いわゆる高校無償化を巡り自民、公明、日本維新の会による協議が続く中、自民党の教育・人材力強化調査会(会長・柴山昌彦元文科相)と文科部会(部会長・今枝宗一郎衆院議員)の合同会議が10月21日、党本部で開かれ、3党協議を踏まえた制度の方向性が示された。外国籍の生徒を巡っては日本に定着が見込まれる人を対象とし、外国人学校は制度から外す方針が示された。私立通信制高校は全日制高校とは別に上限額を定めて支援する。また、連立から離脱した公明党を含めた3党協議の枠組みは継続する方針も説明され、今後の対応は柴山元文科相に一任された。
高校無償化を巡っては、来年4月から私立高校の授業料について所得制限を撤廃して、45万7000円を上限に就学支援金を支給する方針が決まっている。合同会議では柴山元文科相が3党協議の結果などを踏まえた制度の方向性を説明した。
この中では、外国籍生徒への支援は日本に定着が見込まれる人を対象とし、外国人学校は制度から外す方針が説明された。ただし、在校生への支援は現行のまま継続し、新入生についても現行制度で対象となる生徒には同水準の支援を別の予算措置で検討する。
私立通信制高校については、就学支援金の上限額を授業料の平均額をベースに33万7000円として支援するが、並行して管理運営の適正化や教育の質の確保向上に向けて、情報公開の徹底、点検の強化などの改善策を講じる。
また、公立離れの懸念が指摘される中、専門高校をはじめ公立高校の質の確保に向けた支援の充実や私立高校の便乗値上げのチェックなども進める。3年程度の検証期間を設けていち早く無償化を進めた大阪府の公立高校の定員割れの状況などを検証する方針も示された。さらに財源を巡っては現行の文教予算とは別に確保することを求めていく。
これに対して各委員から意見や要望が相次いだ。無償化に多額の予算を投じることを巡り、「高校に進学しない子どもとの格差が大き過ぎる。働いて税金を納める子どものことも考えるべきだ」「高専などへの支援も併せて充実させるべきだ」「職業人材の確保に影響が出る可能性があり、全国的な視点で職業人材確保への支援も考えるべきだ」「3年の検証期間は『3年以内』として必要な修正は早く行うべきだ」などとさらなる検討を求める声が上がった。
会議では、こうした意見も踏まえて最終的に対応は柴山元文科相に一任され、近く開かれる3党協議で詰めの調整が行われることになった。
会議の後、柴山元文科相は「高校に行けなかった生徒などについては、就職した後の学び直しの機会や職業訓練の充実などでしっかり取り組みたい。また、無償化を巡る協議は自民、維新のみでなく公明党とも詰めてきたものであり、これからもこの枠組みで続けていく。特に財源については、連立を組む維新の皆さんに財源論も含めて責任ある対応を求めたいと考えている」などと述べた。