修学支援、下位4分の1は打ち切り 大規模大は否定的「不安与える」
返済不要の給付型奨学金と授業料減免を柱とする修学支援新制度。2020年度から始まったこの制度は、年度ごとの審査で学業成績の平均(GPA)が所属学部の下位4分の1に入ると「警告」を受け、連続すると支給が停止されてしまう「成績(GPA)要件」がある。朝日新聞と河合塾の共同調査「ひらく日本の大学」で「成績要件」について評価するかどうかを尋ねたところ、規模が大きい大学ほど成績要件を評価しない割合が高かった。
共同調査は777大学を対象に実施し、79%に当たる612校から回答を得た。
「GPAが下位4分の1に2回続けて入ると原則支援打ち切りなどとする成績要件」について、「評価する」から「評価しない」の4段階で質問。「評価する」が21%、「どちらかと言えば評価する」が46%で、合計すると67%だった。「どちらかと言えば評価しない」は22%、「評価しない」が9%で、否定的な意見は3割にとどまった。
大規模大は肯定と否定が半々
大学の規模別に見ると、入学定員が3千人以上の大学は肯定的と否定的が50%ずつに分かれた。それ未満の大学は、肯定的が68%、否定的が30%だった。
北海道の私立大は「学ぶ意欲がある学生を対象に支援するべきだと考えると、GPAが低いと打ち切りにするのも許容できると思う」。群馬県の私大は「とりあえず入学する学生も多くなった。そのような学生に税金を投下する意味がわからない」と回答した。
一方、都内の大規模私大は「GPA要件は本人の努力で左右できない相対評価で、奨学生に納得感のない不安を与えている」とした上で「修得単位数のみで十分質を担保できると考える」と答えた。
大学の区分別では、国立と公立では肯定的が7割を超えた。私立は65%だった。
富山大は成績要件について「どちらかと言えば評価する」と回答し、「学生の修学意識を高める」などと記述した。一方、一橋大は「どちらかと言えば評価しない」。「相対評価を導入するのは学生にはわかりづらく、優秀な大学への進学意欲を失わせることも考えられるため、単位数のみの要件でよい」とした。
■高校は7割が肯定的 「勉強…