light
The Works "いつだって、いくらでも" includes tags such as "フリー台本", "全年齢" and more.
いつだって、いくらでも/Novel by * YUKI *

いつだって、いくらでも

2,910 character(s)5 mins

出産後、初めて彼女(妻)に来た「女の子の日」。
産後の育児疲れも重なってフラフラな彼女を、イクメンパパが支えます。

★作中のカッコについて
《  》←あると嬉しい効果音
(  )←状況、説明、その他
〈  〉←モノローグ
(  )内「  」←彼女、他の登場人物の台詞

★ 音声化の際はプロフィールをご参照ください。
 

【ご採用ありがとうございました】
★山下さんより着信です 様
 【女性向けボイス】出産後、初めて女の子の日が来て育児の疲れもあり倒れてしまったあなた…旦那さんが慰め落ち着かせて精一杯看病します。【シチュエーションボイス/ASMR/シチュボ/生理痛/添い寝ボイス】
  https://youtube.com/watch?v=CV_m-ZQORPw

※作中、ヒロインの体に起きる症状等は、あくまでその症状の1例に過ぎません。
 このお話はフィクションですので、医学の発達やお医者様の見解によって見方は変わります。
 些細な症状の裏に重大な疾患が隠れている場合もあります。
 ご自身の体の症状に不安を覚えましたら、迷わず病院の診察を受け、あなたの体を守ってあげてください。

いいねとブックマークはとても嬉しく、励みになっています。
見つけて読んで頂き有難うございました。
これからもよろしくお願いします。____*YUKI*

1
white
horizontal

《玄関のドアの開閉音》

電気ついてる…音はしない…。
と言うことは…2人とも寝てるね…。

(玄関先でスーツを脱ぎながら)

早くお風呂に入ってあがってしまおう…。


(バスルームのドアが開いて彼がお風呂から出る)

まだ静かだな…。
よく寝てそうだ。

(リビングのドアをそっと開け、まずはベビーベッドへ向かう。そして小声で。)

姫ー、ただいまー。
パパが帰りましたよー。
いっぱいねんねして偉いねー。
そのままゆっくり寝ててねー…。

(もう少し、普通の大きさに近い声で)

さて…もう1人の姫はどうだ…。

(彼女が寝ているソファに近付きながら)

ただいまー…君のダーリンが帰りましたよー。

ん?

…え?

おい。
おい!起きて!
しっかり!

どうしたの?
すごく苦しそうに寝てたから起こしちゃったんだけどさ、どこか悪いの?
汗凄いし…大丈夫?

大したことないって、そうは見えないよ。

え?
産後初の生理?
それで具合悪いの?

具合悪いと言うか、痛い?
君、生理痛なんて今まであったっけ?
…出産したら体質が変わったみたいって…そんな事あるの?

ねえ、本当にそれ生理痛なの?
帝王切開の後遺症とかさ、他の悪い病気だったりって事はないの?
なんだったら今から救急車呼ぶ?

そんなにオロオロしなくても、って…僕にはその位辛そうに見えるからさ…心配で…。

せめて痛み止めかなんかなかったかな…。
あ!
そっか…今授乳期間中だから、安易に薬も飲めないのか…。

明日、病院?
午前中の外来に行くんだね?
分かった。
もしただの生理痛でも、痛み止めを処方してもらえないかちゃんと訊くんだよ?
それからこの後、もっと痛みが酷くなって僕が限界だって判断したら、救急車は呼ぶからね?



ご飯は…食べられそう?
食欲はあるけど、もう少し後がいい?
じゃあ僕も、その時一緒に食べるよ。
大丈夫。まだ時間早いから、お腹もそんなに空いてないし。
それに一緒に食べた方が、より美味しいからさ。

おかずどうする?
今日は作れないでしょ。買ってこようか?

作り置きしておいたおかずが冷蔵庫にあるんだね?
凄いな…それなら買わなくていいね…それ食べよう。
買って来たものより君の作った物の方が美味しいから、寧ろそっちの方がいいよ。



今、して欲しいことある?


膝枕?


いいよ、待ってね…。
頭…失礼…。
よいしょ…角度とか、どう?首辛くない?大丈夫?


ホッとする?
僕の体温が?

そっか。

他にはなんかある?

なでなで?

こんな感じでいい?


こうしてるだけで、痛いの楽になってく気がする?

魔法の手…か。

そうだといいな。
少しでも楽にしてあげたいよ。


(暫く頭を撫で続ける)



辛そうだね…。

「帝王切開手術の直後よりは楽」?
痛いの、お腹の周辺だけだから?

