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別冊「バビル2世」マガジン

「バビル2世」のコミックス&アニメその他を中心に、オールドファンがあれこれ語ります。

高橋良輔監督作品その2「ガサラキ」第9回

2008-12-08 21:07:23 | 「ガサラキ」関連
いよいよ物語はクライマックスにさしかかってきました。
日本国では、米国の「穀物モラトリアム」、すなわち穀物の輸出制限政策を利用し、クーデター計画が実行に移されようとしております・・・が、実は西田さんをはじめとするクーデター首謀者たちは、「クーデター計画」という言葉をそもそも使っていません。
では、何と言っているかというと。「行動計画」なんですな。みだりに横文字は使わん!ってことでしょうか。・・・軍隊用語か。
さすが国学者

しかしですね。つくづく思うんですが、この作品においてなんとも「日本国政府」そのものの存在感の薄いことよ、です。
たとえば、物語序盤における「ベギルスタンへの実験中隊およびTA派遣問題」です。総理大臣はじめ政府首脳は、当初憲法問題を重視して首を縦に振らなかったのですが、豪和と特自はそれを押し切ります。
とくに強硬に反対していた法務大臣などは、黒い兄貴こと豪和一清に暗殺されます(それを暗示する場面あり)。
このエピソードについては、高橋監督も「ちょっとやりすぎだったかもしれない」と語っています。それほどの隠然たる力を持っているという描写が、ちょーっとアレだったということですね。
というのは、大臣暗殺もへっちゃらな強大な闇の勢力的一族ならば、既にもう日本国をしっかり牛耳っているわけですから、もうなんでもできちゃう。従って「今こそ歴史の舞台に出るのだ!」という一清の野望が、ちょっとピントはずれな感じがしてしまうんですよ。
(既に何でもできる状態なのに、「何でもできるようになりたい!」って言ってるようなもんですからね)

もっと言うならば、さらなる問題はですね。日本国政府の影が全く薄いどころか、国の行く末を全部、最初から豪和と特自が決定しちゃっているところですね。もう、シビリアンコントロールどころの騒ぎじゃありません。
ですから、そもそもクーデターも何もないじゃないかという気さえしてきます。だって、はなっから特自は闇の一族・豪和と組んで、やりたい放題で日本を動かしているんですから。
そんな状態ですから、米国の穀物モラトリアムの情報を最初につかみ、一生懸命対処しようとしているのは豪和と特自上層部で、首相はずっとあとにその情報を知らされて「げえっ」となり、特自の広川参謀の言いなりになっているだけ。そして、国会で汗をかきながら答弁するだけの存在。文字どおりの「傀儡子」です。
まさに一清さんの目的は最初から達成されているわけです。

しかも、ずっと見ていてもはっきりしないんですけど、いつのまにかクーデターが起きているんですよね、これ?いつ達成されたの?首相に詰め寄って、戒厳令を出させた時?かな。
どうやら特自が治安出動するあたりをもって、クーデター達成と考えていいのか、そうなのか?そうとしか考えられないが?
どうしてこんな曖昧な描き方をしてるんでしょうか。「なんとなく、クーデター?みたいな?」ですよ(「?」ばっかりだな
いやいや、まさか「クーデター未遂で終わりました」って事じゃないだろうなあ・・・


やはりストーリー全体の練り上げが足りなかったのかなあという気がします。法務大臣暗殺、ってウルトラCを最初にやっちゃったんで、全てが少しずつずれてしまい、細かい内容に齟齬が出てきたんじゃないかと。
そのために、視聴者には「何が起きているのかさっぱりわからない。え?いつクーデターだったの」ということになってしまったと思います。難解だからわからないんじゃなくて、描き方がはっきりしていない上に、物語の筋道が破綻しているからわからないんですよ。
これは、制作者側の重大な責任です。

・・・っていうか、「クーデター」じゃなくて、あくまで「行動」だと考えればいいのか?そうなのか?言葉のあやってやつ?(だから「?」が多いって~

ま、テキトーにあれこれを脳内変換しつつ、あらすじ行きます。


本編解説その8

速川中佐は、西田の懸命な説得を受けていた。
西田は言う。「速川さん。あなたが築いてきた価値観で、私たちを見ていただきたい。そして、判断していただきたい」
速川中佐の胸に、志に満ちた日々の思いが蘇る。自分は、なんのために特自を選び、そこで日々働いているのか。
「何のために?」それを問い続けることこそが、人生の目的なのではないか?たとえ、結論は容易に出なくても。それでも、常にそう自分に問い続けることが。
しかし、西田の計画が実行に移されるとしたら。世界中の国々が、それを黙って見過ごすはずはない。たぶん、日本に軍事介入してくるだろう。
そのために、自分たちの力が必要なのだ─速川は、西田たちに協力することを決意した。

