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【1日公開】怪しいアカウントのX/note運用記録 -万博というモメンタム空間-

3日前です。

会期中は「3日前空き枠先着&当日登録の人」として発信していました。今は軽量化して3日前としています。万博閉幕が近づいた頃、「Xとnoteの運用を通して見たことや考えたこと、学びやTipsをまとめます」と投稿したのが、この記事の発端です。

会期中に公開していたnoteは会期終了に伴い非公開にしていましたが、参考のために再公開しています。

ここでは「X」と「note」という二つの場所で、万博期間中に私が何を見て、どう考え、どう動いていたのかを整理します。これは単なる「アカウントの伸ばし方」や「noteの売り方」の話ではありません。

あの期間、なぜ自分があれほど手を動かしていたのか。伸びていく数字の裏側にあった思考と感情を、丁寧に掘り起こしていきます。発信という営みは、数字や成果のためだけではなく、「自分の意志をどこまで丁寧に扱えるか」という訓練でもあります。その過程を自分としても改めて振り返り整理することに、執筆しながら意味を感じていました。

この記事は、以下の動機に基づいています。

  1. 情緒的な意図: ここまでお世話になったことを考えるにつけ、残せるものを残さねばと感じている。

  2. 実利的な意図(自身): 記事にすることで自分自身のSNS運用を振り返り整理し、汎用性のあるノウハウにしたい。

  3. 実利的な意図(他者): これを読んだ方の中に「覚醒」する人が出たら面白い。何かを始めるきっかけになるかもしれない。

  4. (本音): 勢いで「出す」と言ってしまった記事は、たとえ忘れられていようが出しておかないと気持ち悪い。

この先を読まれる場合は、上記の私の動機を念頭に置いて頂ければ幸いです。そうでないと「こいつは何でこんな話をしているんだ」「色々考えてやっていたのか、何様のつもりなのだ」と、気分を害するだけになる可能性があります。そうではなく「特殊な読み物だな」と笑っていただき、わざわざこんな記事を(ごくわずかな時間しか公開しないというのに)時間をかけて書いた意図を感じて頂ければと思います。

会期中に出したnoteへの反応を頂戴する中で、「情報や発信に最終的に価値を与えるのは受け取り手」だと痛感しました。私が想像もしていないような成果を出したり、予期せぬ感想を持たれる方がおられました。予想外の部分に注目し、価値を見出している方もおられました。

私がこれから執筆し、あなたが読んでいただくという一連の時間が何を生み出すか、あるいは何も生み出さないのか、予想もつきません。

「価値がある」と考える理由を補足しておきます。実感されることが多いと思いますが、デジタルな世界と物理現実の境界はますます意味をなさなくなっています。現代人は多くの時間をデジタル上で過ごし、情報収集や人間関係の構築まで行われます。「SNSアカウントというアバター的分身」が自身のブランドとなり、収益に繋がるような仕組みを作っている人も多いです。今や「デジタルもまた現実」と言ってよいのならば、 「デジタルに自分の分身を立てる」ことをよく考えてみる意義があるでしょう。

私のアカウントの概観

Xの立ち上げ

Twitter(現X)のアカウント立ち上げは2025年4月末で、3日前先着の開始と7日前抽選の締切を自動投稿するための、自分のためのお役立ちbotでした。情報収集や交流を含め、いかなるソーシャルな目的もありません。一ヶ月間はほとんどフォローされませんでしたが、インプレッションの増加から、万博自体の勢いの増加を感じていました。

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Googleスプシに全ての投稿を生成しておきました
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毎朝7:20ごろに自動投稿するスクリプト

予約研究の原点:「親孝行」

私が万博に行き始めたのは開幕2日目の14日からでしたが、当日登録のやり方を探りつつ、4/24のシャインハット開催の「徹子の部屋の公開収録」に親を連れていくべく、3日前先着についても研究を始めていました。

最初から私にとっての万博における一番の関心ごとは「親にどう楽しんでもらうか」でした。70年万博の思い出話を再三聞いていましたし、親が祖父母との昔の思い出を手繰るきっかけになると考えたからです。親孝行ベタで迷惑ばかりかけてきた私にとって、またとない「孝行チャンス」でした。万博は冠婚葬祭や旅行とも違う、際立った人生の1ページにできるという予感がしていました。

したがって、私が予約の研究していたモチベーションの大部分は親孝行(後に親戚孝行、祖父孝行)です。その気持ちがやがて転じて、他の来場者の人生を想像したり、同じように家族孝行をしようとしている方の力になれたら、という発信や交流の原動力になっていきました。閉幕後、引き続き「BAN騒動」について取り組んでいることも、そういった思いの延長線上にあります。

Xの本格運用開始

Xの運用を本格化させたのは、5月28日0時の三日前空き枠先着で「音道楽EXPO」という音楽番組の公開収録の予約に成功したタイミングです。私としては母親の推しのアーティストが出演することから、何としても取りたいイベントでした。

その時点で最も話題性がったイベントの一つですし(Xでかなり目立つトレンドになるほど「取れなかった」というツイートが流れていた)5/31はその時点で来場者数が最多でした。これが成功したことにより「どうやら3日前先着について、世間一般よりよくやっているらしい」ということが分かりました。

手始めに取得時のスクリーンショットと共に取得した旨のツイートをしてみました。かなり反応があったため、自分が持っているノウハウを箇条書きでまとめ「RTでDMする」という告知をしました。DMが追いつかない(複数回にわたり警告や軽い凍結に遭う)ほどの反応があったので、DMを送る作業のかたわら「完全版」としてnoteにまとめてみようと考えました。noteであれば都度更新ができますし、凍結のリスクはありません。

SNSとの付き合い方

当初私は「万博に関するXでの情報収集」は全く行なっていませんでした。先入観なしに万博を楽しみたかったですし、些細なネタバレすら避けたかったためです。他人はどうあれ、自分がどう感じるかが大事だというスタンスは初来場時から一貫していました。

Twitter(現X)自体は2010年頃から使用していましたが、近年のおすすめTL中心のUIやアルゴリズム(雑多な「情報もどき」が目に飛び込んできやすい)に辟易し、経済や国際情勢についてのニュースや、見識に信頼のおける発信者のアカウントだけを選択的にフォローしていました。(15年ほど株式、10年ほど仮想通貨を触っており、専らそのための情報収集だったのですが「自分は誰と競争しているのか」「自分が売った株を買うとしたらどんな人(や機関)なのか」という競争的な見方が癖づいていました。)

