主に大企業の従業員やその家族らが加入する健康保険組合が、高齢者医療への「仕送り」に苦しんでいる。高齢者の医療費の多くを健保組合などを通じて現役世代が肩代わりするが、高齢化の進行で、その負担が年々増加。多くは保険料率を引き上げて支援を続けるが、企業が自前で組合を持つ利点が薄れる「解散ライン」の保険料率10%を超える組合も目立つ。「このままでは維持できなくなる」。関係者に危機感が募る。
保険料率がアップし解散ライン超
「もう限界に達しているんですよ」。医薬品卸業の従業員らでつくる東北薬業健康保険組合(仙台市、一條武理事長)の畠敏郎常務理事は、深いため息をつく。
同組合は約7千人の加入者を抱え、令和6年度決算はかろうじて黒字を確保。だが、近頃は多くの年で赤字財政に苦しんでいる。
悩みの〝種〟は、高齢者医療への対応だ。現役世代が高齢者の医療費の一部を支える国の仕組みがあり、企業の各健保組合は、加入者の数などに応じて、高齢者医療に拠出している。
東北薬業健保組合では、高齢者医療に関する6年度の拠出総額が約7億7千万円に上った。保険料収入(約22億円)の35%を高齢者への「仕送り」に充てた形だ。
同組合では、財源となる保険料を段階的に引き上げて対応。現役世代の負担を増やしてきた。現在の保険料率は、健保組合の「解散ライン」といわれる10%を上回る10・7%に達している。