そうだよね…あの時は何日か背中から麻酔入れ続けて、それでも全身、何もかもが痛いってぐったりしてたもんね…。
病院のベッドで横になってる君がいつもよりも一回り小さく見えて、凄く心配だったっけ…。

そんな思いをして…僕たちの姫を産んでくれて、生きてここに居てくれて…有難う。
感謝しかないよ。
生理痛だけでも代わってあげられたらいいんだけど…こんな事しか出来なくて、ごめんな。

「こうして甘えさせてくれれば、それでいい」?

こんなんで良ければいつだって、いくらでもするよ。


他にもして欲しい事あったら、すぐ言って?
何でもするから。

それから…して欲しくない事も、隠さないで言って。
余計な手間や迷惑、かけたくないからさ。
君のストレスの原因にはなりたくない。
だからちゃんと教えてね。


(赤ちゃんが起きてぐずり始める)


あ、姫起きた。
ちょっとあっち行くよ。
よいしょ。
(彼女の頭をそっとよけて立ち上がる)

どうちたー?
起きちゃったかー。
うん、湿気ってるな。オムツ替えようねー。

(赤ちゃんのオムツを替えながら)

僕もだいぶ手際良く出来るようになったよね、オムツ替え。
君の指導のおかげだよ。
それに姫も大人しくていい子にしててくれるから、替えやすくて助かる。


(オムツの始末を終えて)


授乳どうする?
出来そう?
キツいなら粉ミルクの用意して、僕がやるよ?


する?

じゃあさ、寝室から枕とクッション持ってくるから待ってて。
背中とソファの間に入れてあげるよ。


(赤ちゃんを抱っこしたまま、片手で枕とクッションを抱えて戻る)


これでどう?少しは楽?

はい、授乳クッションとケープ。

姫置いて大丈夫かな?

よし、置くよ。

(授乳中の様子を見守りながら)

痛くて辛いって言うのに、こうしてちゃんと赤ちゃんに授乳するんだもんな。
女の人はすごいよ。
君は「ママだから当たり前」みたいに言うけどさ、自分で思ってるより凄い事だと思うよ。
もっと威張っていいと思う。
ホントに。


…夜中はさ、僕が姫のミルク担当するよ。

寝る直前に搾乳しとけば胸が張ったり詰まったりしないでしょ?
今夜はまとめて睡眠取りなよ。

毎晩姫がぐずり始める前にアラームも無しに起きてさ、オムツ替えて授乳してって、疲れるでしょ。
いくら昼間姫と一緒に寝てるって言っても、続けて寝てないから身体に負担がかかってると思うんだ。

数時間おきの細切れ睡眠なんてさ、疲れ、取れないと思うんだよね。
そういう疲れが痛みに影響してるのかもしれないからさ…今夜はゆっくり寝てよ。
後のことは僕に任せて。

僕?大丈夫。
元々夜更かしで睡眠時間短いし、毎晩君が僕を起こさないようにしっかり寝かせてくれてるからね、どうって事ないよ。
しかも明日から土日だから、仮に辛くなっても昼寝出来るしね。平気。


あ、飲み終わったかな。

よーし、姫。背中トントン!
(赤ちゃんを抱き上げて背中を叩いてゲップさせる)

よしよし、出た出た。

よかったねー。
ママのごはん、おいしかったねー。
お腹いっぱいでゴキゲンだねー。


そうだ、君、お風呂どうした?
まだ?
もし入れそうなら、今入って来たら?

勿論無理しなくていいよ…どうする?

行けそう?
じゃあ、温まっておいでよ。
もしかしたら身体が温まれば血行が良くなって、痛みが少し楽になるかもしれないからさ。

姫もまだでしょ?
今授乳終わったばかりだからさ、もう少し休ませて、君があがった後に僕がお風呂に入れるよ。
君はゆっくりのんびり、1人で入っておいで。

あ、でも少しでも気分悪くなりそうだったら、すぐ呼んでね。
助けに行くから。


それじゃ、いってらっしゃい。
(彼女のほっぺにキス)

はい、姫からも。
(赤ちゃんのほっぺをママのほっぺに軽く当てる)

「まま、いってらっしゃーい」
(赤ちゃんの片手を持って、優しくふりふりする)


どうぞ、ごゆっくり。
(もう一度、彼女のほっぺにキス)



【FIN】

Comments

There is no comment yet
Potentially sensitive contents will not be featured in the list.
Popular illust tags
Popular novel tags