万博開幕前のXにおける批判的な言説の数々が思い出されるところですが、Xで飛び交う「意見」や「感想」のほとんどが自分の人生を充実させる上では必要ないでしょう。SNSはその性質(エコーチャンバーやフィルターバブルなどと呼ばれます)により自分の思考を濁らせ、偏らせますし、時間が溶けます。

私がSNSを運用する時は必ず何かしらの目的を伴っており、その目的に見合った程度の時間しか使わないように注意しています。SNSとの付き合い方(そもそも使うかどうかも含めて)には最新の注意を払っています。スマホの画面を見ている間に、大事なものが過ぎ去って行きます。

note:なぜ有料で出したのか

noteは有料で出すことにしました。この時点では深く考えた上での判断ではありません。「売れても売れなくてもどちらでもいいので、とりあえず出してみよう」と考えました。

ただノウハウの性質上、誰でもアクセス可能ではマズく、何らかの障壁に覆われている必要がありました。誰でもアクセス可能な情報に優位性もクソもありません。私自身も会期中は予約を取らないといけないのです。(競争優位性はパビリオン予約においてもnote販売においても大事ですが、もっと言えば私が尊敬する故・瀧本哲史氏が生前述べていた「競争優位性の持続可能性」こそが重要です。これは大学の教養課程の「起業」に関する授業で氏が口酸っぱく言っていたことで、常に念頭にあります。)

noteの内容等については後述しますが、需要を踏まえ「当日予約」についても同様の優位性が出ていると判断し、最初は追記という形で、後に独立した章として追加しました。

「有料」がもたらす価値

私はnoteの古参ユーザーだと思います。読みたい有料noteは有象無象を購入してきました。特に後藤氏のnoteは長年購読しています。情報も「モノ」と同様に価格がついても然るべきだと考えていますし「レストランの料理」のように食べてみるまで価値がわからない上、受け手によって価値が変わるところに面白みを感じています。発信者についての情報や口コミ、ファン層などから、「この自分にとって価値がありそうか」を判断するような選球眼も現代社会では必要だと感じています。

noteを購入することが「販売者との交流の起点」になることも長年の実感としてあります。販売者としては購入者に対して興味が生じますし、優先的に対応しなければいけない気持ちになります。「noteのあの内容について」という共通の文脈・土台になるので「話が早く」なります。noteを販売する、購入する、ということは「情報と金銭の交換」以上の意味や価値を持ちうるのです。

後になって「金額設定をして販売する」ことの公平性も感じました。「椅子取りゲーム」の攻略に関わる情報はその性質上「無制限の公開」をするわけにはいきません。

故に「無料で公開すればいいではないか」の類は的外れです。予約のノウハウの公開が「自分の首を絞める」リスクがありますし、そもそも、相応の労力がかかっています。

シンプルに有料公開してしまうことで「私と5回以上やりとりをした人に教える🐙」や「私に面白いリプライをした人をジャッジして鍵垢に通して上げます🐙」などの「贔屓」をする必要がありません。誰が情報を得るかの恣意的な選択を一切しなくて済むのです。

Xのアナリティクス

投稿数とフォロワー数
日毎のXの投稿数🟧(右軸)とフォロワー数🟦(左軸)の推移です。

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(再掲)日毎のXの投稿数とフォロワー数の推移

投稿数🟧が多い時期=私が頑張っている時期、ということです。noteを出した直後、5/29-6/10までは熱心に投稿しています。三日前先着が意識される深夜帯(23時-1時)に集中的にツイートしていました。結論として(当然と言えば当然ですが)投稿数が必ずしもフォロワー増加🟦に結びついているわけではなさそうです。

インプレッションとフォロワー数
日毎のXのインプレッション数🟧(右軸)とフォロワー数🟦(左軸)の推移です。

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(再掲)日毎のXのインプレッション数とフォロワー数の推移

会期が進むにつれインプレッション🟧が増加し、9月中旬ごろにピークとなりました。フォロー🟦の増加数はインプレッションと相関していそうですが、背後には「そもそも万博に強い関心を持つ人(関連アカウントをフォローする程に)の増加という共通要因」があるように思われます。

9月末からフォロワーの伸びは鈍化し、会期終了間際に減少に転じており、現在も順調に減り続けています。

閲覧者の属性
ツイートの閲覧者の属性分布は下のようになっています。年齢や性別の構成については解釈が難しいところです。「万博来場者の属性」×「Xユーザーの属性」×「私のツイートが目に入る(私のツイート内容とアルゴリズム的に近い関心がある)」というファクターによります。

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これは「閲覧者」のデータですが、「フォロー」「リポスト」「コメント」(総じて「エンゲージメント」)については、

・男性の割合が上昇
・全体的に年齢層が上昇

私は性別的にはニュートラルに、誰にでも刺さりうる投稿を心がけていましたが、私が男性である以上、男性からの反応に少し寄るのは頷けます。年齢層が少し上がるのは「世代によるエンゲージメント使用法の差」なのか「万博への強いコミットが出やすい年齢層」なのか「私のアカウントの怪しさが若年層をかなり弾いた」のかは分かりません。

Xの運用戦略

アカウント名は長く怪しく

開設当初は「【万博】先着開始/抽選締切日お知らせBOT」でしたが、最終的に「【万博】3日前空き枠先着&当日登録の人」という名前に落ち着きました。これには明確な戦略がありました。

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1.ひと目で何についてのアカウントか分かるようにした
「何について発信しているか」と「自分を際立たせる実績」をどちらもアカウント名に詰め込みました。X内で「万博」や「万博 先着」と検索している人が多いと踏み、関心を持ってくれそうな人の目に入りやすくしました。

プロフィールではなくアカウント名に全ての情報を入れることで、わざと無機質にしています。Xをキャラ化したり「中の人感」を強くすると、まずそのキャラクターを受け入れてもらう必要があります。noteを売っているという行動とキャラのギャップが離脱要因になりかねません。

ある意味で「露骨」にすることで、あまり予約等についての興味がない人はお引き取りいただくような「話の早さ」を狙っていました。その分、note内で自分の人となりについては説明していました。

