ロシアのドローン、キーウの集合住宅に直撃 首都各地で死傷者
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トビー・ロックハースト記者(キーウ)、オティリー・ミッチェル記者
ウクライナの首都キーウで14日にかけて、ロシアのドローンが市内の集合住宅に直撃し、6人が殺害され数十人が負傷した。一方、ウクライナはロシアの石油インフラへの攻撃を強化し、ロシア南部の黒海沿岸にある輸出ターミナルをドローンで攻撃した。
キーウ・リソヴィ地区の消防当局によると、ドローンが集合住宅の7階に直撃。8階から4階までのすべての階が崩壊したと、広報担当者がBBCに明らかにした。
住民のヴィータさんによると、ドローンが建物を貫通し、反対側で爆発したのだという。ヴィータさんは、自宅の数軒隣のアパートから4体の遺体が運び出されるのを「自分の目で見た」と話した。
当局によると、市内のすべての火災現場に医療チームが派遣された。
キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、9人が病院で治療を受けており、そのうち1人は「極めて重篤な状態」だと述べた。
キーウでは「ほぼすべての地区」で住宅が攻撃を受けたと、市軍事行政トップのティムール・トカチェンコ氏が通信アプリ「テレグラム」で述べた。
キーウ当局によると、首都のエネルギーインフラは深刻な被害を受け、一部の建物は暖房が使えなくなった。
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ウクライナはロシア南部の石油インフラ攻撃
一方、ウクライナはロシアの石油インフラへの攻撃を強化し、ロシア南部の黒海沿岸ノヴォロシースクにある最大級の輸出ターミナルの一つをドローンで攻撃した。
現地クラスノダル州の当局によると、シェスハリス製油所で火災が発生し、船舶と集合住宅が被害を受けた。
同州のヴェニャミン・コンドラティエフ知事は、主要な石油貯蔵施設とコンテナターミナルが損傷し、乗組員3人と別の男性1人が負傷したと述べた。
ノヴォロシースクのアンドレイ・クラフチェンコ市長は非常事態を宣言。ロイター通信によると、石油輸出が停止された。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナがロシアに対して夜にかけて、長距離巡航ミサイル「ロング・ネプチューン」を発射したと述べたが、詳しい標的については触れなかった。
住民と民間インフラを狙ったとゼレンスキー氏が非難
ゼレンスキー大統領は、ロシアによる夜間攻撃を卑劣で計画的だと非難。約430機のドローンと18発のミサイルが発射され、多数の高層ビルが損傷したと述べた。
「これは、住民と民間インフラに最大限の被害を与えることを目的とした意図的な攻撃だった」と、ゼレンスキー氏は話した。
ウクライナ南西部オデーサ州のチョルノモルスクでは、市場がドローン攻撃を受け、2人が死亡した。
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ベッドと窓が一斉に揺れ
ドローンに攻撃されたキーウ・リソヴィ地区の集合住宅の現場では、2台のクレーンが救急隊員を建物の外に吊り上げた。作業員は破壊された建物を捜索し、壊れた壁や砕けたガラスを地面に投げ捨てていた。
救急当局によると、落下した破片や火災により、複数の高層住宅、病院、学校、行政施設が損傷した。
当局によると、40人以上が救助され、そのうち14人は住宅火災から救出された。別の1人はがれきの下から救助されたという。
ウクライナ議会のリサ・ヤスコ議員はBBCに対し「攻撃はとても大規模だった。ドローンや弾道(ミサイル)によるもので、防空システムがしきりに稼働していた」と話した。
「しばしば、ベッドが窓と一緒に一斉に揺れているように感じた」とも議員は述べた。
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ウクライナ空軍は、ドローンや誘導爆弾が北東部スーミを含む他の地域も標的にしていると警告した。
ロシアは8日にも、ウクライナ全土25カ所へドローン攻撃を展開。その時は東部ドニプロの集合住宅や、各地のエネルギー施設が破壊され、ドニプロとザポリッジャで少なくとも計6人が殺害された。
ロシアは開戦以来、ウクライナのエネルギー施設攻撃を繰り返している。ロシアはこうした攻撃はウクライナ軍を標的にしたものだと主張するが、ウクライナはそれは事実と異なると反発している。