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Conversation

町山さんは生物学に詳しくないから仕方ないのですが、「種」とは「生物学的には同じ種同士でしか交配できない生物群のこと」ではありません。 例えば、犬と狼は別種ですが交配可能です。 エルンスト・マイヤーによる標準的な定義だと、種とは、互いに自然交配して生活力・繁殖力のある子孫を産みうる集団であり、他の集団とは繁殖的に隔離されている集団です。 さてここでより深掘りしたお話をしますね。 「人種」は「種」なのかどうか。 人間はどの人種も同じホモサピエンスという種だが、生活環境の違いから肌の色などに大きな差が生まれた。生活圏が異なるため、もはや自然には交わることがなく、文明によって国際交流が深まることで交わった。 これは、同種と別種、どちらと解釈するべきなのか。 結論としては同種です。 生物学的種概念における“繁殖的隔離”とは ・交尾しない/できない理由が生物学的/生態学的に存在すること ・行動、時期、遺伝、形態、生態ニッチ、配偶行動などが原因で繁殖が成立しないこと を指します。 地理的隔離は、生物学的な交配不能とは別で、ただ出会う機会が少ないだけに過ぎず、生物学的には交配可能です。 地理的に分かれていた生物が再び接触すれば普通に交雑できるなら、それは「同種」であり、別種への分化はまだ起きていないとされます。すなわち、人は同種です。 そもそも「人種」とは、生物学的な「種」ではありません。 皮膚の色、髪の質、顔つき、出自に対する先入観・歴史的背景に基づいて「人種」という枠を社会的運用しているのみです。 そもそもの話をしますと、たまたま日本語が「人種」という表現を用いていて、生物学的な「種」との混合解釈を招いていますが 町山さんが詳しくない英語では、race(人種)とspecies(種)は完全に別の言葉になっています。すなわち英語話者は「race = species の一種」だと誤解することはありません。 町山さんは日本語に詳しくないので仕方ないのですが、同じ文字が入っているなら同じものと勘違いしてしまい、差別的な虚構であると思ったのでしょうか。
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町山智浩
@TomoMachi
そもそも「人種」という概念自体が差別的な虚構なんですよ。「種」とは生物学的には同じ種同士でしか交配できない生物群のことなので(例外はアリ)。全人類、同じ起源の枝分かれで、バリエーションとグラデーションがあるだけです。 x.com/TomoMachi/stat…