大相撲「宝塚場所」において土俵の下であいさつをする中川智子・元宝塚市長
大相撲「宝塚場所」において土俵の下であいさつをする中川智子・元宝塚市長

「けっして女性差別ではありません」

 土俵における「女人禁制」について社会的に議論が再燃する中、18年4月28日、協会の八角理事長は次のような談話を発表した。

「(女性を土俵に上げない理由として、)歴代の理事長や理事は、だいたい次の3つの理由を挙げてきました。第一に相撲はもともと神事を起源としていること、第二に大相撲の伝統文化を守りたいこと、第三に大相撲の土俵は力士らにとっては男が上がる神聖な戦いの場、鍛錬の場であること、の3つです。第一の『神事』という言葉は神道を思い起こさせます。そのため、『協会は女性を不浄とみていた神道の昔の考え方を女人禁制の根拠としている』といった解釈が語られることがありますが、これは誤解であります」

「昭和53年5月に、当時の労働省の森山真弓・婦人少年局長からこの問題について尋ねられた伊勢ノ海理事(柏戸)は、『けっして女性差別ではありません。そう受け取られているとしたら大変な誤解です。土俵は力士にとって神聖な闘いの場、鍛錬の場。力士は裸にまわしを締めて土俵に上がる。そういう大相撲の力士には男しかなれない。大相撲の土俵には男しか上がることがなかった。そうした大相撲の伝統を守りたいのです』と説明いたしました」

 いまだ「女人禁制」が続く現状について、角界に詳しい識者はどうみているのか。取材歴約40年の相撲ジャーナリスト・横野レイコ氏はこう語る。

「歌舞伎で女性が舞台に立てないのと同じように、相撲において土俵は『神が宿る聖域』として男たちの手で守られてきました。それは男尊女卑とは別の話です。賞を渡す、あいさつをするといった外部の事情によって、一方的に歴史と伝統を崩すよう求めるのは、暴力的な感じがします。もし高市首相に内閣総理大臣杯を手渡したい意向があるなら、土俵脇に表彰台を作り、優勝力士が歩み寄って受け取ればいいのではないかと思います」

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