熱心なK1ファンというわけではないが、テレビ中継があるとなんとなく見てしまう。
先日の「K1グランプリ」東京大会では、なんといっても優勝したセーム・シュルトに驚かされた。
2メートル12の身長で、よく動くことよく動くこと。一瞬たりとも休まないから、つけいる隙がない。テクニシャンもハードパンチャーもものともせず圧勝した。
今回の試合では、もともと2メートル18センチの韓国チェ・ホンマンに注目していた。一回戦負けでがっかりしたが、埋め合わせておつりがきた。
昔から、からだが大きな男に関心がある。プロレスファンだったころ若いころも巨人レスラーが大好きだった。なんか眺めているだけでうれしくなるのである。
スカイハイ・リーって2メートル3センチもあるんだって。でかいなー。力道山勝てるかなー。今度、ジャイアンツからプロレスにはいった馬場って2メートル9センチもあるんだってな。日本人でもそんなでかいやついたんだな。
モンスター・ロシモフ(のちのアンドレ・ザ・ジャイアント)は2メートル18センチかよ。人間じゃねえよな。カール・ゴッチならジャーマンで投げられるかもな。ロビンソンの人間風車は手が回らないから無理だろうな。――なんて思いながらワクワクしてテレビにかじりついていた。
巨人レスラーの重要な条件はやはり強いことである。アンドレのように強すぎるとかえってニクらしくなることもあるが、ラジャ・ライオン(226センチ)のように弱いのは問題外である。
でっかくて強いことをせいぜいアッピールして、ハンディキャップ・マッチで小柄なレスラーを蹂躙し、最後の最後でテクニシャンのベビーフェイス(善玉)にやっつけられるのがよい。
ところで、ここで書いてきた身長はすべて公称である。レスラーの場合、身長を3、4センチさばを読むのは常識になっている。高身長レスラーファンとしては、つねにフィルターを通してみなければいけないのである。
ビックショーはぜったい2メートル28センチもないよな、アンダーティーカー(2メートル10センチ)と比べてそんなに差がないもんな。せいぜい2メートル14、5センチどまりだよ……。
そういえばアンドレもアメリカに行ったら急に5センチ伸びてしまった。しかし、その後日本でジャイアント馬場とタッグを組んだときの映像を見たら、あまり変わらなかった。2メートル18センチもあやしいものだと思った。
第一、馬場自身デビュー当時から3センチくらいさばを読んでいたから、アンドレは2メートル15センチ以下のはずだ。ビッグショーと対戦すればわかったのに、早逝したのが惜しまれる……。
大きいものに対する好奇とあこがれは、わたしの場合、天才に対するあこがれと似ている。この世ならぬ才能に恵まれた天才。そこには規格外のもののみがもつ強大な力とともに、ある種の滑稽さ、哀しみが漂っている。
ここが巨人レスラーと似ているのである。あえていえば天才と巨人レスラーは、同じ化け物類に属する生物なのである。
それを鑑賞することによって、わたしも彼らと同じロマンを共有できた気になれる。その怪物ロマンを満たしてくれたシュルトには大いなる感謝と尊敬の念を捧げたい。
(なぜ急に大男について書きたくなったかと思ったら、昨日、キングコングのことを書いたからだと気づいた。そういえば、力道山時代に同名の巨漢レスラーがいたっけ)
先日の「K1グランプリ」東京大会では、なんといっても優勝したセーム・シュルトに驚かされた。
2メートル12の身長で、よく動くことよく動くこと。一瞬たりとも休まないから、つけいる隙がない。テクニシャンもハードパンチャーもものともせず圧勝した。
今回の試合では、もともと2メートル18センチの韓国チェ・ホンマンに注目していた。一回戦負けでがっかりしたが、埋め合わせておつりがきた。
昔から、からだが大きな男に関心がある。プロレスファンだったころ若いころも巨人レスラーが大好きだった。なんか眺めているだけでうれしくなるのである。
スカイハイ・リーって2メートル3センチもあるんだって。でかいなー。力道山勝てるかなー。今度、ジャイアンツからプロレスにはいった馬場って2メートル9センチもあるんだってな。日本人でもそんなでかいやついたんだな。
モンスター・ロシモフ(のちのアンドレ・ザ・ジャイアント)は2メートル18センチかよ。人間じゃねえよな。カール・ゴッチならジャーマンで投げられるかもな。ロビンソンの人間風車は手が回らないから無理だろうな。――なんて思いながらワクワクしてテレビにかじりついていた。
巨人レスラーの重要な条件はやはり強いことである。アンドレのように強すぎるとかえってニクらしくなることもあるが、ラジャ・ライオン(226センチ)のように弱いのは問題外である。
でっかくて強いことをせいぜいアッピールして、ハンディキャップ・マッチで小柄なレスラーを蹂躙し、最後の最後でテクニシャンのベビーフェイス(善玉)にやっつけられるのがよい。
ところで、ここで書いてきた身長はすべて公称である。レスラーの場合、身長を3、4センチさばを読むのは常識になっている。高身長レスラーファンとしては、つねにフィルターを通してみなければいけないのである。
ビックショーはぜったい2メートル28センチもないよな、アンダーティーカー(2メートル10センチ)と比べてそんなに差がないもんな。せいぜい2メートル14、5センチどまりだよ……。
そういえばアンドレもアメリカに行ったら急に5センチ伸びてしまった。しかし、その後日本でジャイアント馬場とタッグを組んだときの映像を見たら、あまり変わらなかった。2メートル18センチもあやしいものだと思った。
第一、馬場自身デビュー当時から3センチくらいさばを読んでいたから、アンドレは2メートル15センチ以下のはずだ。ビッグショーと対戦すればわかったのに、早逝したのが惜しまれる……。
大きいものに対する好奇とあこがれは、わたしの場合、天才に対するあこがれと似ている。この世ならぬ才能に恵まれた天才。そこには規格外のもののみがもつ強大な力とともに、ある種の滑稽さ、哀しみが漂っている。
ここが巨人レスラーと似ているのである。あえていえば天才と巨人レスラーは、同じ化け物類に属する生物なのである。
それを鑑賞することによって、わたしも彼らと同じロマンを共有できた気になれる。その怪物ロマンを満たしてくれたシュルトには大いなる感謝と尊敬の念を捧げたい。
(なぜ急に大男について書きたくなったかと思ったら、昨日、キングコングのことを書いたからだと気づいた。そういえば、力道山時代に同名の巨漢レスラーがいたっけ)