<ウルトラマンの原点の背景>
成田亨のウルトラマン(ベムラー、レッドマン)のデザインの背景を探ると、間接的に無意味とはいえない要素が浮かんできます。
まず、ウルトラマンは自分が円谷英二へ意見した仏像のアイディアと公言するソンポートさんの事です。
「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」などで知られるタイのチャイヨープロの創始者で、近年では海外でのウルトラマンの版権問題で円谷プロと裁判になりました。
ニュースで、タイのアユタヤ遺跡近くに巨大なウルトラマンの顔を門に据えた自宅兼スタジオの風景を報道で見た人もいるでしょう。
62年、日本へ留学したソンポートさんは「キングコング対ゴジラ」の特撮現場へ入って円谷門下生となりました。
英二没後71年に小学館が出した写真集「円谷英二 日本映画界に残した遺産」にタイの教え子として紹介されます。
留学中、英二さんの息子さんたちと仲良くなり、70年代に円谷プロが傾いた時に出資し、海外版権の委譲に円谷皐がサインしたとかしないとかで裁判となりました。詳しく知りたい方は調べて下さい。
ソンポートさんは裁判の頃、自らをウルトラマンの産みの親の1人と称し、晩年の成田さんを訪れました。
青森美術館が収蔵したデザイン画以外のイラストの類を買い取ったそうです(海外の雑誌で紹介されました)。
その際、タイのウルトラマンをウルトラマンの正統な後継者として成田さんへ認めさせた、と言う曰くが伝わりますが、よく分かりません。
その雑誌の中にある写真に、「キングコング対ゴジラ」の現場で英二さんへタイの仏像関連を見せて、こういうヒーローはどうか?と提案している様子が残されています。その説明は後付けかもしれません。
その写真集?をフォトショップで強引に正してみましたが仏像なのかどうか。
タイは仏教の国です。仏像の他にインド神話からガルーダの像も作られました。余談ですが、梶原一騎(高森朝雄名義)の「紅の挑戦者」に出て来るムエタイの王者がガルーダと言う名前でした。
自国の信仰の仏や神をヒーローにどうか?と本当に提案したのか?
たしかに猿の神、ハヌマーンを映画化していますから、そうだとして。
東宝の特撮美術のデザイナー渡辺明が、円谷プロのために「科学特捜隊ベムラー」のスケッチを描くのがソンポートさんが留学した4年後の66年。
このあと渡辺さんは東宝と再契約せず、円谷特技プロで知り合った川上景司と会社を興して、日活「大巨獣ガッパ」、松竹「宇宙大怪獣ギララ」、東映「ガンマー3号宇宙大作戦」などの特撮に参画。美術と特撮を担当します。
川上さんは英二さんが「ウルトラQ」のために松竹から引っこ抜いたのに、円谷特撮に向いてなかったのか「鳥を見た」などせっかくセットを作っても使われず、写真だけが残されました。
映画からテレビへ人気が移っていく時代。特撮界にとっても、64~66年は、激動の年だったのでしょう。
ところで、東宝の特撮スタッフのほとんどは東宝と契約書を交わしたわけでないそうです。トップの人だけのようです。
井上泰幸レベルでも一度も契約していないそうです。
井上さんは、仕事は口約束、それが出来ない相手とは組まないと言ってました。
渡辺さんが退き、井上さんがデザイナーに昇格しましたが、もともと円谷特撮の美術を支えていたのは井上さんだったので、現場の作業は変わりません。
井上さんは特撮美術の予算を出し、セットプラン、仕掛け、図面をこなします。大プールも井上さんの設計でした。
しかし美術の立ち位置は底辺でした。トップは演出部と撮影部、美術は本体が来るまでに舞台を用意して引き渡すまでが勝負です。井上さんは柔和な顔で、敵に後手を見せるな!とよく言ってました。
英二さんは、右腕だった有川貞昌さんが特技監督へ昇進したにも関わらず東宝を去ってしまった際に、やっと井上さんにシャッポを脱ぐんです。
スタッフの撮影終了記念写真で英二さんは井上さんを隣に据えます。
井上さんの話はともかくとして。
円谷特技プロ設立は円谷研究所が前身です。英二さんが私費で自宅に作ったそうで、高野宏一らが例えば「キングコング対ゴジラ」の人形アニメパートなどを請け負ったそうです。
初代「ゴジラ」から10年目。英二さんが東宝を辞めるらしいという噂が飛び交ったのだとか。
映画の印税は、脚本、監督だけで、円谷英二に行かない。
