goo blog サービス終了のお知らせ 

馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

Locking Plate Used in Bridging Mode 動画 架橋モードでのLCPの使い方

2025-03-10 | technique

LCPは支柱性を構築することができるので、粉砕骨折部や骨欠損部を架橋する内固定において利点がある。

この動画で紹介されているのは、大腿骨粉砕骨折で、髄内ピンを入れておいて、Locking Dynamic Plate で架橋する方法。

髄内ピンだけだと、荷重に耐えることが難しい(支柱性がない)。

そして、回旋に抵抗することも難しい。

LCP/LHSを使えば、支柱性を構築し、回旋に抵抗することもできる。

Locking Plate Used in Bridging Mode (Veterinary Instrumentation Orthopaedic Technique Overview)

ただし、LCPとLHSに強い力が働くことを認識しておく必要がある。

一度の大きな力で崩壊するか、繰り返される荷重で金属疲労により破損する可能性がある。

           //////////////

薪の原木を蝕(むしば;虫食む)んでいた 

カミキリムシの幼虫のようだ

割るまではわからない

金属疲労による破損にも似て

 


Locking Plate Used in Neutralisation Mode 中和モードで使われるロッキングプレート

2025-03-07 | technique

DCPの使い方を説明しているYoutube動画を紹介したので、Locking Compression Plate の使い方を説明している動画も紹介しておきたい。

この動画ではDynamic Locking Plate と呼ばれている。

LCPと構造や設計は違いはないように見える。

Locking Plate Used in Neutralisation Mode (Veterinary Instrumentation Orthopaedic Technique Insight)

モデルに使われているのは、小動物の脛骨のプラスチックボーンのようだ。

lag screws の入れ方もていねいに説明されている。

そして、Locking Plate を中和プレートとして使っている。

lag screws がしっかり効いているし、斜骨折なのでcompression はかけない。

contour はプレートベンダーで行っている。

大動物で使われる4.5/5.0というサイズのLCPでも、ナロー(薄くて幅が狭い)ならプレートベンダーでcontour できると思う。

plate screws は全てLocking screws を使っている。

これには是否、賛否、メリットデ・メリットがあるだろう。

(大動物で内固定の対象になりやすい仔馬・子牛でネジ山の低いLocking screwsがしっかり効くか?

1-2本でも通常のscrewsを入れてLCPを骨に圧着させることは強度を増す上でも利点がある)

骨折部にはscrewsを入れていない。

(小動物は骨が細いからね)

empty holes (plate screws を入れない孔)を残している。

小動物では、固定の頑丈さが問題になることは少ないのだろう。

体重が軽いし、肉食獣(イヌ・ネコ)は骨折していたらほとんどの時間を寝てすごせる。

              ー

残念ながら、LCP/LHS はとても高価で、黒毛和種子牛でも経済的に見合わないだろう。

しかし、サラブレッドでは内固定のかなりの症例はLCP/LHSで行われるようになっている。

            /////////////

この辺りを車で走っていて、馬運車とすれ違うようになってきた。

「種付けに行くんだろうな」と思いながら見ている。

家畜高度医療センターも忙しくなってきただろう。

差し入れを持って陣中見舞いに行ってきた。

220kgの黒毛和種子牛の中足骨骨折近位骨幹端骨折をT-LCPとDCPで内固定した症例とか

繁殖牝馬の第一趾骨粉砕骨折をlag screws とTransfixation Pin Cast で固定した症例などのXrayを見せてもらった。

かつては助けることができなかった症例だ。

がんばれ後輩たち!

             ー

おそくなっちゃったけどひな祭りでした、ね。

2/26はブログ開設19周年でした

 

 


DCPを概説する動画 Dynamic Compression Plates (Veterinary Orthopaedics Instrumentation Overview)

2025-03-04 | technique

Dynamic Compression Plates (Veterinary Orthopaedics Instrumentation Overview)

これは、Dynamic Compression Plate の使い方の基本を説明した動画。

よくできている。

5分で学べる。

1:50あたりで”すべての軟部組織と骨膜は骨の表面から除去して・・・・” と述べているが、これには異論を唱えておきたい。

骨膜は骨に血流や神経分布を提供しているだいじな組織。

除去してしまうと骨癒合、骨再生を遅らせる。

無理に剥がせば骨壊死が起きかねない。

ひょっとすると馬と小動物では考え方や手技での優先度が違うのかもしれない。

           ///////////

地獄の鬼の金棒、らしい

骨折したら金棒(DCPでもLCPでも)入れて治しましょう!

