経済産業省が、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の開発や運営を担う事業者に対する規制強化を検討している。法令違反が疑われるパネル設備の監視を強め、開発による地盤崩壊や土砂流出を防ぐ措置も厳格化。規制強化を通じて太陽光導入への懸念を払拭(ふっしょく)する狙いがある。規制強化による再生エネルギー分野の進路を見通す。
背景としては、北海道釧路市の釧路湿原国立公園の周辺で、メガソーラーの建設が相次ぎ、森林伐採などが進んだため、設置を規制する条例が市議会で可決されるなど問題が顕在化していることなどがある。
国としても規制に乗り出し、高市早苗政権ではそれが加速しているわけだ。高市自民党と日本維新の会の連立政権合意書に「2026年通常国会でメガソーラーを法的に規制する施策を実行する」と明記している。
そのため、冒頭の経産省や環境省などでつくる連絡会議が、関係法令の改正や監視体制の強化などの対応策を年内にも取りまとめる。
経産省は、自治体が違法性のある事業者を通報し、関係する行政機関などが情報を共有する「関係法令違反通報システム」の対象を拡大する。通報を基に違反を調べる「再エネGメン」が監視体制を強化する。
環境省は希少種を許可なく捕獲するのを禁じる「種の保存法」の改正を検討している。生態系への影響が懸念される再生可能エネルギー事業を規制対象に含めることも視野に入れる。
そのほか、土地造成や自然環境・景観の保全などに関する16法令が問題のある事業にどう適用されるのかといった検討を本格化させる。必要に応じて運用指針の改正や罰則の新設を行う。
これで、中国製ソーラーパネルの輸入が抑えられる効果がある。一方、日本製であり、軽量で曲げられる次世代のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を導入する施策も併せて講じられるだろう。
中国製から日本製に置き換えることにより、再生可能エネルギーも、国産で生み出していこうという思惑もあるのだろう。また、中国製ソーラーパネルはソフトも中国製のために経済安全保障上問題があるとされている。今回のメガソーラー規制強化は、経済安全保障上の観点もある。
つまり、再生可能エネルギーを否定せずに、かつ経済安全保障の要請も満たして、国内経済の成長も図るというメガソーラー規制強化なのだ。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)