東宝に内緒で始めた円谷特技プロは、東宝への牽制がまずあったでしょう。会社が早くも傾いた事と東宝にバレた事で、資本と役員が入って東宝の子会社になったのでした。
東宝にしたら英二さんが独立してヨソの映画会社の特撮をやられては困るため慌てたようです。円谷特撮は外貨を稼いでいたからです。
大映の永田社長は湯浅憲明に「大怪獣ガメラ」(65年)を任せる時、もし特撮に自信がなければ円谷英二を呼ぶと言い放ったそうです。
英二さんは、戦時中に国威発揚映画とされる戦争特撮を撮って、戦後GHQに公職追放を受け、東宝を離れて大映京都へ行きます。
大映にしたら恩を売っている関係でした。
湯浅さんは負けん気で発奮して断りました。
これは想像ですが、「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」で、英一少年をガメラへ乗せています(円谷英二の本名は英一)。飛行機好きだった円谷さんへのメッセージではないかと思っています。その話もさておいて。
東宝としては英二さんを押さえたい。
市川利明は東宝からのお目付役で円谷プロへ来ました。支配人という肩書きでした。企画には一切噛んでいないと本人は、通称市川ノート(企画の記録が綴ってある)を否定していました。あれはいったいなんだったんでしょう?
執務の窓口と文芸室を1人で担った金城さんは、東宝の系列になった事で本格的に企画を立てます。
フジテレビとTBSへそれぞれ「WoO」と「UNBALANCE」の企画を出します。フジの企画は頓挫、TBSが「ウルトラQ」へ発展しました(例のオプチカルプリンター騒動がこの時です。詳しくは調べて下さい)。
渡辺さんは「科学特捜隊ベムラー」のスケッチを最後に東宝と再契約せず、英二さんおよび円谷プロと距離を取ります。
スケッチは3点ありました。未公開がもう1点あります。飛行中に翼を広げている絵でした。
成田さんが金城さんに見せられたのがこれらの絵でした。「烏天狗のような」と成田さんは言いました。
烏天狗は鞍馬山で牛若丸を鍛えた修験者です。妖怪のような扱いを受けています。迦楼羅(かるら)とそっくりで、繋がりがある考える人もいます。
迦楼羅天は仏を護る神の1人で、インド神話のガルーダがその前身と言われています。
ここでソンポートさんが出て来ます。
つまり、円谷英二に伝えたヒーローにしたら?というのはガルーダではなかったか、という可能性。
ガルーダが、迦楼羅、ないしは烏天狗などを経て、渡辺明はあのベムラーにしたと考えると流れは自然になってきます。
渡辺ベムラーがウルトラマンになってはいない事は前回も書きました。
成田さんはむしろ旧態依然とした発想に反発して、ギリシャ哲学を借りて、コスモス(秩序)をウルトラマンに当てはめて、美を追究します。
怪獣をカオス(混沌)をに当てはめ、それぞれ、キャノン(典型)を模索する作業だったと説明しています。
たしかに、テレビ時代、しかもカラー化の先駆けをになうデザインですから渡辺ベムラーは古くさいです。
渡辺さんは、怪獣は地上の生物を元にしないとおかしいという考え。
ゴジラ(暴竜)、アンギラス(アンキロサウルス)、ラドン(翼竜)、メガヌロン(古代トンボ、メガニューラの幼虫)、モスラ(ヨロイチョウ)、マグマ(セイウチ)、など。
ひとしきり出た後に作られたキングギドラは架空の竜でしたが、パンフには、神話の八岐大蛇やヒュドラがモデルとありました。が、直接的には、前年公開のソ連の映画「巨竜と魔王征服」の空飛ぶ3つ首竜がヒントでしょう。
バラゴンも海外のモンスターに似ているのがいます。その辺の事情は「絶対ゴジラ主義」(角川書店)と言う本に書きました。
ベムラーは、キングギドラと同じコウモリのような翼をもちゴジラを正義の味方にした感じです。
「ウルトラマン」でNGになったベムラーは、日活の「大巨獣ガッパ」でそのデザイン要素が使われた、と見られます。
ただ、ガッパは、すべてが渡辺さんのデザインではないようです。同様に、ギララ、フローラも、デザインの源泉そのものは不明瞭です(ガッパもギララも東宝特撮の底辺を支えていた人材がずいぶん応援に行ったそうです)。
仮に、烏天狗のようなベムラーが主人公で、モングラーやトドラ、ゴロー、スダールなんかが毎回出て来る番組だったら、「ウルトラマン」はそんなにヒットしたでしょうか?
