昼間、ソファで腹痛に耐える彼女の涙目とおねだり。

（ソファで横になってる生理中の彼女）
（傍のテーブルで作業中の彼）

……、

……？

（ずっと唸りながら横になってる彼女）
（そんな彼女が気になる彼）

ねえ大丈夫？

……、

…ねえ…

……、

（テーブルを離れ彼女の傍へ行く彼）
（頑張って痛みに耐えてる彼女）

大丈夫？生きてる？
さっきからずっと唸ってるけど

…痛い？お腹

薬は？
さっき飲んだんだっけ

…そっか…

今回も酷そうだね生理痛…

（彼女が心配な彼）
（「うるさくしてごめん」と唸りながら謝る彼女）

…え、いや
うるさいとかじゃなくて

違う違う
それで話しかけたんじゃないって…

全然うるさいとかじゃないから、
大丈夫

いや、なんか
すごい寝づらそうに見えてさ…

さっきから
体勢変えたりしてるでしょ？

ソファ狭くないのかなと思って…

体勢変えたりした方が
痛いの和らいだりするんでしょ？

それなら
ベッドの方が良いんじゃない？

ソファで平気？

（傍で優しく声を掛ける彼）
（「ベッド行きたい」と唸る彼女）

…ん？
行きたい？ベッド

行く？

…ん、いいよ

動けそう？

…無理っぽいなら
俺運ぶけど、ベッドまで

（「私のこと持てる？」と心配な彼女）
（当たり前じゃんと思う彼）

え？持てるよ
落とすわけないじゃん

こういう時の為に
筋トレしてるんだから、俺

お前軽いし
全然余裕だから、任せろ

…うん、
身体こっちに向けられる？

首に腕回してくれれば…

…は？

（急に「スマホなくなった…」と愚図る彼女）
（単純に「は？」と疑問な彼）

え？スマホ？

…ないの？
どこにやったの

（「隠した？」と聞きながら彼に腕を回す彼女）
（彼女を優しく抱き寄せながら答える彼）

えー？
隠してないよ俺

俺ずっと向こうで
作業してたじゃん

…見付からないの？
どこやっちゃったのスマホ

……？

…って、
普通に落ちてるじゃん

（彼女のスマホをポッケに仕舞う彼）
（痛みの波に顔を顰める彼女）

ん？

あー、痛いね

ごめんごめん
今ベッドに行くから

…悪い、
もうちょっと膝曲げられる？

ん、さんきゅ

いい？上げるよ？

はい…っ

（横抱きで彼女を運ぶ彼）
（彼に弱々しく抱き着く彼女）

んー？

あ、スマホ？

持った持った
俺のポケットに入ってる

…いや隠したんじゃなくて
落ちてたよ、ソファの下に

ベッド行ったら渡すから待って
今は無理

あっちで渡すから

…はいはい、
ベッドに行きましょうね

（寝室に移動中の二人）
（その間も痛みの波に悶える彼女）

トイレは？
寄ってかなくていい？

ん、おっけ

…あーごめんごめん
痛いよね、ちょっと待って

今下ろすから

（寝室に到着）
（彼女をゆっくり下ろす彼）

…ん、いい？
下ろすよ

っはい、お待たせ

そして…はい、
こっちもお待たせ

スマホ

ん、どういたしまして

（受け取って楽な体勢になる彼女）
（それを見守ってる彼）

…その体勢でいいの？

それが楽なんだ

そっか

…布団は？掛けなくていいの
いらない？

……？

（気付けばべそべそ涙目になってる彼女）
（それに気付いて目線を合わせる彼）

…なに泣いてんの？
どうした？お腹痛い？

（「生理の度にごめん…」と涙目で謝る彼女）
（そんなことないと伝えたい彼）

ん？それは…
何に対するごめんなの

…ええ？
いいんだよ別に、これくらい

迷惑なんて思ってないし

…もう…
泣くことないんだよ？全然

（涙を拭こうとする彼）
（阻止するように枕に顔を埋める彼女）

ほら、枕に顔押し付けないでよ
涙拭けないから…

濡れちゃうよ枕

…ん？

だってなに？

（生理のあれこれを涙目で話す彼女）
（それを全部聞いてあげる彼）

うん、うん…

…うん…それが嫌なんだ？
迷惑かけてるみたいで

そっか

でも、それはさ
もうしょうがないんじゃない？

お腹とか腰痛くなったり
怒りっぽくなっちゃうのも…

（「毎回嫌な思いさせる」と涙目彼女）
（優しい子だなと思う彼）

…んー…

それ、前回もその前の生理の時も
言われた気がする俺

…そう、
嫌な思いさせちゃうって

でも、俺もね？
何回でも言わせて貰うんだけど

全然嫌な思いしてないから

嫌な思いもしてないし
迷惑なんて思った事ないよ

だって、話してくれたじゃん
付き合いたての頃くらいに

生理の時の、
こういう症状…っていうの？

頭痛くなったり、酷い時だと
身体動けなくなる事とかもあるって…

ちゃんと話して
教えてくれたじゃん、俺に

ね？ちゃんと覚えてるし
分かってるから

今まで嫌な思いしたことないし
迷惑なんて思ったこともないよ

今後も絶対そう思うことはないから…

（涙目で彼を見る彼女）
（優しく涙を拭いてあげる彼）

…だから
そんなにごめんねしないでよ

そんな謝られると
俺の心がさ、逆に痛むから

…うん、謝らないで

安心しなさい
お前の彼氏はそんな器小さくねえから

