ガチればDuolingoだけで言語が習得できるのか?(フィンランド語篇)
ご無沙汰してます。大山です。
さて、Duolingoという語学学習用アプリがあります。結構いろいろな人がやっているみたいですね。私も以前2つほど紹介記事を書きました。
今の連続記録は2810日ちょっとです。来年には3000日記念の記事が書けそうですね。時の流れがちょっとした恐怖です。
ところで、私の持論として、「アプリは副教材」というのがあります。教科書で勉強するのを億劫がってアプリだけでやろうとすると効率が悪いと思ってます。教科書の補助をするためにアプリを使うのがオススメというわけですね。
でも、よくよく考えたらアプリだけで何かひとつの言語を本当にガチで勉強したことってないよなあ……そうだ!この機会に完全初見の言語をアプリだけで習得できるか検証してみよう!
「アプリは副教材」が持論なんですけど、ここら辺で #ゼロ円語学生活 の延長として「Duolingoだけ縛りでガチで勉強するにはどうするか」を考えておきたいんですよね。残念ながらタイ語がないのでこの辺を題材にして。 pic.twitter.com/lhLWQOIcYy
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) September 5, 2025
……っていう投稿をした後に、「フィンランド語はどうか?」という提案があったので、それに乗ってフィンランド語をやることにしました。
ところで私、実はフィンランド語含めいわゆる「ウラル語族」は初見です。私が事前に持っていたフィンランド語の情報といえば、
・母音調和があり、/i/がデフォルト母音らしい。
・なんか部分属格みたいなのがあるらしい。
・活用する時に語幹末の子音が交替することがあるらしい。
くらいです。つまり、言語学の授業で例として出てきた事例を除けば完全初見でした。オラ、ワクワクすっぞ!
経過
レギュレーションはひとつ:Duolingo以外の教材を参照しない!教科書もウェブサイトも禁止!とにかくアプリだけに頼って習得できるか検証すること!
ということでやっていきます。とりあえずアプリをこなしていきます。
ですが、早々に「これ、単語の暗記スピードよりも新出単語の登場ペースの方が速いな……」と悟ったため、出てきた例文を片っ端からスクショして書き写すことにしました。
試し書きしてみました。紙が結構薄いので私の筆圧だとちょっと強すぎるかもしれませんね。逆に言えば私の普段のノートと書き心地が違うので味変にちょうどいいです。現状書き溜めが結構あるので、そっちを消費したらこっちに移ろうかと思います。 https://t.co/4py6jAoZG5 pic.twitter.com/E3u7MLC4dP
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) October 21, 2025
これでもいまいち足りない気がしたので、これに加えてさらにAnkiを使って単語暗記の補助にしました。
という感じで毎日気合入れて進めること70日くらい。
Q. Duolingoでガチるのに重要なものは?
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) October 25, 2025
A. 反射神経#Duolingo pic.twitter.com/cEcyiM8VSR
デュオリンゴだけでガチる生活も1か月経過しましたが、やはりアプリで反復練習するだけでは学習として不十分だと思いました。例文をスクショして書き写す作業と、新出単語を片っ端からAnkiに打ち込んで毎日やる作業を追加してようやく十分な学習になるという感想です。 #0円語学生活 pic.twitter.com/S3xWSQTJ8v
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) October 7, 2025
#0円語学生活 Duolingoだけでガチる生活もひと月半くらいですが、アプリを1日1時間半+写経1ページやってようやく単語暗記まで追いつくといった感じです。問題を見た瞬間に答えがわかるレベルをまだ維持できていますが、逆に言えばこれだけやらないとDuolingoだけでガチる学習プランは成り立ちません。 pic.twitter.com/DDnwqCgwkx
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) October 19, 2025
やっているのはDuolingoのフィンランド語なのですが、出てきた例文を片っ端から写経しているので全然アプリに見えませんね。アプリの方はあとユニット8つくらいです。まずアプリでやって例文をスクショし、数時間後に書き写してます。案外やり方として悪くないです。 #0円語学生活 pic.twitter.com/OkFnaw7NdD
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) November 7, 2025
最終的には、Duolingoに今ある分のコースを無事完走することができました。
そしてご報告なのですが、アプリの方は最後まで行きました。 #0円語学生活 フィンランド語篇、めでたく完走確定です! https://t.co/MxMWYNg8o8 pic.twitter.com/xyDi2E6xWE
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) November 13, 2025
最終的には、この企画の途中で買ったオシャレなノートを半分くらい消費してのゴールとなりました。普段の緑のノート35ページ分と新しいノート73ページ+5行でゴールです。
まとめ
結論から言えば、相当楽しめました。要点をまとめると、
・Duolingoだけでフィンランド語は学習可能か?
→ 理論上は可能。でも言語学の知識が十分ないと無理。
・Duolingoは教科書の代わりになるか?
→ ならない。例文から自分の脳内で教科書を組み上げる作業が必要。
・Duolingoだけで語学をすることはオススメできるか?
