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テスラ研究家・新戸雅章の静かなる熱狂の日々

エジソンも好きなテスラ研究家がいろいろ勝手に語っています。

★キングコング

2005-11-21 21:10:17 | Weblog
 ものごころついた頃に見て強烈な印象が残っている映画が2本ある。一本は「キングコング」、もう一本は「オズの魔法使い」である。
 そのうちキングコングを廉価版のDVDで購入した。
「キングコング」を両親と映画館で見たのはたしか5歳ぐらいのときだった。とにかく怖い映画だったという印象があるが、とくに怖かったシーンがふたつあった。ひとつはキングコングが大木を渡した橋を抱えて揺するところ。懸命にしがみついている撮影隊員が、ひとり、またひとりと振り落とされていく。下は谷底。もちろん落ちれば命がない。
 このひとりずつ落ちていくところが怖かった。最後までしがみついていた男は橋もろとも落とされてしまう。今のSFX映画なら、コングのパワーで一気にたたき落としてしまうだろう。それでは本当の恐怖感が出ない。その点、この怪獣映画の名作はさすがによくできている。
 もうワンシーンはキングコングがヒロインを追って集落に向かってくるところ。集落の住民と撮影隊はジャングルを隔てる大きな扉を閉めて侵入をふせごうとする。しかし、怒り狂ったコングはその扉を力まかせに押す。住民たちは扉の反対側で懸命に押さえるが、コングの力で扉は少しずつ開いていく。がやがてかんぬきが折れ、最後に扉が開いて凶暴な野獣が躍り出る。
 このシーンでも一挙に扉を開けたりしない。少しずつ、開いては押し戻し、押し戻しては開くという間があって、観客の恐怖心をあおっていく。今見ても、幼い頃の目をつむりたくなるようなドキドキ感がよみがえってくる。
 今回あらためて見直して、こうした手法が随所にちりばめられているのがわかった。数年前にビデオで見たときには気づかなかった場面もあった。、
 怪獣映画とはサスペンス映画である。この当たり前の真理を元祖怪獣映画との再会によって確認できたのは収穫だった。