気にしなくていいんだよ

（痛みが一時的に引いてる彼女）
（鼻を啜りながら「今回楽で良かった」と話す）

…ん？
よかったって何が

…ああ、前回のね…
そうだった

前の生理のとき結構酷かったもんね
吐き気とかあったし…

今どう？
そういうの無さそう？

そっか、良かった

…まあ、そう考えると
前より楽で良かったかもしれなけど…

（若干の痛みの波が来て顔を顰める彼女）
（見守ることしか出来ない彼、呟く）

でも、
きついことに変わりないよな…

…痛いよな…

……、

…はやく薬効かないかな…

……、

（彼女の顔に掛かった髪を優しく払う彼）
（少しずつ薬が効き始めてる彼女）

……、

ねえ、何か欲しいものある？
して欲しい事とか

何か出来ることある？俺

…うん、何かある？

何でもいいよ、言ってみ？

（彼女のために何かしたい彼）
（小さな声でお願いする彼女）

なに欲しいって？

…クッションとイヤホン？

クッション一個でいいの？

分かった
持ってくる

…うん、あと何？

（痛みが少しずつ引いてきた彼女）
（色んなことを伝えるよ）

あー、はいはい

お茶って、あれ？
いつもコンビニで買ってるやつ？

おっけい、分かった
買ってくる

…ん？
他に何かあった？

（何でも快く聞いてくれる彼）
（ここぞとばかりにあれこれ言う彼女）

…うん…うん、

ん？それって…

うん…え？

ちょっと待てえ？

…それ…ねえお嬢さん？

ちょっと

（それに気づき笑いながら止める彼）
（言ってる内に何か面白くなってきた彼女）

待って待ってお嬢さん
一旦いいですか？止めても

あの…途中から
可笑しいの混ざってましたけど

いや、ね？

分かるよ？

あれが飲みたいとか、
あれを持ってきて欲しいとか

あと腰をね？
押して欲しいとかは分かるよ

分かるし
全然喜んで買い物とか行くんだけど…

でもさ、新しい服欲しいとか
本屋さんに行きたいとかは、ちょっと違くない？

（静かにくすくす笑う彼女）
（そんな彼女に安心する彼、一緒にニコニコ）

しかも最後さ、
ユニバ連れてけって言った？

もう完全に命令じゃん
お願いとかじゃなくて

（一緒にニコニコする二人）
（「気の所為だよ」と小さく笑う彼女）

…あ、マジで？
俺の気の所為だった？

マジかあ
気の所為だったのか…

（さっきほどの痛みは消えた彼女）
（ニコニコしてる彼女に彼、一安心）

…っふ

…笑ってんなあ…

顔顰めたり
涙目になったり笑ったり…

今日は忙しいねえ

（彼女の頭を優しくなでる彼、小さく呟く）
（「情緒不安定な日」と話す彼女）

…情緒不安定な日なの？

そっか…生理が来ると
心も身体も疲れちゃうね

毎月毎月
こんな痛いのに耐えなきゃいけないし…

女の子って大変だ
ほんと、凄いね

（彼女の心身を労る彼）
（「偉い？」と聞く彼女）

…ん？
そうだね、偉いと思うよ

マジで偉い

うん、偉い偉い

（「じゃあユニバ連れてってくれる？」と彼女）
（彼女が可愛くて笑う彼）

…っふ、

じゃあってなに、
偉いからユニバ連れてけって？

…ユニバねえ…

そんな行きたいの？

（「行きたい」と素直な彼女）
（彼女の為なら何でもしたい彼）

そっか

…じゃあ、
今すぐには無理だけど

生理痛落ち着いたらとか
生理が終わってから行こう、ユニバは

…で、それに合わせて
服買いに行ったり本屋さんに行こう

うん、お前の体調が落ち着いたら
一緒に予定合わせて出掛けよう？

（聞いて貰えると思ってなかった彼女）
（すごく嬉しいよ）

…え、何でそんな驚くの
いいよ全然

行こう？最近ずっと
一緒に出掛けるとか出来てなかったし…

それに…何か楽しみあった方が
生理、耐えられそうでしょ？

楽しみを作ってあげることくらいしか
出来ないからさ、俺は…

だから落ち着いたら一緒に行こう
…うん、買い物もユニバも

約束

（「やったー」と弱々しく喜ぶ彼女）
（彼女の役に立てばいいなと思う彼）

…嬉しい？
そっか、良かった

……、

…かわい…

（素直な彼女、かわええ）
（「薬効いてきたかも…」と話す彼女）

…ん？

あ、ほんと？
痛いの軽くなってきた？

薬効いてきたんだ
良かったじゃん

…え？なに？

（「はよお茶飲みたいな」とおねだりする彼女）
（はいはいと笑いながら応える彼）

あ…早くお茶飲みたい？

はい、すんません
行きます

今買っています

（ニコニコ笑う二人）
（「ありがと」と彼女）

うんん、いいよ全然
買い物くらい喜んで行くから

…じゃあ俺、
ちょっとコンビニ行ってくるけど

一人で平気？

…うん、
すぐ戻ってくるから

（そして最初のやり取りを思い出す彼）
（彼女もそれに「あ…」と笑う）

っあ…ていうか
先にクッションとイヤホン持ってくるわ

普通に忘れてた
ごめん

えっと…
イヤホンどこにあるの…？

鞄の中ね、おっけ

うん、すぐ戻ってくるから
待ってて

（リビングに取りに行く彼）
（楽しみ出来たから頑張れる彼女）