七色仮面やナショナルキッドが巨大化してもダメでしょう。
やはり成田さんのウルトラマンはずば抜けています。
<カラータイマー>
成田さんが嫌ったカラータイマーは、ぼくらには馴染み深いです。
局からの要望でピンチの演出が欲しいとの事だそうで、成田さんはウルトラマンはロボットではないので機械が体に付くのはおかしい!と突っぱねますが、お金を出す相手と社長の管轄の下ではどうにもなりません(成田さんは契約社員でした)。
カラータイマーのデザインはフラッシュビームや隊員の装備、スーパーガン、バリアーマシンをやった深田達郎さんではないかと思います。
成田さんの鋭角でいながら流麗なMJのデザインに対して、深田さんはコンクルーダーやジャンボーなどをデザインしています。シラトリもそうです。
成田さんは意地を見せて自分で描くウルトラマンの絵にカラータイマーをはぶきます。子供だったぼくは、描き忘れたんだ!と思っていました。
成田さんがそんなだから、佐々木さんもそれに倣った感じだったのか、雛形も、変身パースモデルもカラータイマーはありませんでした。
カラータイマーは倉方茂雄さんが作っています。
バルタン星人の目と同じ型で、同じように裏側から樹脂を点付してあの点々のモールドを作っています。
ウルトラマンの飛び人形はすべて佐々木さんです。
ガマクジラ戦の両手を下げた飛び人形は変な位置にカラータイマーが付いていました。わざとやったのか(!)、どこよ?ここ?みたいな感じだったのか。
電飾のあるものはぜんぶ倉方さんがやるので、これ以外の飛び人形はちゃんとした位置に付いています。倉方さんは自分で付けた位置をちゃんと守ります。
使ってない操演人形(2尺ぐらい? 60センチ)に、赤いラインの先端にカラータイマーが付いているものがあります。
高山さんが進駐軍の新聞の取材を受けて円谷プロへ赴いて、倉方さんの部屋で撮られた写真にいくつかの操演人形が写っていました。
大型のはバルタン星人との空中戦で使ったものです。
小さいのはロング、操演人形はどうやって使うつもりだったのか。
両手を下げた飛びウルトラマンは、渡辺さんのベムラーの飛び方です。これはこれでカッコイイですね。
一方、レッドマンの検討デザインの際に、レッドマンの飛行プランを成田さんが描いています。
両手を先端へ伸ばした、劇中で使われた飛行ポーズです。なるほど、ラインが伸び伸びとする。
ウルトラマンの飛び人形はバルタンで使った大型のものは発泡材で、後日「突撃!ヒューマン」で流用されました。
それ以外、よく使っていたサイズは樹脂でした。最終回に出て来たゾフィはトサカが黒く塗られています。
ニセウルトラマンの体のラインにも黒いラインがあります。ウルトラマンとは違うものと言う記号でしょう。赤と黒のラインのウルトラマンがもっと居ても良いのです。
最終回へ向けた金城さんの胸の裡が新聞記事にありました。
ウルトラマンをどう死なせるか? すでにウルトラマンの大事な部分が壊されるアイディアを公言しています。
「ウルトラマン」は製作が追いつかず、4クール目を断念。3クールで終了します。終了が決まるのと同時に局は高視聴率を続けたく、特撮番組を東映に依頼します。
「キャプテンウルトラ」は個人的に好きですが、そうであっても「ウルトラマン」の後で見劣りしました。
巨大ヒーローが出て来ない事はともかくも、いや宇宙怪獣も魅力的でしたしシュピーゲル号は大好きでしたが、ドラマが「ウルトラマン」ほどカラッとしていない。
「ウルトラセブン」になるともっと陰鬱になって、その頃小学1年でまだ怪獣を見ていたかったのに、熱がどんどん冷えて行ったのを覚えています。
