IT業界でAIの恩恵を最も享受しているのは間違いなくハッカー(サイバー犯罪者集団)なんですよね。
なぜならば彼らが使用するマルウェアなどの攻撃ツールは(動けばOKで高い品質を要求されないため)レビューの必要がなくAIで超高速に開発サイクルを回せますからとんでもないスピードで進化していくわけです。
つまり我々クラウドエンジニアが使用するような防御用のセキュリティサービスよりも彼らが使う攻撃ツールの進化の方が圧倒的に速いので、守る側は非常に不利なんですよね。
しかも彼らは法律やルールに縛られないので世の中で実際に稼働しているサービスに対してカジュアルに攻撃を仕掛けられるためスキルも知見もどんどん蓄積されていきます。
これに対して守る側は実際に攻撃される経験を積むことはなかなか難しいですから、セキュリティに関しては圧倒的に「攻撃者側が有利」な構造になっているわけですね。
この「攻撃側有利」の構造が今後逆転することはまず無い、つまりサイバー攻撃の被害が今後も拡大し続けることはほぼ確実ですから、その攻撃からサービスを守るセキュリティ系エンジニアという職業の需要も恐らく伸び続けるのではないかなと。
なので「AIに代替されにくい」むしろ「AIによって仕事が増える」タイプのIT系の専門職を探している人は、セキュリティ系エンジニアを候補の一つにするのは悪くない身の振り方かなと思いますね