていたので生まれつきということでは無いと思います。血液検査の度に「白血球過多」が付いて回るのでうっとうしいのですが、成分検査を時々行います。成分検査では常に「異常無し」です。(異常があったら大変ですけど・・・)

お医者さんも原因分からずです。禁煙すれば範囲内の収まるかも、と言われることもあるのですが、20代も喫煙していたわけですからたばこ「だけ」が原因ではないはずです。(そのうちに禁煙します!きっぱり!)

20代後半は主にアメリカで実験していたのですが、当時のアメリカは放射線管理はかなり杜撰でした。日本であれば「管理区域」としてカギがなければ入れないはずの場所もフリーアクセスとか、フィルムバッジの管理がされていないとか・・・
30歳前後に実験していた場所は放射線レベルが非常に低いはずなのですが、25歳から1-2年実験していた場所は少しは高い可能性があります。上述のようにほとんど管理されていなかったのでどの程度の放射線レベルだったのか知りません。(もちろん、それほど高くなかったことだけは確かです。そうでなければ、当然管理が厳しかったはずだと思います。)白血球過多の原因かどうかは全く不明ですが、同じ場所で実験していた人たちに同様の傾向がある、という話は聞いたことがありません。放射線の影響は個人差が大きいので何とも言えませんね。









一放射線作業従事者のつぶやき

2011年04月01日 14時06分45秒 | 雑記
新学期になりました。津波災害やら原発事故やらで落ち着かない日々が続いています。

原子炉ほどではないのですが、加速器も放射線を出します。従って、加速器を使って実験をする我々も原発作業者と同じく「放射線作業従事者」として登録されています。もちろん、原子炉で働く人たちとはかなり違うと思いますが、一放射線作業従事者として「つぶやき」ます。

大学4年の時に登録しましたので、40年近くになります。放射線作業従事者は、年1回の講習会(半日程度)と年2回の血液検査・健康診断を受けることが義務付けられています。また、放射線量を測定するためのフィルムバッジを常に胸につけ、月毎に放射線量を記録しています。(なお、フィルムバッジとは別にポケットチェンバーと呼ばれる線量計があり、ある一定以上の放射線を浴びるとアラームを鳴らしてくれます。加速器でも残留放射能が強い場所があり、その近辺で作業する場合には装着します。)

現状についての感想の前に、放射線の人体に及ぼす影響について一言書いておきましょう。テレビでは「全く影響のないレベル」と繰り返していますが、間違いです。「影響はあるが、どの程度なのかまだ分からない」が正しい。疫学的実験はできないので、広島・長崎の被爆者のデータのみが頼りです。「100ミリシーベルト浴びるとガンになる確率が0.5%増加する」というのが定説になっていますが、これとて精度の良いデータではありません。ましてや、50ミリシーベルトだといくらで、20ミリシーベルトだといくらか、などについてはなんとも言えません。「全く影響が無い」などと言わずに、正直に言った方が視聴者は「達観」できるのではないか、と思うのは私だけでしょうか。

加速器実験における放射線の話に戻ります。一般人は年間1ミリシーベルトまで、放射線作業従事者は年間50ミリシーベルトまで許容されている、と何度も報道されていますので、皆さんも良くご存じだと思います。実は、数年前に法律が変わって現在は「5年間で100ミリシーベルトまで(従って、毎年同じだけ浴びるとすれば年間20ミリシーベルトまで)」になっているはずです。

フィルムバッジで1ミリシーベルト以上の照射が測定されると結構大騒ぎになります。どこでどんな作業をしたのか調査して、その近辺の放射線レベルを徹底的に調べます。月に1ミリシーベルトですよ。私は過去に2回だけそのような経験をしました。通常は遮蔽が不充分だった、ということでコンクリートやら土嚢やらを置いて遮蔽を強化して解決します。
現在、原発から70キロメートル離れた福島市でさえ、積算の放射線は3ミリシーベルトになっているようです。かなり高いことがおわかりかと思います。