円谷プロは、東映の宇宙特撮へ対して、有川さんで2本、映画並みの特撮で勝負をかけます。「宇宙船救助命令」は「キャプテンウルトラ」へ対して、宇宙特撮はこうだ!と言わんばかりでした。
「ウルトラマン」3クールの33話以降はぜんぶ宇宙怪獣でした。その事も東映への意識でしょう。
ちなみに、ジェロニモンは、放映後出した金城哲夫のノーベル書房の「ウルトラマン絵物語」で宇宙怪獣とされています(筑摩書房から復刻が文庫で出ています)。設定だけでは実はアントラーも宇宙怪獣でした。
<名前の事>
「キャプテンウルトラ」の半年間の間に「レッドマン」が企画されます。
TBSの申し送り書に「ウルトラマン」は<Ledman>とありました。「ウルトラセブン」の方は<Redman>です。
ウルトラマンは、リーダー<Leader>のレッドマンです。過去形<Led>なので導いた者とでも訳しましょうか。
レッドキングは、沖縄の暴れん坊、オヤケアカハチがモデルだそうです。そこから赤い怪獣のイメージだったようですが、成田さんはペンだけで描き、高山さんは銀にパールを吹いた色で塗りました。現場であの色になっています。
いろいろ変わってどこかで落ち着きますがその端緒を探るのは面白いです。
「ウルトラセブン」は秋の新番組とされ、「ウルトラQ」「ウルトラマン」が再放送されました。
この間、成田さんは、講談社「ぼくら」でオリジナル怪獣のデザインをしています。「キリがない」「バルンガ」を思わせるウエットン、戦艦大和のスクラップを背中に宿したヤマトン、サイボーグ恐竜タンギラー、サンダスト団の守護神ゴルダー。
あと東宝が出した「怪獣大行進」で描き下ろし絵物語「マグネット作戦」の鋼鉄怪獣アイアン。
アイアンはともかく、「ぼくら」でマンガ「ウルトラマン」(一峰大二)の連載を続けていたのは円谷プロの意志ではなくて、講談社の意地があったでしょう。「キャプテンウルトラ」は小学館でした。
「ウルトラマン」の掲載権をを講談社に取られていた小学館はさらに「ジャイアントロボ」「仮面の忍者赤影」で追い打ちをかけます。
「ウルトラマン」によってそれまで少年誌を買わなかった小学生以下、未就学児童が「少年マガジン」を買ったため、マガジンはサンデーを抜きんでて少年誌初の100万部を突破した経緯があります。
「ウルトラマン」は放送が終わってからも人気が続きました。
とくに夏休みに東宝が公開した劇場版「長篇怪獣映画ウルトラマン」は併映「キングコングの逆襲」(こっちがメイン扱い)とともに子供たちの一大イベントになりました。
たいていの家がまだ白黒テレビだったので、生まれて初めて動くカラーのウルトラマンを見た人が多かった。カラータイマーが黄色くならない事に驚いたわけです。
円谷一監督作品の編集版でした。ゴモラをジョンスン島から連れて来て見せ物にするというのは「キング・コング」の焼き直しです。
「キングコングの逆襲」ともども、円谷親子の「キング・コング」競演といえましょう。
ゴモラは、ゴジラ・モスラ・ラドン、円谷おやじの怪獣3匹の頭文字の組み合わせであり、また<GoMole>の意味もあるでしょう。<Mole>はモグラ、掘削機をを言います。ジェットモグラの元の名前です。さぁ、掘れ!という感じです。
これまた余談ですが、英二さんをおやじ、なんて現場で呼べる人はいなかったそうです。要するに、陰口を叩く時に、おやじ、円谷おやじ、などと言っていたのを、TBSの「現代の主役」シリーズ「ウルトラQのおやじ」としてイメージが作られたのです。
有川さんに、英二さんをなんて呼んでましたか?と聴いたら、「おやじなんてとんでもない。あの~しか言えませんよ」との事でした。