→ アプリだけではかえって効率が悪い。素直に教科書を買った方が良い。
こんな感じです。
#0円語学生活 とりあえず結論が出つつあるのですが、Duolingoだけで新しい言語を勉強するのは言語(学)に関する事前知識が相当ないと無理です。解説部分を全部黒塗りした教科書で勉強するようなものです。 pic.twitter.com/V4UXa3qBMs
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) October 23, 2025
Duolingoは基本的に文法解説が不親切どころかほぼ皆無なので、例えるなら例文以外を全て黒塗りした教科書で勉強するような感じになります。なので教科書に書いてあるであろう内容を例文から類推して脳内でまとめていく作業が必要になります。いわゆるbe動詞の変化表すらないです。
#0円語学生活 デュオリンゴには何の活用形かという情報がないので、強制的に言語学オリンピックみたいなことをやらされる羽目になりますね。
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) October 9, 2025
例えばフィンランド語のoikeaとoikeinはどっちも"correct"としか書いてないので、自力で文法を解析しなければなりません(前者が形容詞で後者が副詞?) pic.twitter.com/cxRNCVG55u
この例文から文法を組み上げるという作業、よくよく考えると、フィールド言語学を専門にしている研究者がああじゃないこうじゃないと苦悩しながらやっている作業そのものなんですよね。つまり、Duolingoだけで勉強しようとすると、言語学の専門家が苦労しながらやるレベルの作業が必要になります(音韻記述がない分だけ楽だけど)。
そことそこが違う語じゃなくて活用形の違いなのは例文を見るうちになんとなく察してねっていう感じなので、その言語や言語学一般についての事前知識がないと相当厳しいです。例えば、私は「あーこれ斜格で語幹が交替するタイプかなあ」とか、「あーこれ部分属格みたいに全体と部分を指す場合で格が変わるんだな」などと思いながらやっていたんですが、この言葉の意味がわかるレベルの言語学の知識がないと教科書なしにDuolingoだけでやるのは厳しいです。なので「アプリは副教材」が原則です。
#0円語学生活 やっぱり例文と翻訳だけで文法を教えるのは効率悪いですよ!(魂の叫び)
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) October 18, 2025
私はDuolingoだけでガチったらどうなるのかという実験中なので参照できませんが、良い子のみんなは普通に教科書とかで文法解説を読みながらやりましょう。アプリは副教材! pic.twitter.com/Mqr90IR7yZ
ただ、今回新しく得た知見として、教科書さえあればDuolingoを中心にして勉強することも一応可能なのかな、ということがあります。教科書がメイン、Duolingoがサブが原則だという意見は変わりませんが、逆にDuolingoをメイン、教科書をサブにしてもある程度(=Duolingoのコースがあるところまで)はいけるんじゃないかな、と思うようになりました。ただ、教科書とDuolingoの記述が食い違っていたら、99.9%Duolingoの方が間違ってます。これだけは覚えておきましょう。
とりあえず思い出せる範囲で、Duolingoに解説がないせいで最後までよくわからなかったものとか色々な不満点をメモしておきました。↓
・tässä/tuossaとtällä/tuollaの区別が英訳を見ていてもわからない。
・Onko sinulla kamera?とOnko sinulla kameraa?でなぜ格が違うのかわからない。多分定不定とかだと思うけど説明なんてない。
・vaiとtaiがなんとなく使い分けがあるのはわかるけど(多分「どっちでもいいけどない?」と「どっちを選ぶの?」の違い)、いまいちはっきりしない。
・montaとmoniもよくわからない。格の違いだと思うけど記述がない。
・数量詞+主格ではなく属格的な何かを使うという現象を他の言語で知っておかないと混乱する。
・斜格で大きく語幹の形が変わる現象はちゃんと解説しないと全部不規則活用に見えるかもしれない。というか最初そう見えた。
・meri - mertaは例外だと思うけど何も説明がない。最初は誤植を疑った(あとで調べて初めて不規則だと判明した)
・montakoとkuinka moniの違いがわからん。
・liikaaとliianは形容詞と副詞の違いか?
パッと思い出せる範囲だとこんなところです。
完走した感想
それでは最後に完走した感想ですが、一言でまとめるとこうです。
なくして初めてわかる、文法の大切さ!!!
#0円語学生活 アプリだけでガチるという縛りなので今に至るまで教科書類を一切見てないんですが、そのせいか禁断症状みたいなのが出てきました。せっかくシリーズを揃えているので、これを使ってみたいお年頃です(フィンランド語は右端の芬兰语) pic.twitter.com/NuusWyHqif
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) September 26, 2025
あと、変な副産物もついてきました……
すごいことに気づいてしまった。普通にトレーニングする時は左右均等にやってるはずなのに、左の力こぶの方が大きくなってる............2か月ハイペース(当社比)で写経するとこんなことになるのか............ https://t.co/qZq5gW0jpF
— 大山祐亮@新刊11/19発売! (@Yusuke_OYAMA_) November 15, 2025
ではご機嫌よう!




私も10年ほど前からDuolingoで英語をやっていますが、Duolingoも随分改良されて来ましたね。 しかしまだまだ、学習ツールとしては不十分なものですね。毎日送ってくれる「~があなたを追い越しました」のメールには、学習意欲を削がれます。
言語学者の苦労を無料体験したい奴にはおすすめかもな。
Duolingoだけで合格勉強するのどうなんだろうなと思っていたんですが、やっぱり副教材として使うのが良いのですね。とても興味深い検証でした!