圧倒的な強みは「実績」でした。相当な狭き門をくぐったことは確実ですし「パッと見の怪しさというハードルを超えうる」インパクトがあると考えていました。「何をいうか」「誰がいうか」はそれぞれに重要ですが、「何」の具体的な中身ははnoteの性質上、事前に開示することはできません。実績は「誰」に属しますが、

2.とにかく長い名前にする
これにより「私のアカウントに対する名指しの言及を避ける」意図がありました。「有料noteを売っている」ことはやり玉に挙げられうるため、「攻め(内容とウリを明確に)と守り(絡みづらい雰囲気)」のバランスを取っていました。

何においても「持続可能性」は重要です。極力穏便に過ごしたい。「ある程度誰のことかは分かるけど、イマイチ話のテーブルに乗せにくい、ツイートしにくい奴」でいたかったのです。「なんとお呼びしたらいいですか?」と尋ねられたことが10回はあると思いますが、実はそれが狙い通りでした。

「キャラクター名」や「人のニックネーム」のような名前も試しました。しかし、すぐに「キャラとの整合性」を考えねばならなくなり、結果として「投稿する手が止まる」という本末転倒な事態に陥りました。

では、いっそ「中の人」である「私」を強く投影したアカウントにするか。それも違いました。「閲覧者が興味があるのは私にではなく、万博や予約についてだろう」と考え、その選択肢も却下しました。

多少の信頼性を持たせるため「以前の職場」や「大学名」をプロフィールに記載した時期もありました。しかし、これは「むしろ嘘くさくて怪しく見える」という逆効果を生むと判断しました。

加えて、フォロワー数やインプレッションが増えるにつれ「特定されるリスク」も無視できなくなりました。私が誰であろうと知ったことではないでしょうし、叩かれようが特定されようが実害がなければ気にしません。ですが、万単位のフォロワー数になり、100万を超えるインプレッションが出始めると「想像もつかないほどやばいことを考えて実行する狂ったヤツ」が一定数混じっていると考えるべきです。

結局、この「なんとも言えない怪しさ」こそが、私にとっての最適解でした。 「どうせ怪しいのだから、自由にツイートしよう」と開き直ることができ、投稿しやすくなったのです。とてもよく手が動きました。

アカウント名は「周りからどう見られるか」も大事ですが、それ以上に「その名前だと自分の手が動きやすいか」で考えるといいと思います。最終的に、自分自身がその名前に一番影響されるのですから。

叩かれたタイミングと対処法

もちろん、批判的な目にさらされた時期もありました。

ケース1:3日前先着の「不正方法」が話題になった時(7月頃) URLの日付を変更することで開始前の予約画面に入れる、という抜け穴の存在が炎上しました。これ以降、万博Xでは「不正」というバズワードが流行します。誰かが上手く予約を取ると「あれは不正じゃないか」と。

noteはその性質上、中身を見せずに宣伝しないといけないため「不正でないことの証明」はほぼ不可能です。私としては何を言われようと相手にしなければ済むのですが、中長期的なアカウントの存続に差し支えては困ります。

対処法: このタイミングでXのプロフィール及びnoteの冒頭部分に「不正でないこと」をこれでもかと記載しました。

結果として、これが「私のnoteの信頼性や安心感を強く打ち出す」ことに繋がり、「自分のポジションをより確立する」ことになりました。不正騒動や「裏技だ」などの理不尽な言いがかりの対策をすることで、自分のポジションが磨かれていきました。「ピンチの中にチャンスあり」の一例です。

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「不正がないこと」を謳っていることで、私のnoteに興味や好感を持ってくださったと度々耳にすることがありました。すなわち、不正騒動や「裏技だ」などの理不尽な言いがかりの対策をすることで、自分のポジションが磨かれていきました。「ピンチの中にチャンスあり」の一例ではないかと思います。ここで私が実際に不正をしていたり、そうでなくてもプログラム的な物を導入していた場合、対処するのは難しかったと思います。

ケース2:「予約が難しくなった」段階で叩かれ始めた時(7月中旬〜8月) 会期が進み、人気パビリオンの予約が全く取れない時期が訪れます。このような時期に「予約のノウハウ発信者」として多少はやり玉に挙げられるのは予想がついていました。

「精神衛生」の問題でしかなく、単に目に入らなければいいので、Xの通知やミュート設定を早い段階から整えておきました。

  • ミュート設定: 「ちょっとやりすぎ」くらい大量のワードをミュートしました。

    • expokun / note / 有料 / 攻略法 / 裏技 / テクニック … など片っ端から。

    • (これは一部から強い共感を得つつ反感を買いうるのでボカしますが「ある2つのエモーティコン」もミュートしています。殆どの場合「含意が多く感じの悪いツイート」や「マウンティングツイート」で使われているためです。これが分かったらすごい。多分、今思い浮かんだそれです!)

  • 通知設定: 「私をフォローしていない人のアクションの通知は来ない」ようにしました。クソリプ(クソ引用リプ)の大半はフォロー外から来ます。これにより「実のない批判や中傷」「クソリプ/引用リプ」が目に入らなくなりました。

    • 「私に気づかれたかったらフォローしてね🐙」ということではありません。上記の意図に加え、通知が止まらず、そもそも全ての通知を確認することが現実的に無理でもありました。

    • 逆に言えば「フォローしてくれている人からのアクションには気がつけるようにする」ための施策でもあります。

上記のような対策により「自分に言及する投稿」は全く目に入らなくなりましたが(それまでも目に入ったのは一度きりでした)、7月末頃から「身近な方々による私が擁護してくれているような投稿」が何度か目に入りました。「どこかで私が叩かれている」ことがわかりましたが、予想していたことではありました。擁護してくださった方々には感謝です。

一方、どうやら叩かれれば叩かれるほど「そんなにすごいのか」とフォローしてもらうことが増えていたようです。SNS運用で一番悲しいのは「全く反応がなく見られない」ことです。誰かが私に言及する度に私のアカウントは伸びていたはずです。炎上商法の意図はありませんでしたが、それに近いことが起きていた瞬間もあったでしょう。

元USJの森岡氏も「SNSや口コミでいくら叩かれようがその前後で自分に変化は全くない、全く気にならない」とのことです。私も実害が無ければどうでもよく、叩かれていることがむしろ順調な証だと考えています。

