女性初の首相となり、「ガラスの天井」を破ったと言われる高市早苗首相(64)。だが、ふと疑問に思ったことがある。大相撲本場所の優勝力士に内閣総理大臣杯を授与する際、高市首相は慣例どおり土俵の上で杯を渡せるのか? 大相撲では土俵の上は「女人禁制」とされ、その是非についてたびたび議論が巻き起こったものの、いまだ昔からのしきたりが守られている。はたして、日本相撲協会はどう考えているのか。識者の分析も含め、実情を取材した。
【写真】高市首相が内閣総理大臣杯を授与するならこのパターン?
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そもそも、なぜ土俵の上は「女人禁制」なのか。理由には諸説あるが、日本相撲協会は2018年、協会としての考えをまとめた理事長談話を発表している。
18年4月に京都府舞鶴市で行われた大相撲の地方巡業「舞鶴場所」で、多々見良三市長(当時)が土俵上でのあいさつ中、くも膜下出血で昏倒(こんとう)した。会場に居合わせた女性看護師らが心臓マッサージなどの救命措置にあたったところ、「女性は土俵から下りてください」と日本相撲協会の行司によるアナウンスが繰り返された。その様子は「人命としきたりのどちらが大切なのか」と物議をかもし、当時の協会理事長である八角信芳氏は「不適切な対応でした」と謝罪した。
また同月には、当時兵庫県宝塚市長だった中川智子氏が地方巡業「宝塚場所」の土俵上であいさつすることを希望したものの、土俵下に設けた“お立ち台”で行うように協会から求められた一件もあった。過去にも、女性初の内閣官房長官となった森山真弓氏は首相代理として内閣総理大臣杯を、女性初の大阪府知事となった太田房江氏は大阪府知事賞を、土俵上で授与したいという意向を示したが、いずれも実現していない。
















