「ここは女性専用車両です」「日本人として恥ずかしい」 SNS投稿“3500いいね”が映す集団心理と都市交通の摩擦
集団心理と公共空間の摩擦
10月下旬、あるSNS投稿が静かな波紋を広げた。いいねは3500件を超え、コメント欄には500を超える意見が寄せられた(10月31日時点)。 【衝撃】2023年の「痴漢摘発件数」を見る! 投稿者は30代の日本人女性。数年間カナダに滞在していた経験があるという。彼女が目撃したのは、女性専用車両での一場面だった。急いで乗り込んだ男性に対し、複数の女性が「ここは女性専用車両です」と注意。男性は「焦って乗りました、間違えました」と弁明し、すぐに降車した。しかしその間も、「早く降りてください」との声が飛び、電車が出発した後も、車内では男性への悪口が続いたという。 投稿者はその光景に強い違和感を覚えた。海外では、ルール違反への指摘はあっても、陰口や集団的な非難はほとんど見られない。日本では、普段控えめな女性でも、集団になると攻撃的な行動をとることがある――そう感じたという。注意は一言で足りるのではないか。男性が女性に配慮を求められるように、女性もまた相手への想像力を持つべきではないか。彼女はそう問いかけ、「日本人女性として恥ずかしかった」と正直に綴った。 この投稿はたちまち賛否を呼んだ。擁護する側は「痴漢被害が多い以上、防衛的になるのは仕方がない」と理解を示し、批判する側は「注意の仕方に品位がなく、間違えた男性を吊し上げる風潮は人権を損ねる」と指摘した。どちらの意見にも一理あるが、この議論の焦点は「事実かどうか」ではなく、公共交通空間における信頼と安全のあり方にある。 過剰な集団反応は、個人間の摩擦を生み、心理的安全性を損なう。結果として、利用者の安心感や運行の秩序、ひいては都市交通への信頼にも影響を及ぼしかねない。鉄道という公共インフラは、単なる移動手段ではなく、人々の無意識の行動や感情が交錯する“社会の縮図”でもある。 今回はあえて、この出来事を手がかりに、「公共空間での安全と信頼」というテーマを考えてみたい。