Xになり「おすすめTL」中心のUIになったことで、雑多な「情報もどき」「お気持ち」「ヘイト」が目に飛び込んで来やすくなりました。一方でフィルター機能も充実しているので、できるだけ快適になるように設定を見直されてみることをおすすめします。伸びているツイートの多くは「気分が悪くなるもの」だったりします。わざわざ嫌な気分になる必要はないので、目に入らない工夫くらいはしてもいいと思います。

実際は有料販売に限らずクローズドな方法(鍵垢内やDM等)でノウハウを発信していた人が全般的に叩かれていたようです。私はTL滞在時間が短く、おすすめTLを眺めることをほぼしておらず、他アカウントとのやり取りも多い方ではありません。直接的な競合を除いて、万博アカウントをほぼ把握しておらず、誰が予約に関しての目立つ発信者だったのかは分かりません。

私より叩かれている人が出現

8月中旬から9月にかけて、何かしらで悪目立ちし、半ば炎上するアカウントが出現し始めました。「自動化」が注目され、BAN騒動が発生したタイミングと重なります。

私は「プログラム的なもの」から可能な限り距離を起き、投稿内容の上でも「万博をベタに楽しむこと」「万博システムの不備をメタにいじること」等々、万博アカウントらしい発信を中心にしていました。論争を横目に「万博アイス四天王」のような投稿を作っていました。

多くの騒動について多少は持論を持ちつつも「決着のつかないバズワード(「不正」等)」が中心にある論争には飛び込まないように注意していました。生産性のない議論ばかりでしたし、Xというのは「説得する対象」も明確ではなく、どうにも文章が読めていない人々も多いというのはよく言われています。

万博においては「自動化」は短絡的に「不正行為」と結びつけられることが多かったようです。実社会においては多くの場合「自動化=善」ですが、万博の予約は「椅子取りゲーム」です。規約の運用も非常に曖昧でした(故にBAN騒動が起きたとも言えます)。

狭義の不正を「規約違反」とし、広義の不正は「他の人が不公平感を感じること」とするならば、万博会期中のXにおいて不正と言われていたものは後者であったように思います。実際のところ、規約の運用は非常に曖昧でした(故にBAN騒動が起きたとも言えます)。故に万博サイトにおける「狭義の規約違反」が何なのかイマイチわかりにくい、ということが起きていました。

私自身は「この万博の面白さの一画を予約取得が占めている」と考えていましたし、今回の予約システムにおいては、プログラム的なものに対する「手動」の優位性を感じていました。規約違反によるアカウント凍結リスクも見越していたため、自分としても発信内容としても「プログラム」に触れてはいけないと見越していました。

何より「大屋根リングの下を歩いているその辺の来場者の方々にもできる手法」を磨きたかったのです。シンプルイズベストなのです。

投稿の型:「ベタ」「メタ」「ネタ」の探求

運用・発信スタイルは常に模索していました。Xの発信なくしてnoteが勝手に上手くいくものでもありません。

①6月頭(黎明期):深夜にnoteの直接的宣伝を数回行う
万博会期中は「0時過ぎ(=空き枠3日前先着の開始直後)に万博関連ツイートが爆増しインプレッションが増える」ことが見て取れたので、その勢いに乗じた宣伝ツイートをしていました。フォローはほとんどされません(増えても10人/日程度)この期間、noteは「まずまず」でした。

アカウントが「ひたすら怪しい」という事実は、初期戦略における最大の制約でした。

このアカウントで「万博グルメ」や「おすすめパビリオン」の話を始めたところで、誰に刺さるでしょうか。おそらく誰にも刺さらない。仮にそういった投稿が(何かの間違いで)伸びたとしても、それが本題であるnoteの流入や、アカウントのフォローに繋がるとは到底思えませんでした。

かといって、「体の良い(=真っ当な)アカウント」をゼロから作って育てる、という正攻法も選択できませんでした。なぜなら、情報には「鮮度」があるからです。

万博は会期が決まっています。競合の動向も未知数。そんな中で、悠長にアカウントの「信頼」を育てている時間はありませんでした。(蓋を開けてみれば私のノウハウは会期中ずっと使えるものでしたが、スタート時点でその保証はありませんでした。)

回りくどいことをしている暇は、一切なかったのです。

②6月中旬〜下旬(静観期)
noteにより成果を得られた方、内容に共感くださった方の中にとても積極的に宣伝をしてくださる方が表れ始めました。私のXに対してもnoteに対しても一定の流入が発生していたので「わざわざ私の怪しいアカウントで余計な発信はせず」ほぼ静観していました。20-30人/日 にフォローされ、この期間noteは「なかなか」でした。6月中旬に「当日登録だけについての廉価版記事」の需要を感じ、リリースしました。

第三者の口コミは非常に強力です。

③7月以降(積極投稿期)
7月に入る頃には1500人ほどにフォローされており、何か投稿したら反応をもらうことができる、投稿内容が良ければ伸びるようになりました。noteを別としても「Xを触るのが少し楽しくなってくる」段階です。アカウントも投稿も伸ばしたい、けれども悪目立ちしたくはない。そんなことを考えながら雑多な投稿をする中で、「自分の投稿の型」を探していました。

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(再掲)日毎のXの投稿数とフォロワー数の推移

途中「青バッジ」(アカウント名の横についている青カビのようなマーク)を取得しています。一番享受したメリットとしては「投稿の修正ができる」ということです。次点で「広告数が減る」です。

大して享受していないその他のメリットとしては「他人の投稿へのコメント時、青バッジユーザーのコメントは上位に表示され視認されやすい」「長文投稿が可能(ほぼ行っていない)」があります。

「青バッジ=収益化」というイメージが強いと思いますが、実際に収益を得るには大変なハードルである「500人の青バッジユーザーからフォローされている」を超える必要があります。青バッジユーザーの割合を考えると、目安では500人を達成するために2~3万人ほどにフォローされている必要があります。私は10月に入ったころに到達しており、「9500万インプ」に対して「373.81米ドル=約5.5万円」が振り込まれています。インプレッションによる収益を目当てにXをやる程の金額ではありません。

投稿方針:
【原則】閲覧者の万博体験に貢献する
どんな情報を求めているか、何が価値があるのかは人それぞれですが、できるだけ「来場者のあなたはどんな人?」と、想像力を持って投稿を作成していました。「到底手に入らない、口にすることが難しいものについては投稿しない」「万博体験がよくなるように、程々に期待値を高めたり背景情報を提供する」「パビリオン等の重要な部分についての写真等ネタバレにつながる投稿はしない(アトラス等ほぼ確実に周知されているものを除く)」などの原則を設定していました。こうしたことを意識しつつ「会期終盤はバズるグルメ投稿よりも混雑対策の方が価値があるはずだ」など、方針を柔軟に変えていきました。