<鳥人>
渡辺明のベムラーは鳥人です。成田亨は鳥人にこだわらずにベムラー、レッドマンを描いていますが、「ウルトラマン」が始まるとまさしく鳥人を描くことになります。
「恐怖のルート87」登場の高原竜ヒドラです。ヒドラのことはアス工房の新作ガレージキットの解説に雑多な事を書きましたので、キットを買われた方は読んでみて下さい。
ヒドラは伊豆シャボテン公園の荒原竜をモデルに描いていますから、そう独自性はありません。
ただ成田さんは彫刻と哲学を重ねて考えてしまう人なので、具現化した神話の資料を知っていたでしょう。
古代エジプトの神ホルスは頭がハヤブサ。体が人間のものもあれば鳥そのものもあります。
メソポタミアにも「鳥頭有翼の神」というレリーフがあります。絵もそれぞれあります。
これらの素材を、ウルトラから20年後、成田さんは、ゲーム会社の仕事でイラストに起こしました。「宇宙船」でも描いていました。欧州の怪獣画です。その前後、個展で独自に調査して描いたアジアの怪獣も描いていました。
○成田さんのガルーダは優雅な翼です。インドの宗教観から生まれたもので、人間が自然とどう調和していくか、その中にある怪獣です。
○時代的に新しいグリフィン(グリフォン)は欧州ではドラゴンと共に家紋にされています。中世の騎士の相手です。これの元はエジプトでしょうか。
○エジプトの神話にあるオシリスとイシスの子ホルスを表すハヤブサの頭をした男性像は紀元前3千年に始まって、この元絵もいろいろあって、ハヤブサそのもので表現された彫刻もありました。太陽信仰です。
メソポタミアの新アッシリア時代には「鳥頭有翼の神」(紀元前883~859年頃)などがあって、同じように有翼人、鳥の頭を持った人間あるいは獣があります。
これらとインド神話のガルダ(ガルーダ)が影響があるのかないのか、前に描いたデザインの収斂、あるいは、神話に見られる位相(たとえば八岐大蛇、ヒュドラのような多頭龍の伝説があちこちに出現していた)のようなものか、ぼくは学者ではないので説明は出来ませんが、想像すると、人間は空へ憧れ、鳥の翼を欲しがったと言う事実。
コウモリのようなものが悪魔的な印象をもつのは聖書以降です。
キングギドラの羽はコウモリそのものでした。渡辺さんのベムラーもです。
成田さんは勁文社の「怪獣大絵巻」(67年)でガッパを描いています。
渡辺明がベムラーを描いて没になり、それがガッパに生まれ変わったとするならば、新ベムラーことレッドマン、ウルトラマンを描いた成田亨がそのガッパを描く、というのは因縁めいて面白いです。
成田さんのガッパの羽はコウモリでなく、鳥の羽で、彫刻「啼く」の鳥の羽そのままです。
「怪獣大絵巻」にはカードも付いていて、そのガッパはヒドラに似ています。
ヒドラは、デザインの時の絵より現代芸術社の「ウルトラマンカード」の(67年)描き起こしの方が格好良いです。ウルトラマンとヒドラの構図は成田さん、気に入ったのかそのままウルトラマンとレッドキングや、ヒューマンとジャイロックで同じ構図で絵を描いていました。
67年公開の「恐竜100万年」のプレスシートに成田さんが図解を描いています。その中に「アルゴ探検隊」のヒュドラや有翼人ハーピーがありました。ヒュドラとハーピーを足すとヒドラになりますねぇ。
ヒドラは、当然、神話のヒドラから命名されたのでしょう。多頭龍のヒドラという意味ではなく、ヘラクレスと戦い破れた怪物、つまり強敵という意味ていどのものと思います。
ヒドラは発音の違いで、ヒュドラー、ヒュドラとなりますが、つづりは同じ( Ὕδρα, Hydrā)です。