厚労省が生活保護の全額補償見送り方針 最高裁判決受けた対応で

厚生労働省=東京都千代田区
厚生労働省=東京都千代田区

厚生労働省は、生活保護費の平成25~27年の引き下げを違法とした最高裁判決への対応で、当時の減額分の追加支給について、全額ではなく一部にとどめる方向で調整に入った。当時の一般低所得世帯の消費実態を踏まえると、全額支給は難しいと判断した。原告側は全額補償を求めており、反発が出るのは必至だ。関係者が6日、明らかにした。

厚労省は20年のリーマン・ショック以降に物価が下落していたなどとして、食費や光熱費などの「生活扶助」の基準を25~27年にかけて平均6・5%引き下げた。当時の受給者は約200万人。問題の基準は30年に改定されるまで使われたため、減額は累計で数千億円規模になるとみられる。

厚労省は今年8月以降、行政法などの識者による専門委員会で対応を協議してきた。近く取りまとめ議論に入る。同省は今後、具体的な水準や対象など詳細を詰める。

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