万博会期中は何を投稿してもある程度伸びる状態でした。Xバブルと言ってもいいです。「パビリオン内部の写真を投稿し伸ばす」ことはある程度容易であるが故に誰にでもできることで、視覚的インパクトも出やすいので極力避けていました。自分なりの視点を(オンリーワンとは言わないまでも)足すことができるかどうか、これが万博コンテンツを発信する際の基本方針でした。

万博には様々な楽しみ方があるとはいえ、やはり多数の来場者にとってのメインディッシュはパビリオンです。これについてネタバレをするのは私としては避けたかったことです。

【原則】自分が興味を持たれていると勘違いしない
自分のことを閲覧者やフォロワーがよく知っている」という前提を極力排除し、単体で成立するような投稿を心がけました。私が興味を持たれているのではなく、あくまで「万博」や「予約」に関心があるのです。発信の上では自分の個性や視点を乗せることで価値が出ますし、それらは否応なしに滲み出るものではありますが、「私のあの投稿を読んでいる人には分かる」「私のプロフィールを読んでもらえると分かる」「私のことをずっと見ている人には分かる」といった、余計な文脈ありきにならないように気をつけていました。

自分のことを相手がよく知っているはず、興味を持ってくれているはず、と考えるなんておこがましいと考えています。例えば「皆さんはすでにお気づきでしょうが私は実は・・・」といった投稿はたまに見かけますが、そのアカウント自体はそんなに見られている気配がない、ということがありました。

一方で、ある種の内輪感、「例のアレ」のような文脈を共有することで交流が深まることもあります。「界隈」の形成であり、特定の人物ありきの場合は「ファン化」だったりします。また、本人のキャラや認知度次第では「俺のことはよく知っているだろうけど…」という語りが成立します。

万博の勢いで多少伸びただけの私は、自分の立ち位置やその都度の身の丈を考えつつ発信をしようと考えていました。やるべきは「呟き」ではなく「投稿」でした。

【原則】「ベタ」「メタ」「ネタ」を混ぜる
「そもそもホラー映画というジャンルは…」(メタ)と話し出す前に、まずは「今まさに観た『リング』の感想」(ベタ)を話すべきでしょう。「叫び声がわざとらしかった」(ネタ)など笑えるポイントもあるでしょう。

ベタ(実際/実利):「来場者としての真っ当な投稿」であり「万博情報」を含むような投稿。アカウントの勢いの原動力です。「投稿はまともだけどアカウントは胡散臭い」というバランスを自分では楽しんでいました。

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メタ(視点):「万博についての投稿」や「来場者である我々についての投稿」です。「予約システム」や「整理券配布」についての不満や批判、「アカウント凍結騒動」について、あるいはポエムのような思想性のあるものです。連投すると重くなるので注意していましたが、万博については「来場することの意味」「万博自体の意義」など、語り尽くせない程の話題がありました。「それはそれ、これはこれ」ですので、システムや協会に対する批判を混ぜつつも深追いせず、次の瞬間には「グルメツイート」に切り替えるようなバランスを取っていました。

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システムを叩くフリをしながらモンスターを叩く投稿
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もちろん皮肉です

ネタ(共感):万博では普段目にすることのない「とんでもない事態」が噴出していました。背後には「予測の甘さ」や「システムの不備」あるいは「どうしようもない集団心理からくる現場のゴタゴタ」があるわけですが、それを「一刀両断」するよりむしろ「ネタにして笑う」ことが必要ではないかと考えました。「静けさの森ではなく迷いの森」「日傘が多い」「東ゲートの前何であんなに歩かされるんだ」など、ストレスを伴いつつも笑ってしまうような事象が多かったのも万博の楽しさでした。

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 「ケベックアラート」で検索したところ、何人か使ってくださっていてウケました
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ネタがウケるには「一抹の共感」が生まれるからかもしれません。

万博期間中の私のインプレッション上位投稿が上位の「ベタメタネタ」との対応がわかりやすく、具体的な投稿タイプが綺麗に出ています。

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🟦:グルメ系投稿(ベタ)
アカウントの本格稼働(手動)の当初から模索し始めた型でした。「フード」「スイーツ」「アイス」それぞれに「四天王」と勝手に認定し、良いと思ったものを投稿していました。「万博で食べる意味があること(味、価格、珍しさなど)」「投稿を見て気になった人がアクセスしやすいこと」を意識していました。万博は人によっては何度も来れるものではないですし、入手難易度が非常に高いものがバズっても仕方がないわけです。「食べてガッカリ」や「入手できなくてガッカリ」が極力起こらないように配慮し、投稿対象を取捨選択していました。「高いだけでおいしくない」「特筆すべき点がない」ことで投稿しなかったものもあります。この種の投稿はブックマークやRTに引っ張られて伸びました。

皆さんの万博体験が良いものになること、余計なガッカリや後悔を生まないことは常に最重要でした。私の投稿をきっかけに動いてもらい、「本当によかった」「おいしかった」と感じてもらいたかったのです。「手に入りにくいもの」「もう手に入らないもの」を発信しているだけでは、ただの自慢でしかありません。

良いと感じたものについて、何が「良い」のかを丁寧に言葉にしていくのは楽しいもので、「作品なら制作者」「料理なら調理者」の苦心に光を当てる過程のようにも感じます。投稿作成は私の万博体験を補完するものでもありました。

🟨:批判的/感情的投稿(メタ/ネタ)
批判や文句系のほとんどは感情的な動機で投稿していましたが、不満やトラブルについては共感を呼ぶものも多かったようです。顕在化させるべき事案(「執拗な早朝の整理券配布」「人が殺到して危ない現場」「9時入場してもそれより早く並んでいる謎の人たち」など)について不満を吐き出すキッカケを作るという点では一定の意味があったように思います。眼の前のトラブルや理不尽をネタにする(あるいは冷笑する)ようなニュアンスもあります。この種の投稿はコメントや引用RTに引っ張られて伸びました。

