大川原化工機側、都に住民監査を請求 捜査幹部らに賠償金負担要請
機械製造会社「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件を巡り、同社側は15日、東京都が支払った損害賠償金の一部を当時の警視庁公安部幹部ら3人に負担させるよう都に住民監査請求を起こしたと明らかにした。
警視庁公安部と東京地検は2020年3〜6月、同社の「噴霧乾燥装置」が生物兵器製造に転用可能と判断し、無許可輸出したとして大川原正明社長(76)ら3人を逮捕・起訴。地検は初公判直前の21年7月、疑義が生じたとして起訴を取り消した。
大川原社長らが都と国に賠償を求めた民事裁判では、一連の逮捕、起訴を違法と認め、計約1億6600万円の賠償を両者に命じる判決が今年6月に確定。警視庁はその後、当時の公安部長ら退職者を含む19人の処分を明らかにした。
同社代理人の高田剛弁護士は住民監査請求を起こした理由について「処分の内容が軽すぎる。二度と冤罪事件を起こさないためにも、個人の責任を明確化する必要がある」としている。〔共同〕