”REGGDIATES VOL.4”by JALAL EL HAMDAOUI
昨年の我が年間ベストCD10選で、初対面の音楽にもかかわらずその概要紹介的コンピレーション盤が、なんとベスト1に輝いてしまったモロッコのレッガーダ・ミュージック。
ともかくその際は、こいつは凄まじい音楽に出会ってしまったと、とりあえず驚愕した次第です。
で、この盤は、まだまだ生まれたばかりと思われるこの音楽の、自分はクリエイターであると名乗る人物、Jalal の新作だそうで。こいつは期待せずにはおれません。(ジャケの写真はなにやら薄化粧して気色悪いですが、これは我が国の大衆演劇とかの世界に通ずるものがある大衆文化のむしろ国際的本道、とでも取っておきましょうや)
で、さっそく聴いてみれば、その生命力溢れるワイルドなノリにすっかり持って行かれて、唖然とするうちアルバムを聞き終えていた、と言うのが掛け値なしの感想。
ともかく変則リズムを狂騒的勢いで打ち鳴らす民俗打楽器群と、休みなく吹き鳴らされる民俗管楽器群、そしてそれらが一体となってともかく前のめりで突っ込む狂騒的祝祭世界、という具合で、”PA”とか何とか言うより、そこらのメガホンでも掴んで、イスラミックなコブシをコロコロ廻しつつ怒鳴り倒している、そんなイメージのボーカルの勢いも相まって、ともかく我々スキモノの血を熱くせずにはおきません。
この音楽の魅力の由来を簡単に言えば、かの国のアトラス山系に由来するベルベル民族のトランス系祝祭音楽が急速に今日化する過程で、外界の音楽からもある種歪んだ形で影響を受けつつ強力にファンキーな方向に捻じ曲がっていってしまった、そのワイルドなありようがともかく魅力的なのだ、とでもなるんだろうか。
いや、実のある紹介文なんて書けるわけないよ、その音楽の背景も何も、推測の域を出ない状態であるわけだし。この音楽、我が国の活字メディアでも未紹介なんでしょ?
そんな訳で、まだまだ分からない部分が多い音楽なんだけど、それはともかく、嬉しくなってしまいますな。地球の音楽地図には、いまだにこんな音楽が飛び出してくる余地がある、という事実が。