としか私には見えないのだが、彼はシンガポール~マレーシア音楽界の重要人物、 Art Fazilであるのだそうで。そしてこのアルバムは彼が幼い頃から馴染んできた現地の民謡の数々を彼なりのアレンジで歌ってみたもの、とのこと。
冒頭、いきなり飛び出してきたクンダンのリズム。そして男たちのなんともあっけらかんとした歌声が続く。長い時の流れに、いつの間にか大衆の掌に馴染んで輪郭の丸くなった、みたいなメロディが次々に歌い継がれて行く。いかにも気のおけない感じのセッションである。
日頃、あんまり真面目に聴いていないマレー方面の音楽であるが、良い感じの空気が吹き、参加者が充実した時間を過ごしているのであろうことは分る。
その種の、我が国でいわゆるところの”ネット右翼”の連中の言動をパロディとしてなぞってみせる、みたいな露悪趣味がバンドの基本コンセプトのようだ。この出世作、”Gold Und Liebe”のジャケもネオナチっぽいイメージ演出を隠していないし、この一つ前のアルバムには、”ムッソリーニを讃える”みたいな歌も収められている(面白いから試聴にはその曲を貼っておく)