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こんなのが一番伸びました。皆気になっていたのでしょう。

🟪:皆の知恵/スレッド的投稿(ベタ/メタ)
終盤で最も重要だったのがこのタイプの投稿です。何もかもが大行列で途方に暮れることが多い時期であり、シルバーウィーク前後のこの時期に初来場予定の方は不安が大きかったように思います。「行ったけど何もできなかった」という感想が目に入るようになってきた時期でもあります。私が何もかも知り尽くしているわけでもないですし、皆さんの経験や知見を結集すべきだと考えました。万博の面白さに「隅から隅まで光を当てる時である」とも考えました。

最終盤の混雑環境において新たなグルメ情報がバズったとしても「結局行けなかった」などと悔しさに繋がるだけです。それよりは「混雑時に取れる行動の手札をたくさん渡しておくこと」「来場前の不安や疑問を解消しておくこと」こそが重要だと考えました。回答には私以外の有識者の方々に大いに助けていただき、実りの多い投稿になったように思います。

「スレッド的」というのは「多くの人がコメントして盛り上がり、情報が集約されて当該投稿やアカウントの価値が上がる」状態という意味で使っています。コメントを頂くほど投稿価値が上昇し、ブックマークやRTをしてもらう→更に露出が増えコメントが集まり→…という好循環になっています。投稿後の初動で勢いがついてしまえばとても伸びるタイプの投稿です。ブックマークを中心にコメントRTにバランスよく引っ張られて伸びました。

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9月中旬の重要投稿であり、感謝された投稿の1つです
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こういうトーンの投稿をしている時、もう片方の手には酒を持っています

どんな投稿が伸びるのか

「バズ」は概ねコントロールが不可能です。ただ、自分の経験と観察で見えたパターンを共有します。

①「絵的な瞬殺力」がある投稿
目を引く、パッと見で面白い、勢いがあるツイート。内容面や視覚的なインパクトで「こちらが一瞬で持っていかれる」ものです。「絵的な瞬殺力」は全てのSNSや広告の運用で必須でしょう。

ナウルのアカウントはまさにこれです。ニュース性があるのかよく分からない【速報】や重大なのかよくわからない【重大発表】などゴリゴリで、勢いを感じます。

「ネタかマジか」分からないツイートも多く、継続して注意を惹くことができており、その勢いのまま「マジ度の高いツイート」もスッと受容されているという(勝手な)見立てです。

「到着したよ!」ではないのです。「【速報】到着」なのです。
一瞬でちょっと面白く、世界観があります。

歩行型ナウルくんの視覚的なインパクトは凄まじいものがあります。

②現に伸びている型やパターンを取り入れた投稿
Xでよく見かける「ミーム(模倣/改変されながら広がっていく現象やパターン)」を取り入れると、「読みやすく、なんとなく面白さが水増しされる」ため伸びやすくなります。

(例)いいかい学生さん
→『美味しんぼ』の漫画が元ネタであり、これを基にしたツイートは過去山程作成されています。目新しさはないですが息が長く、故に使いやすいです。

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『美味しんぼ』11巻「トンカツ慕情」より
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(右について)使い古されたミームなので、敢えて期待を裏切って変則技に

ミームを採用する何よりの利点は「投稿の文章を考えるのが楽になる」ことです。上の例では(この不二家のアイスは万博にしては安くて美味しい、暑い今の時期にピッタリだ→「いいかい学生さん」で投稿してしまおう)と考えました。

(例)「(え、/ ちょっと)待って」
序盤に「アテンションゲッター(注意を惹く感嘆詞等)」を入れておくと読まれやすいです。これはミームとは違いますが「そういうもの」なのです。

個人的には「美容系アカウント」が多用しているイメージで好きではなく、自分の雰囲気にも合わないので、ちょっと変えて使っていました。

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「〜していてやばい」ではなく、「やばい(→何が?)」と冒頭に持ってくる

③Xのアルゴリズムに愛される投稿
「イーロンのX」になり「おすすめTL至上主義」になりました。多くのユーザーの時間が、Xを開くとまず表示されるおすすめTLに費やされているはずです。

フォローの意味はだいぶ希薄された印象です。フォローすることで「おすすめTL」にも表示されやすくなるため、依然として用途はあります。それでも誰をフォローしているかがそんなに関係ないような状態な気がします。個人的には「あなたをフォローしています」のシグナリング程度の意味合いしか感じていません。「DMを通すためにフォローする」などの機能的用途もあります。

伸びた投稿は「コメント」「ブックマーク」「(引用)RT」のいずれかが駆動力になっていました。(世の中の伸びているツイートを見ていただくと、どれかを極端に誘発するような投稿になっており、現にいずれかで高い数値が出ているはずです。)

コメント駆動: 意外なコツは「コメントに対して返信をすること」です。これによりその投稿はさらに加点されます。中小インフルエンサーが「特に反応したくなるわけでもないコメントへのやる気のない返信」を意図的にやっているのはこのためです。

ブックマーク駆動: 「後で見返したい」「繰り返しみたい」要素を含むもの。情報系ツイートなど。もしあなたがブックマークしている投稿があれば、それらがまさに「ブックマークされやすい投稿」となるでしょう。

RT駆動について:狙うことが非常に難しいです。RTは「良かったから拡散」「実質自分が見返すためのブックマーク的な意味」など動機が様々ですし、狙って誘発することが難しいです。引用RTは大方「元ツイートをベースに更に自分が発信したくなった」「ひとこと言いたくなった」ということですので、炎上気味な大拡散につながることもあります。(単に自分が叩かれているだけの「クソ引用リプ」パターンもあります。先述の通り「自分をフォローしていない人からの通知は来ない」ようにしていましたが、特に引用RTについては一度も見たことがありません。

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最も伸びたのは引用RT駆動で炎上気味に伸びたこの投稿でした。どんな引用がついていたかは知りません。

私は情報系ツイートが多かったので、一番よく見ていたのは「ブックマーク数(率)」でした。100インプレッションの段階で5程度のブックマークがついていれば20-40万インプはほぼ確定でした。逆に200インプに対してブクマ0だったりした場合、その投稿を取り下げてボツにしたり、表現を変えて再投稿していました。

投稿が伸びた結果、ブクマ/インプ割合は下がりながら最終的に1-2.5%に落ち着くのが「順調」なパターンでした。逆に言えば1000インプ程度の段階でそのくらいの「収束地点」レベルの割合になっていた場合、ほぼ失敗と考えていました。インプ増加に応じて基本的にブクマ率は下がりますので(それでも10万インプ程度は出るのですが)。

