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インフルエンサー再考

インフルエンサーは、流行を形成し拡散する機能を持つ一方で、フォロワーの期待に応える代弁者としても機能する。

インフルエンサーは、フォロワーの期待に応えることで、その立場が盤石になるので、常にフォロワーの期待を敏感に感じ取り、その期待に沿った発言をする。
例えば、注目を集めたいある若い女性は、「オジ」という存在を全否定することで、「オジ」を嫌悪する層からの支持を集め、インフルエンサーとしての地位を確立していく。
これはクソ情報商材屋の「大企業やJTC叩き」や、闇堕ちした非モテ層の「異性叩き」、暴露系インフルエンサーも同じ構図である。

成敗すべき悪者を作り、その悪者を全否定することで支持を集める手法は決して珍しいものではない。
以下の本で書かれているとおり、戦争を正当化する際にはよく見られるレトリックである。これは政治の世界においても同様である。

"敵の指導者は悪魔のような人間だ"
"われわれの大義は神聖なものである"

アンヌ・モレリ「戦争プロパガンダ10の法則」, 草思社
* 上記はAmazonのアソシエイトです

さて、このような「フォロワーの期待に応えて悪者を全否定するインフルエンサー」の構図は、インフルエンサーにとって毒にもなりうる。
なぜなら、フォロワーの期待が、社会的に正当化されないものであった場合、インフルエンサーがスケープゴートとなって社会から袋叩きに遭うからだ。
ここで難しいのが、社会的に正当化されるか否かの分水嶺が極めて流動的な点である。昨日まで容認されていた行為が、ある日を境に正当化されなくなってしまうことがあるのだ。

先ほど挙げた「オジ」叩きを例に挙げれば、これまでは(女性尊重という意味での)フェミニズムが優勢だったのと、「オジ」層からの強い反発が無かったこともあって、「オジ」叩きは人気集めのツールとして随分と流行した。

しかし、最近になって「オジ」叩きの理不尽さ、男女間の非対称性が問題視されるようになり、安易な「オジ」叩きは猛反撃を食らう事態になっている。「オジ」を叩く行為が社会的に肯定され難くなっているのだ。

インフルエンサーとして、フォロワーの期待に応えるつもりでしてきた行為が、社会的に容認されなくなったとき、そのインフルエンサーの運命は大変不幸なものになる。
味方だったはずの多くのフォロワーは見て見ぬふりをして去っていき、大衆を味方につけた、これまで悪者認定していた相手から総攻撃を食らうことになるのだ。

結局のところ、社会的に正当化される悪者なんて存在は極めて流動的なので、さして信念も持たず、その場の雰囲気に便乗して、悪人を作って叩くことは、その人にとって大変危険な行為なのである。
インフルエンサーであれば、フォロワーの期待に応える(人気を集める)という目的のみで叩き行為に手を染めれば、いずれは「はしご外し」を食らったかのような状況に陥るだろう。

但し、これは、ある層を悪者認定して、それを非難すること自体を否定するものではない。
自身にとって何らかの確固たる正義があれば、それに対立する悪はどうしても存在してしまうものだし、自身にとっての悪を非難する行為自体は、言論の自由に基づき法の範囲内で保障される。

つまり、何かを非難する場合、他人の期待に応えるという受動的な形ではなく、自らの意思で、確固たる信念を持って行うべきなのである。
これは構造的にフォロワーの期待に応える代弁者としての機能を持つインフルエンサーが特に注意すべきことである。
なお、この注意点は、大衆向けの人気商売と化している政治家も同様である。


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