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ご当地アイドルグループの元祖は名古屋? 35年前に結成された「しろとりセブン」博覧会の期間限定ユニットだったが…閉幕後も活動【企画・NAGOYA発】

2024年6月1日 08時00分

◇第29回「ご当地アイドルグループの元祖は名古屋?」その1
 全国津々浦々でご当地アイドルグループが活躍中だ。名古屋を中心とする愛知県も『SKE48』を筆頭に多くのグループが存在し、活動が盛んな地域としても知られる。ご当地アイドルのブームは2000年代半ばごろからわき起こり、ソロを含めて全国に約3000組が存在するとされる。その先駆けとなったグループとは…。最有力なのが1989年から足掛け3年にわたって名古屋で活動した伝説の男性アイドルグループだ。(鶴田真也)

世界デザイン博覧会の期間限定ユニットとして決定された「しろとりセブン」(鉄崎幹人さん提供)


 名古屋は全国的にもご当地アイドルグループの活動が盛んだ。
 AKB48の姉妹グループとして2008年に誕生した『SKE48』のほか、10年に『OS☆U』と男性グループ『BOYS AND MEN』が結成され、11年の『チームしゃちほこ』(現TEAM SHACHI)。12年の『dela』など次々と登場した。
 日本ご当地アイドル活性協会によると、ご当地アイドルの定義は
(1)その地域に住んで活動していること
(2)オリジナル曲を持っていること
(3)地域を活性化しようとしていること
―としている。
 地域に根差すアイドルがブームになったのは2000年代半ばごろからといわれ、東京都を除く46道府県のご当地アイドルの数は今年4月13日時点で2465組という。
 では、全国のご当地アイドルその元祖とされるグループはどれか。これには諸説ある。1995年に徳島県で結成された『ココナッツ』ともいわれている。ただし、本紙の取材では、それよりも前にご当地アイドルグループと呼べるグループは確実にいた。
 まずはアイドルという言葉がいつから定着したのか。一説には1964年公開のフランス映画『アイドルを探せ』からと言われ、それまでは「スター」という言葉が一般的だった。
 女性アイドル研究家の北川昌弘さんは「私の認識としては昭和のアイドルは70~80年代。それ以前は”映画スター”の時代。カラーテレビの普及と経済成長、核家族化などで、ある程度、小・中・高生がお小遣いをもらえるようになることによって就労前の若者がターゲットのアイドルが成立した」と解説した。

世界デザイン博白鳥会場


 地方で活動するアイドルグループは95年以前にも存在した。90年代前半には安室奈美恵やMAXも在籍した男女混成ユニット『スーパーモンキーズスペシャル』が沖縄で活動。もともとタレント養成学校の沖縄アクターズスクールを母体とするグループだった。女優の篠原涼子らも所属した東京パフォーマンスドールの姉妹グループで93年に大阪で結成された『大阪パフォーマンスドール』もご当地アイドルグループの源流とみなすことができようか。
 中でも先駆けと位置付けられる伝説のグループが名古屋で活動していた。それが男性ユニットの『しろとりセブン』だ。
89年7~11月に名古屋市で開催された「世界デザイン博覧会」の期間限定ユニットとして結成された。「しろとり」とは博覧会の会場の一つがあった名古屋市熱田区の白鳥公園に由来している。6人組だが、セブンと名乗っているのは白鳥会場のマスコットキャラクター「バードボーイ」を加えているためだ。博覧会閉幕後は『セブン』の名義で91年まで活動した。
 デビュー曲「愛の戦士」などを発表したほか、活動中には唯一のアルバム『心はNOBODY』を発売。日本ご当地アイドル活性協会の金子正男代表も「しろとりセブンはアルバムも発売しているし、活動は名古屋に限定している。ご当地アイドルグループの先駆けと定義して問題ない」と太鼓判を押した。
 しろとりセブンの元メンバーで東海地方を地盤にタレント活動を続ける鉄崎幹人さん(60)は「自分たちがアイドルを名乗るのはおこがましくてね。でも、ファンクラブの女の子が1500人ぐらい突破して、周りからも”名古屋発アイドル”みたいに言われた」と話す。
 1980年代後半はアイドル冬の時代とも呼ばれているが、『光GENJI』『CHA―CHA』といった男性アイドルグループが次々と登場し、現在のように大人数で活動する萌芽(ほうが)が生まれだした時代でもあった。
 同じ時期に地域限定で活動した「しろとりセブン」は名古屋にご当地アイドルグループの文化を植え付けるスイッチにもなったといえる。
  ◇  ◇  ◇
 ○…1970年代にご当地アイドルグループのような存在はいなかったのか。
70年代に沖縄出身のきょうだいによる5人組ユニット『フィンガー5』が有名だが、結成は上京してからだった。
 大阪ではシングル曲『大阪ラプソディー』が大ヒットした『海原千里・万里』の漫才コンビが人気を集めた。千里はコンビ解散後、上沼恵美子として芸能界に復帰した。
 また、毎日放送の公開番組『ヤングおー!おー!』の中で、落語家の月亭八方、桂文珍、桂きん枝(現・四代桂小文枝)、四代目林家小染からなるユニット『ザ・パンダ』が誕生し、シングルレコードもリリースされた。それ以前から姉妹音曲漫才トリオ『かしまし娘』が活躍していたが、海原千里・万理を含めてあくまで演芸の延長線上にあった活動と考えられる。

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