アジアン静脈瘤は騒然としていた。既に米国からの小麦輸出は激減し、中華料理店などを多数抱える移民街はパニック寸前だった。
ユウシロウは、相変わらず心を閉ざしたミハルとともに潜んでいた。しかし、暴動鎮圧の名目で、特自の部隊が乗り込んできた。TA・17式改の部隊と戦略ヘリである。
特自は、豪和一清の意を受けた広川参謀の指示により、治安出動の名目でユウシロウの身柄を拘束するためにやってきたのだ。彼が関西のアジアン静脈瘤に潜んでいることを、一清はとっくに掴んでいたのだ。
王たちは、ユウシロウとミハルを渡すまいと応戦する。別に、二人のためではなく、街を守るためだといいながら。
自分の正体を知っていた王に、ユウシロウは告白する。「僕もミハルも、TAのパイロットでした・・・彼らにとっては、僕らはただの手段だったのです。だから、二人で逃げました」
王は言葉に詰まる。─ちくしょう!俺とおんなじじゃないか。
シンボルの「手段」に過ぎなかった王。利用価値がなくなるとあっさり廃棄しておきながら、今また必要とあらば手段として使おうとする巨大組織。若い二人もまた自分と同じ境遇だと知った王は、なんとしてもユウシロウとミハルを救おうと決意した。
ユウシロウの的確なアドバイスにより、王たちは特自のTA部隊を退ける。このすきに、なんとか二人は特自の手を逃れることができた。
ユウシロウは「東京に戻る」と言う。ならば、仲間の船で送り届けてやろう・・・王はそう決意した。
しかし、シンボルは王の「裏切り」を見のがさなかった。王が二人を逃がすつもりだと気づいたシンボルの評議員・メス(ミハルの後見人)は、ミハルの奪還のため、米国特殊部隊の力を借りることにする。
ユウシロウとミハルにつきそい、東京への脱出船に乗船した王は、まもなくシンボルが自分たちを決して見過ごしにはしないことを思い知ることになった。
ユウシロウたちの乗った船を、不気味な軍用ヘリが急襲した。中から現れたのは米特殊部隊の隊員たちだった。
ミハルが連れ去られてしまう─阻止しようとた王が撃たれ、死ぬ。「約束を破っちまったな・・・お前たちを、逃がしてやれなかった」と、寂しく呟きながら。
ユウシロウから引き離され、ヘリコプターで連れ去られるミハル。
「ミハルー!」ユウシロウの哀しげな咆哮が、夜の海に響き渡った。


王さん、めっちゃかっこいいです、渋いです(涙)。ハードボイルドな男の世界ですな。
しかし、ユウシロウ・・・・、TAに乗れば無敵なのに、生身ではとんだヘタレっぷりです
ま、そりゃ米国の特殊部隊の隊員なんて、ソーゼツな訓練を積んだツワモノぞろいですから。そんな人たちが束になってかかってくるんですから、たかだか17歳の少年なんざ赤子の如きものではございますが、それにしてもへっぴり腰~、あっちうまにカノジョを奪われちまいます・・・。
その後の「みはるぅ、みはるうぅ~(涙)」っちう叫びがなんとも悲痛というか、えーと、そのお
これが第19話のおしまいの方なんですが、20話の予告編がまたまたアレでしてね、ユウシロウの独白の形でナレーションが入ります。
「みんな、それぞれが必死に戦っているのに。僕だけ、なんかカノジョの面影を追っかけてるわけで・・・情けなス、トホホ」(注・超絶オレ流解釈)
みたいな感じです。・・・・


速川中佐は、西田との話し合いの結果を中隊の全員に告げた。「私は、西田さんに協力することにした」
騒然とする皆に、速川は続ける。どうするかはひとりひとりが決めてくれ。決して強要はしない、と。
中隊のそれぞれが悩み、逡巡する。しかし、誰に説得されるでもなく、扇動されるわけでもなく、全員の心はひとつにまとまっていた。たとえ、ほんの少しの躊躇はあったとしても。
実験中隊の全員が、速川中佐について行くことを選択した。

広川参謀は、米国が穀物モラトリアム実施を発表するまで間がないことを総理大臣に告げ、戒厳令の実施を迫っていた。
「経済統制令の発令を。そして、暴動鎮圧のため、特自の出動を」
穀物モラトリアムが米国より発表されれば、間違いなく日本各地で食糧暴動が起き、収集がつかなくなる。それを阻止するために、特自を治安出動させよというのである。
首相は、なすすべもなく広川の指示に従うことにした・・・。


風雲急を告げる展開。
以下、次回。