物価高騰が続いて大学の支出が増加する中、熊本大学基金は質の高い教育環境の維持と学生生活の質向上にさらなる資金が必要になったとして、緊急寄附金の募集を始めた。目標額として1億円を掲げ、OB、OGらに寄附を呼び掛けている。
熊本大学基金によると、熊本大学は半導体工場の相次ぐ進出など地域を取り巻く環境が大きく変化する中、教育研究活動の強化を目指して積極的な投資を続けてきた。自己財源確保のための努力や経費節減にも力を入れてきたが、昨今の急激な物価高騰で光熱水費や実験経費などが大幅に上昇した。
熊本大学は将来の学生のための資源を一部取り崩して対応しているものの、施設の修繕や設備更新が後回しになり、将来につけを残す格好になっている。このため、緊急の寄付でWi-Fi環境の整備やトイレ改修、経済的に厳しい学生への支援など必要な措置を急ぎ講じることにした。目標達成後は学生会館改修などにも寄付金を充てる方針。
寄附は熊本大学基金ホームページにて、クレジットカード、Web申込(金融機関への窓口またはインターネットバンキング)、専用払込用紙で受け付けている。寄附者にはキャンペーン寄附特典として、通常の寄附特典に加えて全員に感謝状を送付するほか、1万円以上で特設ページに名前の掲載(希望者)、300万円以上で学長との懇談会(希望者)の特典を付与する。ホームページには寄附者からの様々な応援メッセージが掲載されている。
熊本大学基金を運営する基金運営会議の議長を務める熊本大学の小川久雄学長はホームページで「熊本大学で学びたい・成長したいと願う学生たちの未来を、想いで支えてくださる皆さまのお力が必要。どうか本趣旨にご理解ご賛同いただき、温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます」と訴えている。
