「主人の名誉を回復することは、いつかきっと、できると信じています」あまりにも非情な、容赦なく、次から次へと繰り返される誹謗中傷 自死した元県議の妻が問う「人を貶めることの責任」
■「いつまで耐えたら」希望も力もなくなって
【鈴木】 ご主人が亡くなって混乱があった中で、普通は混乱から離れ「何もしたくない」という方がほとんどだと思います。 【竹内さん】 「もちろん初めは、突然家族を失うということが、本当にショックが大きくて…。私がそれを受け入れるのは、やっぱり難しくて、『亡くなった』とか、『死』とか、そういった言葉が口に出せなかったんです。 それでもまずは夫を見送って、『私たちは私たちで生活しなければいけない』という時に、まだ色んなことが言われて。なぜそんな目に遭わなければいけないんだろう…。 家族を失ったことを受け入れるだけでも難しくて、打ちひしがれているところに、さらにあまりにも非情な、容赦なく、次から次へと繰り返される誹謗中傷というのは、やっぱり耐え難いものでした。 抵抗していいのか、反応していいのか、身を守ればいいのか。 主人もいなくなって何の力もない私たちが、できることもなくて。本当にただそれをじっと耐えるしかなくて。もう少し時間が経って、そのまま落ち着いていけばと願っていました。 ただ主人に対してもそうでしたし、死者への誹謗中傷がずっと繰り返されていたので、やっぱり声を上げなければいけないのかなと。 声を上げなければ、いつまでもその先が見えないことも、また苦しいんですよね。『いつまで耐えたらいいんだろう』って、不安をかき立てますし、希望を持てなくなっていく。力もなくなって…」
■「夫の死を無駄にしない」告訴を決意
【鈴木】 一方で、一緒に歩いてくれた人たちがいた。会見で、その人たちへの感謝の言葉を綴られていました。 【竹内さん】 「打ちひしがれていた時に、色んな方が主人のことを偲んでくださって、私たちのことも心配してくださって。 告訴に向けては、代理人を郷原先生(郷原信郎弁護士)、石森先生(石森雄一郎弁護士)にお願いしたんですけれども。 そういった先生につないでくださったのは、主人の先輩にあたる石川さん(石川知裕元衆院議員=2025年9月直腸がんのため死去)という方です。 本当に夫のことを信じて、『彼がそんなことをするはずがない』とか、主人のやってきたことをきちんと理解して、私たちに励ましの言葉をかけていただきました。 本当に温かく助けてくださった方々があって、ようやく初めて、行動を起こすことができた。 何も持たない私は、声を上げることも本当ならできませんし、今でもこうしてお話しすることも、非常に恐怖を感じるところもあったり。怖い目にもう遭いたくないとか。 できることなら、離れられたらどんなに楽かって思うんですけど、でも向き合わざるを得ない。 夫の死が無駄にならずに、社会が変わるきっかけとなってくれたら、ようやくそこから… もちろん納得はいかないんですけど、ようやく受け止められるのかな、というふうに思っています」