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メイキング・オブ・マイマイ新子

映画「マイマイ新子と千年の魔法」の監督・片渕須直が語る作品の裏側。

最遠方ロケハン 直距1000キロ

2009年11月18日 07時02分41秒 | mai-mai-making
 ここのところ、メイキング記事が滞っていましたので、今日はもうひとつ話題を。

 防府市国衙の地面は「白い」です。
 先日の先行上映のあと訪れて、あらためてそう思いました。
             
 これは、北側にある多々良山から流れてきた土砂でできた扇状地だからです。明治時代以前の多々良山は木が失われて、白い山肌がむき出しになっていました。
             
 山から白い、石灰岩質の土砂が流れ込んでできたのが、国衙のあたりの地形なのです。

 千年前を想像してみましょう。
 埋め立ての進んだ今では自然の海岸線が残っていませんが、多々良山から海に注ぐ千年前の多々良浜は真っ白な真砂だったはず。
 海の水もきれいに澄んでいたはず。
 それはいっそ、今でいえば南の島を思い浮かべるべきなのでは?

 写真は、2007年8月に旅行した小笠原の南島の浜です。
             
 小笠原の砂浜の色と、国衙の地面の色は変りません。
 片やサンゴが波で砕かれて出来た砂、片や砕かれたサンゴが太古に石灰岩に変成し隆起した山から流れてきた砂。
 平安時代の浜などというと、古式ゆかしい感じですが、思い浮かべるべきは、こんな父島の風景に似た鮮やかな海なのだろうな、と思いました。
             
 江戸時代以降埋め立てられた多々良浜はかつては遠浅であったに違いなく、大きな舟は沖合いの江泊に入っていたのでしょう。
 平安時代には、浜は白く、底に白砂が敷き積もった遠浅の海はエメラルドに、コバルトブルーに輝いていたのではなかったでしょうか。ああ、そんな光景を見たいなあ、そう思いました。
             
 この場面の背景は、『紅の豚』の美術監督・野崎佳津さんに描いてもらっています。

 小笠原に旅行した頃には、すでに多々良浜の場面のイメージも抱き始めていましたので、父島や南島では映画で使うことを意識して写真を撮ってきています。『マイマイ新子と千年の魔法』の最遠方ロケハン場所は、そんな東京から1000キロの南方だったりしてしまうのです。

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