2-5%程度のブクマ率を保ちながら伸びた場合、5000-10000インプあたりで(30分などの投稿後の時間経過かもしれません)X内部の「アルゴリズム的なスイッチ」が入り、指数関数的に伸びていきます。

もはや途中から【ブクマ推奨】と付けていましたし、「ブックマークしていただくと伸びますので」とネタバラシ宣言をしたこともあります。

投稿はある程度狙って伸ばすことができるのですが、昨今のXでフォロワーを増やすことは鬼のように難しいです。時間をかけていくつも投稿して、やっと100単位で増えるかどうか、というところです。1000万バズツイしたところで大きなフォロワー増加に結びつくわけではありません。先述のように「おすすめTL主義」によってフォローの意味合いが低下していますし、供給側である発信者、インフルエンサー(もどき)が多すぎます。Xのアクティブユーザー全体が認識、処理できる投稿数や追いかけられるアカウント数には限界があります。

フォロワーが多ければいいかと言えば、必ずしもそうではありません(ここまで私は、フォロワー増の楽しさを滲ませつつも、「フォロワー増加を目指すべし」とは一言もお伝えしていないはずです)。

結局、然るべき相手に投稿が届いているか、価値が提供されているかを、自分の目的やXでの発信動機に照らして考える必要があるでしょう。

noteの運用戦略

私が「手動」にこだわった理由

私は事業でも投資でも、自身のポジションについては徹底的に考えます。その上で「競争優位性の持続可能性」の見通しが最も強く立つポジションを選択します。

まず、3日前先着および当日登録について、一貫して「どんな定義であろうが『不正』にはなりようがない方法」「プログラムやURL改変等に踏み込まず、通常操作の範囲内で全て完結されていること」を前提としました。(そもそも自分がこの方法で取っていたというのもあり、私自身が色々手を出す動機は無かったのですが)

この「手動」ポジションの「競争優位性の持続可能性」は、以下によって担保されていました。

・誰もができる再現性
準備が不要で習得しやすい。何をやっているかわかりやすいので、購入者各自で更に考えたり工夫、習熟する余地がある。一部のコアな層だけでなく、広く受け入れられる。

全うゆえにリスクがない
サイトの仕様変更に強く、規約に引っかかりアカウントが凍結されたり、怒られることがない。これは、私自身が予約取り続ける上も、購入者の体験を守る上でも最重要でした。noteを取り下げたり大幅に修正する必要が生じにくいことを意味しました。

・地味ゆえに新規参入が難しい
プログラムのようなキャッチーさもなければ、140字で完結に説明しきれるものでもありません。「真っ当な王道」に「考え方」「小技」を合わせて「一本」を狙うようなものです。十分に数字や口コミ等で実績が証明された王道はなかなか崩せるものではありません。

当時、競合が2名ほど存在し、4,000円から10,000円程度の価格帯でnote販売していました。彼らの方法は、プログラム操作や一部「グレー」な部分に踏み込んでいるであろうことが見て取れました。この「リスクと複雑さ」を抱えた競合のポジションから価格の上でも手法の上でも徹底的に距離を取りました。

会期が進むにつれて、ITの知見を持つ人達が何人かnoteを出していましたが、端から違いが見えにくいため、お互いの差別化は難しかったと思われます。プログラムを使わないポジションは最後までユニークで、直接的な競合は表れませんでした。

思考の裏側:「チェックメイトの盤面」からの逆算
私がコンテンツ制作や戦略を考える上で癖にしているのが、元USJのマーケターである森岡毅氏の言葉にある「チェックメイトの盤面から考える」ことです。「予約が取れるとはどういう状況か」をまず設定し、そこに到達するための最短かつ最も安全な手(通常操作の範囲内での最適化)を逆算して導き出しました。回りくどいことを一切せず、これより速いものが中々考えづらい、「地味で最強」な方法が生まれたのはこのためです。

価格設定の(戦略的/道理的)妥当性

「万博」という人生に何度もない機会での予約は、プライスレスな価値を感じる人も多いでしょう。「いくらでも出す」という人がいるため、販売者は「いくらに設定してもいい」という思考になりかねません。

しかし、私の中で「せいぜいこの価格帯を超えてはいけない」というラインがありました。私は、価格についてディズニーランドの雑誌(攻略法の要素を含む)の価格帯を参考にしました。

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  • 価格帯の決定:

    • 「先着+当日」のセットで2480円→1480円(固定ツイートのRTで割引)「当日登録のみ」の記事は980円

  • 戦略的な意図:

    • 競合が4,000円以上の高価格帯で「リスクのあるプログラム」を提供しているのに対し、私は比較的低単価で「安全かつ再現性の高い手動ノウハウ」を提供することで、明確なポジションの差別化を図りました。

    • これ以上価格を上げてしまうと、私が目指す「広く受け入れられる普遍的な方法」というポジションの差別化が十分にできないと考え、最後まで値上げはしませんでした。

この価格設定は、ノウハウを「一部のコアな層向け」ではなく、「万博を楽しむための必須の攻略本」という立ち位置に置くという、私のコンテンツ哲学に基づいています。

提供価値を考える

どんな手法を使おうが「成功を保証する」ものではありません。万博の予約は「椅子」の数が決まっているのです。

私のnoteの提供価値は以下の2つでした。
そのままでは(自己流の方法やシステムの不理解ゆえに)予約ができる可能性が無かったであろう多くの人を予約射程圏内に連れて行くこと。
予約のバッティングフォームを矯正し、知るべきテクニックは知ることで打率を上げること。

会期が進むにつれて「初来場者」と「予約玄人」の差は開く一方であると予想していました。「一見さん」にはかなり厳しいシステムです。かといって「リピーター」が予約を取ることが上手いわけではないことも、会場での観察や漏れ聞こえる会話、Xでの「予約が取れない」という不満の投稿を見る中でよくわかっていました。

私は「Xでの流行やバズ」を常に冷ややかに見ており、「皆が使っているツールや手法」をどうやって上回るかに注力してきました。

「確実に予約が取れる方法」は存在し得ません。Xやnote内で繰り返し述べてきたことですが「確実に成功する」方法ゆえに「ほぼ取れない」という逆転現象が起きます。

(note本文より)万博と、いわゆる「確実に取れる系ツール」は、実は非常に相性が悪いんです。なぜかというと、万博の予約は本質的に“椅子取りゲーム”であり「みんなが取れる」ものではないから。X(旧Twitter)などで話題になる「予約が取りやすいツールやサービス」は、一見便利に見えますし、見栄えもいい。でも、“バズった時点で終わってる”んですよね。「確実に取れる方法」こそ「取れないことがほぼ確実」という逆転現象が起きます。(確実に儲かる株やビジネスのことを考えてください。)

