■2大スーパーロボットが夢のコラボ!『グレートマジンガー対ゲッターロボ』(1975年3月21日公開)

 1975年の春休みに公開された『グレートマジンガー対ゲッターロボ』も、永井豪氏が手がけた2作品によるクロスオーバーだ。

 『グレートマジンガー』は『マジンガーZ』の続編で、剣鉄也がグレートマジンガーに乗って闇の帝王率いるミケーネ帝国と戦う。

 一方『ゲッターロボ』は3人の若者が3台のゲットマシンに乗り込み、陸、海、空に適した3種のゲッターロボに変形、地上支配を目論む恐竜帝国と戦う。本作は巨大ロボット作品における「合体・変形」の元祖ともいわれ、何より石川賢氏のイメージが強い作品だ。

 同ジャンル、同局放送で、ダイナミックプロが誇る2大スーパーロボットによる初のコラボ映画となる。

 本作ではゲッターチームの「早乙女研究所」とグレートマジンガーチームの「科学要塞研究所」が同じ世界線に存在する。東京上空に襲来した謎の円盤は、日本を地球制圧の拠点にするべく宇宙怪獣ギルギルガンを投下。ゲッターロボは円盤の対処に向かうも撤退。グレートはギルギルガンに攻撃が通じず、両腕を失ってこちらも撤退に追い込まれた。

 ゲッターチームとグレートマジンガーチームは互いをライバル視しすぎるあまり、使命を忘れて焦りが隠せず、剣鉄也は養父でもある兜剣造博士から叱責を受ける。

 この地球の危機に、早乙女博士と兜博士はゲッターとグレートで協力態勢を取ることを決断した。

 炎ジュンに頼まれておとりになったボスボロットの献身的な頑張りにより、ギルギルガンを無人島まで誘い込むことに成功。その無人島で合流したゲッターロボとグレートマジンガーは共同戦線を張る。そしてグレートのサンダーブレークと、ゲッターのゲッタービームが同時に直撃したギルギルガンは大ダメージを受けた。

 ところがそこに謎の円盤が現れると、ギルギルガンをさらに成長させるために自ら円盤を食わせてパワーアップさせる。強化されたギルギルガンは、ブレストバーンとゲッタービームによる同時攻撃をものともしなかったが、剣鉄也が装甲の損傷箇所を発見する。

 その損傷部分を攻め立てたあと、ゲッターとグレートはギルギルガンの内部に侵入。内部からさらに大きなダメージを与えた。

 そしてダブルサンダーブレークとゲッタービームを食らったギルギルガンは、空中で大爆発。見事強敵を討ち果たしたゲッターとグレートは固い握手を交わすと、これからの協力も約束している。

 同作では、物語序盤にゲッターチームとグレートマジンガーチームがお互いをライバル視しているという描写があったのみで、結局のところ敵対して戦うような場面は皆無だった。

 ちなみに、このあとも「東映まんがまつり」では『グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突』(1975年7月公開)、『UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー』(1976年3月公開)と、永井豪関連作品にて「対」のつくタイトルは続くが、1976年7月公開の『グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣』で、ついにタイトルから「対」の文字が消滅している。

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