原発作業員の確保と待遇改善が急務

2011年03月29日 11時03分57秒 | 雑記
大震災から早くも20日が経過しようとしています。
内陸部の方々は平常な生活に戻りつつあると思います。(つくばに居ても心は落ち着きませんが・・・)
沿岸部の復興にはまだまだ時間がかかりそうです。私には寄付するくらいしか貢献できませんが、頑張ってほしいと願っています。

原発の方は、安全委員会もあまりあてにはならないようです。11-12日の段階で安全委員長は大したことにはならないと考えていた、という報道がありました。個人の問題ではなく、原子力の専門家の叡智を結集する組織であって欲しいと願っています。

東電発表の数値が正しいとすれば、6000立米の水の中には2号機原子炉燃料の10%近いヨウ素が含まれていることになります。これはちょっと漏れているという段階を超えています。じゃじゃ漏れ状態と考えて間違いなさそうです。

とにかく放射性物質の拡散を可能な限り狭い領域に閉じ込めるのが急務です。作業ができないくらいの高レベルになれば、冷却もできなくなり最後はチェルノブイリと同じようなことになってしまいます。今のうちにやるべきことは明確です。

原発作業員の悲惨な状況が報道され始めています。これからは長期の作業になりますから、今のような消耗戦をやっていてはそのうちに対応不可能になります。より多くの作業員を集めて、交代で作業をする、休息時間は可能な限り快適な生活を保障する、などの手当を今のうちにとらないといけません。それこそが政府のリーダーシップです。「作業員の環境は東電にまかしている」みたいな報道があったけど、それでは絶対にだめです。何とかしないと・・・


原子力安全委員会

2011年03月24日 02時04分52秒 | 雑記
放射能汚染がかなり広がっている。とても心配だ。

ようやく原子力安全委員会が前面に出てきたようだ。いわゆる「審議会」扱いなので行政上の権限はそれほど無いらしいが、原子力のプロを束ねるにはこの組織しか無いはずだったのに。
原子力安全保安院というのはどんな組織なのかと調べてみたのだが、原子力については素人で役人の集まりみたいだ。何故、そんな組織に安全を委ねることになったのか・・・今はそんなことを詮索している場合ではない。一秒でも早く放射性物質の放出の場所の特定とそれを止める手段を見出さねば。


原子力工学者は物理を知らない?

2011年03月22日 22時31分59秒 | 雑記
また原発事故関係です。

情報が少ない中、核物理学者も何が起こっているか検討を続けています。
犠牲者が2万人を超え、3万人にも達するかもしれない津波災害に心痛めるのですが、日本の将来を考えると、原発事故をどのように収束させられるかが国際的に決定的な意味を持ちます。

単に検討するだけでなく、大阪地区の若手を中心に数10人が放射線モニタリングにボランティアで福島県に行ってます。

原発から離れた場所における放射線モニター(食品も含めて)から多くの事が分ってきました。情報開示が十分ではないので、細かな議論はできません。しかし、使用済み燃料ではなく、炉心の核燃料が漏れているのは100%確実です。問題は、これ以上の漏れをどのように避けるか、ということです。使用済み燃料ももちろん冷やす必要はありますが、原子炉のどこから核燃料が漏れているかを知ることが非常に大切です。ヨウ素は半減期8日ですから、1年後には12ケタも少なくなります。使用済み燃料からの漏れであればセシウムと比較してヨウ素は圧倒的に少ないはずなのです。(ちなみにチェルノブイリの場合はヨウ素とセシウムの比は約10:1で、福島での測定とほとんど同じです。)原子力工学屋は分っていないのか・・・あるいは「言ってはいけない」のか・・・いずれにせよ、科学者としては失格です。

ついでに、「健康には直ちには影響ありません」のフレーズにも一言。高レベルの放射線の影響は分っています。7シーベルトあびると100%死にます。4シーベルトで半分の人が死ぬ、と言われています。JCOの事故の場合も7以上あびた2名は死亡し、4の人は生きています。

それでは、低レベルの場合はどうか?「確率でしか言えない」従って「可能な限りあびないように」というのが基本です。健康に影響が全く無いわけではありません。喩えるなら、ヘビースモーカーでも肺ガンにならない人もいれば喫煙しなくとも肺ガンになるひともいる、ということです。今の放射線レベルでは確率の増加は無視できるほど小さい、というのはその通りですが、今後「漏れ」が続くようであれば考えなければいけないレベルになってしまう可能性はあります。ただ、最悪の場合でも100km離れていれば影響は無視できるほどに小さいと思っています。



消防隊の会見、さすがプロ!