 

 


Clostridioides difficileへの警戒

2025-02-24 | 感染症

北海道獣医師会雑誌 第69巻2号(2025)に「豚農場環境におけるClostridioides difficileの定着実態の解明」が載っている。

酪農学園大からの報告。大学実験豚舎で3年間拭き取り検体からClostridioides difficileを分離し、遺伝子解析した内容。

Clostridioides difficileは、馬の大腸炎、抗菌剤誘発生腸炎の病原体になることで馬にも危険で、馬関係者にも怖れられている。

             ー

2022,2023,2024年と調査しているのだが、採材箇所、採材数は年によって異なる。

1年1回だし、翌年には前年の結果を踏まえての調査になったのではと思いたくなるが、そうでもない。

2022年に分離されたのは豚舎内環境(床、枠、餌入れ)からのみ。

2023年は、採材検体は22から52検体に増えている。やはり分離されたのは豚舎内環境からのみ。

しかし、2024年の検体は2022,2023年に分離されたことがない長靴、消毒薬、ブラシのみ。そして長靴1検体のみから分離された。

そもそも、この豚舎でClostridioides difficileが問題であったのかどうかわからない。

調査の直接の動機と調査計画がどうしてこうなったのかがわからない。

             ー

偏性嫌気性菌で培養が難しく、芽胞菌であるために動物飼養環境での消毒や殺滅が非常に困難な細菌である。

一般の馬の飼養環境がこの菌で汚染されたら清浄化はかなり困難だろう。

JRAでの経験が引用されているが、一般の牧場はそれほど施設、作業に手間も経費もかけられない。

             ー

馬のClostridioides difficile腸炎について言えば、抗菌剤投与により誘発されることがほとんどであることを認識し、馬獣医師は慎重に対応する必要がある。

馬の病院や診療施設では、抗菌剤は使わざるを得ない。

重症畜や手術後の患馬が滞在しているからだ。

そこがClostridioides difficileで汚染されてしまうと非常にやっかいなことになる。

その点でも、今回の「豚農場環境におけるClostridioides difficileの定着実態の解明」は興味深く読んだ。

           //////////////

と~っても珍しくてっぺんまで行く第4リフトまで動いていた。

去年は雪不足で一度も動かなかったと思う。

雪もガリガリではなかく、楽しく滑れた。

「ありがとうフェスティバル」が催されていてにぎわっていた。

 

 

 


抗菌剤予防的投与の是否

2025-02-22 | 馬内科学

私が獣医師になったころ、仔馬の死亡率は今より高かったのだろう。

そして今と同じく、感染症による死亡がかなりを占めていた。

細菌学の研究者で、

「新生仔馬に抗菌剤(ゲンタマイシン)を投与すればいいんだよ。

UK(その先生は英国留学の経歴があったらしい)ではやっていることだからね」

と言う人がいた。

いろいろな状況やいろいろな考えがあるだろうが、少なくとも欧米でも新生仔馬に予防的に抗菌剤を投与するという手技は主流にはなっていない。

正常な新生仔馬のほとんど全頭に抗菌剤を投与しなければならないほど新生仔馬の感染症は多いわけではないし、

抗菌剤を予防的に投与すれば耐性菌を増加させ、その抗菌剤が効かない細菌を選択的に残すことになるし、

感染症の初期症状だけを抑えたり、発症を遅らせるだけなら、異常の発見や診断を遅らせることになりかねないし、

無菌状態で生まれた新生仔馬が、正常な腸内細菌叢を獲得して、自力で免疫を確立していく過程を阻害することになる。

               ー

ある地域では、新生仔馬に出血性腸炎が続発したことがあって、仔馬が生まれたらトリオプリムを投与するということが行われていた。

それについては一定の効果があったようだ。

これは例外的な、緊急避難的措置と考えてよいと思う。

               ー

北海道獣医師会雑誌に、田村豊会長が、子牛の呼吸器感染症低減のために行われる「ウェルカムショット(抗菌剤の予防的投与)」について文章を書いておられる。

子牛の農場でウェルカムショットがどれくらい行われているのか私はよく知らない。

その功罪については非常に慎重に判断しなければならないし、

例え短期間に効果を上げているとしても、長期的視点で考える必要があると思う。

               ー

養豚にくわしい獣医衛生学の先生から、「抗菌剤の飼料添加なしでは養豚はできません」と聞いて驚いたことがある。

子牛の農場もそれに近い状態になってしまっている所があるのかもしれない。

しかし、それは予防衛生や個体診療の敗北であり、放棄ではないかと私は思うのだが・・・・・

               ーーー

NOSAI獣医師がウェルカムショットを行っていて、「目から鱗だった」と田村会長は書いておられる。

「目から鱗」の使い方がちがうと思いますけど。

            //////////////////////

主人公は62歳。

バブル期に地上げで活躍した。

今は、居酒屋の店主。

そして、30年前に行方不明になった愛した女を忘れられない。

ハードボイルド恋愛小説、だな。

ミステリーとしても読める。

私には、面白かった。