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Conversation

長いっす。ブログに書けよ的な。まあ、書いときます。 --- 中国共産党にとって最大の悲願というのは台湾統一です。台湾統一がなぜ重要かというと台湾が中国の領土というのではなくて、ここは国民党の亡命政権だからなんです。 ですから国民党はたまたま今台湾にいるだけであって中国全土を支配しているっていうフィクションを実はまだ持っているんです。この共産党と国民党は鏡像関係なんですよね。 ですから中国の指導者及び権力層というのはこの台湾統一の悲願を達成すべく必死なんですけれど、成功した試しがありません。何でやっても失敗します。 最大の失敗は、李登輝の総統選です。この時中国は台湾の近海にバカスカとミサイルをぶち込んだり戦艦を配置したりして、もうほとんど封鎖に近いような脅しをかけたんですよね。ところが李登輝はこんなものは屁でもないと思ってましたね。そして李登輝は勝利したんです。でこの勝利というのは実は人類史に残る壮大な勝利なんですよ(これは見方にもよるんでしょうけど私はそう見ています)。 これはどういうことかというと、それまでの国民党と共産党っていうフィクションが終わったっていうことです。中国共産党が終わらせなければならなかった国民党というものを、台湾の市民が終わりにしちゃったんですから。この時点で中国共産党っていうのは中国を支配する権力構造じゃなくて一つの政党になっちゃったんですね。ですからこの時点で中国共産党っていうのは終わったんですよ。 当然ながらそんなこと、つまり、中国共産党は終わったと言っても現存してるわけですから受け入れるわけがないんです。なのでますます台湾統一というのが国是になっていくわけです。 でも、これまではどうやっても台湾有事問題で中国が勝てなかったんですね。ところが近年台湾有事で中国が勝てるという見込みが出てきました。 あとちょっと言うとウクライナ戦争が結果的に中国を利した面があります。ここは米国がバカなんですけれど。その、米国にとってウクライナってそんなに重要な地域じゃなかったんですよね。 なのに、ここに金と兵器をぶち込んじゃって、で、勝てるだろうと思ってたのかわかんないんだけど、ここで、実は米国が消耗戦を強いられてた。結局ロシアはこの消耗戦を読んでたから、金融を含め各種制裁に耐え、他方兵器増産も可能にしていたんですよ。 なんでこうなるかっていうと、ロシアっていう国はプーチンという超強力な一貫した政権があったのに、対して、米国はネオコンがガチャガチャやったり本来の共和党とか本来の民主党とかがガチャガチャガチャガチャやって、国家戦略がガタガタしてたんですよね。その間アフガニスタン問題とかも色々ガチャガチャやって、まあそういうことです。 で、以上の話からすると台湾が勝利して中国共産党は歴史的に終わったんだということなんですけど、現実は多分この逆になります。 台湾有事が勃発すれば日本・米国・台湾側が負けるシナリオが高いです。特に単独的なシナリオでは負けるという予想が有力になってきたんで、じゃあどうするかっていうのが今問われることなんです。 これを共産党側から見ればその中長期的な対策を取られる前に比較的短期に決したいっていう誘惑が起きるんですよね。少なくとも失墜しつつある派は逆転狙いしたい。今度こそやれるぞっていう。つまり、中国内部の権力構造で、このトロフィーを得なければならないって何らかの圧力が今生じてるんだと思います。 さて、ここで日米台湾に大切なのは「勝つこと」じゃなくて「相手を勝たせないこと」です。 例えばですね、たとえ負けたとても、台湾の人間と技術を日本に移して「空っぽの島」を残せば、中国の「統一」の面目は立っても、意味を失います。まあ、かなりSFチックではありますが、いろいろ策を練るべきです。 そこまで飛躍しなくても、日本は米国と手を組んだだけじゃ、もうだめなんで、アジアと手を組んで中国を囲んでいかなきゃいけないんですよ。軍事だけでなく、経済的にも。いい意味でいうなら、「仲良くしようぜ」です。 この場合、重要なのは、東アジア版NATOみたいな馬鹿なこと言うのはやめろっていうことですね。でこれがなぜ馬鹿なことかっていうのを説明するのがすごくうんざりするのでここまでにします。