大相撲「舞鶴場所」でのあいさつ中に昏倒したが、無事に退院して花束を受け取る多々見良三・元舞鶴市長
大相撲「舞鶴場所」でのあいさつ中に昏倒したが、無事に退院して花束を受け取る多々見良三・元舞鶴市長

高市首相は表彰式にすら参加しない?

 横野氏によると、昨今の大相撲では、しきたりを守りつつも時代の流れに対応しようとする工夫が見られるという。かつて引退力士の断髪式で女性がまげを切り落とすことは許されなかったが、今は力士が土俵を下り、母親をはじめとする家族や相撲部屋のおかみさん、お世話になった後援者の女性などにはさみを入れてもらうケースもある。

 日本相撲協会に、女人禁制を守り続ける理由や、高市首相から土俵上で内閣総理大臣杯を授与したい要望があった場合の対応などについて取材を申し込むと、「日本相撲協会は、大相撲の伝統文化を継承していく所存です」と文書で回答があった。やはり協会としては、土俵に女性を上げることは超えてはならぬ一線と考えているようだ。

 横野氏は、高市首相は土俵に上がらないどころか、そもそも表彰式に姿を現さないのではないかとみている。実は内閣総理大臣杯は、公務で忙しい首相に代わり官房長官などが授与するケースが一般的だ。高市首相に自身のアピールなどの狙いがない限り、欠席する可能性は十分考えられるという。

「多忙な首相がわざわざ式に来るとは思えませんし、杯の授与をめぐって国民の間に論争を巻き起こしかねない以上、不用意な参加はしない気がします。ただ、参加しなければしないで、『協会への忖度だ』と批判される可能性もあるので、そこは難しい判断になるでしょう」

 高市首相は大相撲の舞台でも“前例”を打破するのか否か――。

(AERA編集部・大谷百合絵)

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