2011年03月19日 23時26分30秒 | 雑記
さすがプロ!会見は聞いていても心地よい。
それにしても、東京消防庁には放射線火災専門の部隊があるのですね。
多分、自衛隊も放射線災害専門の部隊があるのだと想像します。

東電と原子力安全保安院は、津波事故の直後に、全ての図面を提出して、自衛隊と消防庁に協力を仰ぐべきでしたね。そして、東電は電源確保に専念する。そうしておけばこれほどの大事故にならずにすみ、従って東北沿岸部の復興対策にもっともっと力を注ぐことができたはずです。「たられば」は言っても仕方ないかもしれませんが。

M君は奥さんの出身地の釜石に13日に家族を捜しに行ってきたそうです。幸運なことにご家族は全員無事だったそうですが、避難中にはいろんな悲しい出来事もあったようです。数枚の写真を送ってくれました。新聞やテレビでその惨状は何度も目にしているのですが、なんとなく映画や夢の中という気になっています。自分の目で直接このような状況を見たらと考えると本当に恐ろしい。

原発の方は、電源を繋いでポンプが動作すれば良いのですが、ポンプを取りかえなければなんてことになったら、それこそ放射線の問題がシリアスになるのではないかと危惧しています。幸運の女神が日本に微笑みますように。





東電の会見、怒り以外には何もない!

2011年03月18日 00時31分12秒 | 雑記
今、NHKで東電の会見が行われています。
Q:「使用済燃料の発熱量は?」
A:「あらためて計算して報告します。」
怒り以外に何も無い!
こんな連中に危険な原発を委ねていたなんて・・・言葉を失いました。

基本中の基本でしょ。
その後の説明も支離滅裂・・・東電の上層部は全部入れ替えするしかない。



情報開示と説明責任

2011年03月17日 22時38分03秒 | 雑記
地上からの注水がなんとか可能な程度の放射線レベルのようです。
それにしても、自衛隊員や機動隊員の献身には頭が下がります。高レベルの場所に入るには相当に覚悟が必要だったでしょう。

電源も間もなく確保できそうです。少しは希望が持てるようになっています。それにしても、もっともっと情報を開示して欲しい。4号機の冷却プールには充分に水が残っているという話ですが、それならなぜ水素爆発や火災が起こったのか理解できません。使用済み燃料棒の発熱を吸収するには一日50トン程度の水で充分である、と原子力の専門家が言ってますが、それならなぜ1500トンあったらしい3号機の冷却水が7日間で空っぽになったのかの説明も必要です。起こった現象を矛盾なく説明できない限り、これから何が起こるか不安になります。

ましてや、放射線の知識が少ない一般人の不安は大きいと思います。NHKの原子力担当の解説委員は良く勉強していて良いことを言いますね。彼の言うように、専門家が避難所に出向いて直接説明すれば、避難している人たちの不安を少しは解消できるのではないでしょうか。原子力の専門家だけでは数が少ないでしょうから、私ら核物理屋に情報開示をしてくれれば、原子力の専門家に変わって一般人に説明できると思うのです。



ヘリによる散水開始

2011年03月17日 10時34分48秒 | 雑記
ヘリによる散水が実施されました。
最後の望みかと思います。
地上からも放水する予定と言ってます。放射線レベルから考えると、相当な困難が予想されます。それでも、うまくいくことを祈っています。

ヘリの散水はうまくいったとして、今後かなりの長期間にわたって続ける必要があります。
散水の効果がどの程度かを検証するのも結構難しそう・・・

津波による事故の直後に、多少の放射性物質の漏えいを覚悟して別の手段をとっていれば、ここまでひどいことにはならない可能性が高かったと思います。放射性物質の漏えいに対して、あまりに神経質で、そのために躊躇したのでしょうが、「オレが責任を取るからやれ」という指揮者が必要だったと痛感します。電源確保ももっと迅速にしていれば・・・