こういった根拠とする思考や戦略部分を多く記載していましたので、「読み物として面白かった」「予約を諦めていたけどもう一度予約にチャレンジしてみようと思った」「元気が出た」というような感想も多くいただきました。予期せぬ価値が生じていました。

宣伝と動線

最初期(認知獲得期): 宣伝投稿を「23時から1時の間」に複数回実行。
実行内容 アカウント開設初期、宣伝投稿を「23時から1時の間」に複数回実行。

8月中盤まで: 伸びた投稿にコメントとしてnoteのリンクをぶら下げていました。(これはかなりワザとらしいため、開き直りと勢いが必要でした。)

8月中盤以降: Xのアカウント自体が伸び続け、フォロワーが1万に到達したため、積極宣伝は停止。「やりすぎ」「悪目立ち」になると考えました。投稿頂いた口コミに気づいた際はRTしていました。

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万博自体の勢いに支えられつつ、顕著に伸びる時期がありました(口コミがバズる、夏パス終了前、シルバーウィーク前)

固定ツイートは最重要で、最後までプロフィールにぶら下げ続けました。サムネイルの視覚的インパクトも出ますし、わかりやすい動線は重要です。プロフィールのリンク欄にURLを貼るよりも効果が出ていたはずです。

まとめ

モメンタム空間という現象

人々の熱狂や強烈な関心が集まっている所で、適切にポジショニングを持ち、適切に発信し、お好みであれば適切なプロダクトを持っていれば面白いことが起きる。

ここで述べている「モメンタム空間」(勝手にそう呼んでいます)とは、単に「人が集まっている場所」や「話題になっている領域」という以上の意味を持ちます。

それは、人々の熱狂的な期待、強烈な関心、そして行動のエネルギー(モメンタム)が集中し、加速している領域を指します。万博という閉じた会期の中で言えば、予約や来場という限られた資源をめぐる競争と情報交換の場が、まさにこの空間となっていました。

この空間で活動することの最大の利点は、労力に対するレバレッジ(てこの原理)が最大化されることです。モメンタム空間の裏側には、必ず以下の要素が存在します。

①解決すべき「課題」: 熱狂が集中するがゆえに生まれる、「予約が取れない」「情報が錯綜している」といった明確なボトルネック。
「非対称性」の機会: 課題に対する解決策(ノウハウやプロダクト)を持っていれば、そこにポジショニングすることで、通常の何倍もの反応と結果を生み出すことができます。

予約という戦場における競合理解

予約競争の本質は、常に「固定された機会を争奪する椅子取りゲーム」でした。

万博界隈はバズの「足が速く」、自分が知った情報は数日後には競合、あるいは多くの来場者が知るという前提で動かなければなりません。したがって、取るべき戦略は、短期的な優位性ではなく、持続的な優位性を確保することに尽きます。

競合理解: 周りの動きを観察すれば、多くの人がどんな方法を使っているかは見えてきます。そこから、プログラムやグレーゾーンに踏み込んだ手法の「限界」と「リスク」を逆算しました。その上で、**「それらの方法を上回るためには何が必要か」**を考えれば、取るべき戦略(=リスクがなく、誰もができる範囲での最適化)は、自ずと定まっていったのです。

noteという市場における持続可能性

note販売という競争においても、最も重要な課題は「どのポジションが最も長く生き残り、競争優位性を維持できるのか」という持続可能性の確保でした。それは自身の強みと結びついている必要があり、それは私の場合は確立したノウハウでした。

競合が「高価格帯」かつ「高リスク」の手法を選ぶ中で、私は価格設定も含め検討を重ね、「安全」で「普遍的」な手動ノウハウという「王道ゆえにユニーク」な場所を選びました。これは、長期的な安心感があり、広く受け入れられやすいという明確な優位性をもたらしました。

Xという場所との付き合い方

は非常に便利なツールであると同時に、私たちの時間が容易に溶ける場所でもあります。「情報収集をした気になってしまう」罠や、自分の思考を増幅・偏重させる「エコーチャンバー」「フィルターバブル」といった構造的な落とし穴があることを、常に認識すべきです。

最後に

ここまでお読みくださり本当にありがとうございます。この記事を書いてみて率直なところを書いてみます。

このnoteを書くのが難しかった理由

この記事は、私の万博TipsやX運用と同じくらい、あるいはそれ以上に、書くのが困難でした。

理由1: 対象読者の曖昧さ
読者の皆様が、私のことを認識している万博来場者であることは間違いありません。しかし、「万博攻略」という枠を超えて、「Xとnoteの運用論」という、ある意味裏側を語る記事が、誰の心にどう刺さるのか、予想は尽きませんでした。「こういう人が読んでくれるのでは」という想像をしつつ、構成や論点整理に時間を費やしました。

理由2:  線引きの難しさ
書けば書くほど私としては楽しく、記事の分量は膨らむばかりです。たくさん書けば「何かが刺さる」確率は上がるでしょうが、読み手の労力や時間のことも考えねばなりません。

さらに、noteを購入者を含む方々に向けて、「Xを伸ばし、noteを売る話」をするという構造上、限定とはいえ公開する以上「書いてはいけない内容」の線引きがとても難しかったです。皆様への敬意と配慮を欠くわけにはいきません。結局、私の発信を受け取る方の「万博体験」に思いを馳せながら発信していました。

結局のところ多くは後付けです。感覚的にやっていたことを整理したらこうなる、言語化したらこうなる、というだけです。万博期間中はただ無我夢中で、必死でした。

「こいつはそんなことを考えながらXをやっていたのか」とドン引きされうるという大きなデメリットがありつつも、この記事を書いたのは、この思考プロセスを「面白い」と感じてくれる誰かが、どこかにいることを期待したためです。


このnoteを読まれた感想やご質問があれば、XのDMにてお寄せください。相談事でも何でも。何か面白いと感じられる部分があったか、ピンと来たか、何か自分の心境や行動に変化をもたらすようなスイッチが入ったか…

ありがごうございました


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