北海道大総長に宝金清博氏再選 アイヌ人骨問題「何らかの発表する」

三木一哉
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 来年9月、前身の札幌農学校の開校から150周年を迎える北海道大学で10日、次期総長予定者選考・監察会議が開かれた。総長選に立候補した3氏のうち、宝金(ほうきん)清博・現総長が再選された。文部科学大臣の任命で総長に就任する。2期目の任期は2026年4月から4年間。

 教職員らが候補者を評価する意見聴取では、経営目標、現状認識、実行戦略の3項目のうち経営目標、実行戦略の2項目で宝金氏が1位だった。

 宝金氏は11日、再選を受けて記者会見を開き、少子化の進行を見込み、「海外のすぐれた学生を積極的に獲得するため、攻めの活動を展開する」と述べたほか、国の大学ファンドから長期にわたり重点的に研究費の支援を受けられる「国際卓越研究大学」の申請を準備する意向を明らかにした。

 また、戦前に研究名目でアイヌ民族の人骨を収集、ずさんな管理をしていた問題について、「何らかのステートメントを考えている。緻密(ちみつ)に内容を精査し、来年、できるだけ早く発表したい」と述べた。

 学費の値上げは「文部科学省が国立大の授業料の基準値をどうするかを見守りたい」としつつ、「学生の海外派遣留学など、教育環境の改善に資する目的であれば、ありうるオプション」と語った。

 任期中に強化したい大学の研究分野としては、持続可能な農林水産業、再生可能エネルギーとグリーントランスフォーメーション(GX)、先端半導体研究の三つを挙げた。

 宝金氏は北大医学部卒。大学院医学研究科教授、大学病院長などを経て20年10月から総長。

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この記事を書いた人
三木一哉
北海道報道センター|後志地方、科学医療等
専門・関心分野
相模原の歴史、東アジアと日本のかかわり、公共交通など