1) Tugan Tel by Alsou (Russia-Tatarstan)
2) Nacerdine Hora (Algeria)
3) Doagh by Maria McCool (Ireland)
4) Iumiere (Scotland)
5) Adi Yok by Azeri Gunel (Turkey-Azerbaycan)
6) t'Minne by Threeality (Netherrland)
7) 加那 by 城南海 (Japan)
8) 1st by Lee Na Young (korea)
9) Tres Tres Fort by Staff Benda Bilili (Congo)
10) Perd Pakka Tuu by Look-Pad Pinchanok (Thailand)
というわけで、我が2009年度年間ベストアルバムの発表であります。
シバリとしては例年の如く、一国一枚、あるいは一ジャンル一枚、といった規則がもうけてあります。
また、原則的には2009年に発表された新録音盤の中から選ぶ。ただし海外から入ってくる時差(?)を考慮して一部2008年度盤も可とする、という事で。
1)ロシアのかってのアイドル歌手、アルスーが、結婚&出産に伴う休業を終えてカムバック後、発表したのが、このアルバム。すべて彼女の故郷であるウラル山脈のふもと、タタール地方の民謡ベースの音楽が繰り広げられている。言語もすべてタタール語かバシキール語を使用。民族問題に手を焼いているロシア国内でよくぞこんなものをと驚かされる。
盤をスタートさせると一挙にあたりは中央アジア一色。大都会で華やかな流行歌手として過ごして来た自らの足元を改めて見つめ直した作ということか。音の向こうから吹き付けてくる春色の”再生”の息吹が眩しい。
なお、このアルバムの収益金はすべてタタール自治共和国の孤児たちを援助する基金に寄付されているそうだ(写真)
2)昔の安いスパイ映画の主人公みたいなグラサン男が素っ頓狂なスットコ・リズムに乗せてドスの効いた声で凄む。北アフリカのやさぐれダンスミュージック群はいまだ正体不明ながら、今年もやっぱり惹かれてしまった。
3)アイルランドのトラッド歌手が、実に自由な感性で渋い民謡からポップスまでを纏め上げ、唄心一つで地深く根ついた”アイルランドの新しい唄本”を編み出してしまった、その鮮やかさに。
4)スコットランドの女性トラッド歌手二人が新たに組んだデュオのデビュー作。上質のクリームを舐めたみたいな滑らかさと奥深さを秘めた二人の素晴らしいハーモニーに、気分は晩秋のハイランドへ。
5)トルコで活躍するアゼルバイジャン出身の女性歌手。中央アジアから東地中海へ連なるエキゾティックの上にエキゾティック乗せて~♪みたいな華麗な音楽地図を可憐な美声でコロコロと歌ってみせる。その存在だけでも血が騒ぎます。
6)オランダが昔、強力な海運国家として繁栄の頂に合った16世紀に出されていた歌本からの復刻曲を中心として、当時の国際国家としてのオランダの興隆を音楽によって再現している。大きく脈を打っていたオランダの心臓と送り出していた血の熱さ、世界中からやって来ていた人々と物資の賑わいが、女性トリオのパワフルな歌声で鮮やかに蘇る。
7)奄美民謡のコブシ一発で世界音楽を読み直してやろうという意気を買いまして期待点こみで。すいません、ファンなモノで。
いやいや、こうして聴き返して行くと、”地球礁に打ち寄せる潮の轟き”が聴こえてくるようで、これにも血が騒ぎます。
8)韓国のトロット演歌界が満を持して世に送り出した、テクノ演歌最前線のヒロイン、イ・ナヨンの感性溢れる歌声弾けるデビュー盤。
とはいえ、素直に万人が「カッコいい!」と感心するような”最先端の音”になっているでもなし、やっぱり韓国ローカルの独特のエレクトリック・ポップでしかないこと。いやいや、そこが素敵なんですがね。
9)コンゴの不良ハンディキャッパーたちがぶっ飛んだ感性で切り開いたアフリカ音楽の新しい地平。もう一つ元気のなかった今年のアフリカ音楽界における、非常に大きな収穫だった。
10)タイものでは、これとターイ・オラタイ女史のモーラム集とどちらを入れようかと迷ったんですが、大歌手の傑作と評価の高い作品と、新人アイドル演歌歌手のちょっと素敵な一枚だったら後者を選ぶのがこのブログの価値観でしょう、ということで。
なんか大切な一枚を忘れているような気がしてならないんだが、まあ、勝負は時の運ということで。
余談としてするしかない話なんですが、実はこのベスト10、一位をミャンマーのポーイーセンの”テューリーピューデンニャ”にする気でいた。ずっとその気でいたんだけれど、決定の前にちょっとネットで調べてみたらこのアルバム、2007年度作品らしいことが分ってきた。「一年くらいの誤差は認める」のがここのルールなんであって、このアルバムだけ2年遅れの特例を設けるのが納得できなくて。まあ、私一人で選んでいるのだし、どうしようとかまやしないといえばそうなんだけど、だからこそ、こだわらねばならん、とも思えて。
さて、そんなところで。