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『水ダウ』盲目の芸人・濱田祐太郎の出演が反響 「見えない」を制約でなく演出に変えたバラエティの可能性 #エキスパートトピ

田辺ユウキ芸能ライター
写真:イメージマート

11月12日に放送されたバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の企画「サイレントクロちゃん」が好評を集めた。

同回では、声帯ポリープ手術のため声が出せないクロちゃんに対し、1週間に渡ってドッキリが仕掛けられた。そのドッキリの一つとして、2018年『R-1』王者で盲目の芸人・濱田祐太郎が登場。声が出せないクロちゃんと目が見えない濱田が、お互いに模索しながらコミュニケーションを図る様子に笑いと感動の声が挙がった。

高く評価された理由の一つは、今までにない濱田の起用方法だったのではないだろうか?

ココがポイント

濱田は視覚障害者で目が見えない。一方、クロちゃんは声が出せない(中略)ネットではそのやり取りが「神回」と話題
出典:デイリースポーツ online 2025/11/13(木)

濱田はオンエア後(中略)『口にリンゴが詰められた状態の芸人でも入ってくるのかなと思った』
出典:週刊女性PRIME 2025/11/14(金)

(濱田祐太郎)「テレビ側が障害のある人をバラエティに出演させて受け入れる取り組みをしていない」
出典:テレ朝POST 2024/6/6(木)

(松本人志)構造自体をみんなが楽しんで笑っているだけであって、彼の吃音の部分を取りたてて笑ったわけでは一切ない
出典:スポニチ Annex 2022/8/7(日)

エキスパートの補足・見解

かつて濱田は、バラエティ番組と障がいのある芸人の関係性について「テレビ側の受け入れが進んでいない」と指摘。実際に濱田に対して「見えないからリアクションが難しいのでは」「仕掛けが伝わりにくいのでは」といった先入観が先立ち、起用の幅が狭まっていた印象がある。

だが『水ダウ』は「見えない」ということを制限ではなく演出の一部に組み込み、笑いの構造そのものを更新してみせた。二人のやり取りは、何かが“できない”ことが逆にバラエティの可能性を広げる好例で、笑いと発見を同時に生む巧みな設計だった。

2022年には吃音芸人・インタレスティングたけしの出演を巡り、「差別を助長する」といった抗議も寄せられたが、出演者の松本人志(ダウンタウン)は企画の構造を丁寧に説明。2024年にはたけしの話し方の特性を前提とした企画が実施され、大きな反響を呼んだ。

内容や演出の方向こそ異なるが、どちらも「当事者のあり方を尊重しつつ、その妙を笑いに変える」という姿勢を持つ。今回の濱田のトーク力とクロちゃんの“巻き込まれ力”が生んだ化学反応は、感覚の違いをテーマにした漫才のようだった。あらためて、特性の違いの中に深い笑いが潜むことを示す放送回だった。

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芸能ライター

大阪を拠点に芸能ライターとして活動。お笑い、テレビ、映像、音楽、アイドル、書籍などについて、独自視点で取材・分析・考察の記事を書いています。ご依頼は yuuking_3@yahoo.co.jp

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